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全部を動画で届ける商品ほど、成果が出にくくなります|自分で進める・仲間と進める・個別に伴走する届け方の設計

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高額の商品が売れないとき、多くの人は中身を足そうとします。動画を増やし、資料を増やし、特典を増やす。ところが、受けた人の成果はなかなか上がりません。

「動画は全部見たけれど、自分の仕事には当てはめられなかった」。こうした声が出るのは、中身が足りないからではありません。途中でつまずいたとき、誰が、いつ、どう助けてくれるのかが決まっていないからです。

結論から言うと、商品は「中身(教えること)」と「届け方(サポート)」の2つに分けて設計します。中身は全員同じにして、届け方を「自分で進める」「仲間と進める」「個別に伴走する」の3段階に分けると、成果が出やすく、自分の時間も守れる形になります。

この記事では、中身と届け方の分け方、提供物のリストの作り方、3段階の届け方の違い、自分の時間を使いすぎない工夫を順番にお伝えします。

「私にできるか不安」と断られる本当の理由

高額の商品を検討する人が最後に迷うのは、「本当に私にできるのか」という点です。この不安で断られるとき、売る側は「もっと中身を充実させれば」と考えがちです。

けれども、お客様が不安なのは中身の量ではありません。動画が何十本あっても、「見たあとに自分一人で進められるか」は分からないままです。お客様が知りたいのは、つまずいたときにどうなるか、です。

本で読むのと、隣で見てもらいながら進めるのとでは、同じ知識でも届く確かさが違います。お客様が払っているのは、中身の量ではなく、約束に届くまでの道筋と伴走です。

全部を動画にすると起きること

全部を動画で届ける商品は、作る側にとっては楽に見えます。一度撮れば、何人に売っても手間は増えません。

ただ、受ける側はすべてを自分で当てはめなければなりません。忙しい週に止まると、そのまま再開できなくなります。成果が出る人が少なければ、お客様の声も紹介も集まりません。動画は大切な道具ですが、それだけで高額の約束に届くとは限らないのです。

中身と届け方を分けて考える

商品を2つに分けると、設計がぐっと楽になります。

中身(教えること) 届け方(サポート)
例 業務の選び方、時間の測り方、手順書の型、チームへの渡し方 メールでの質問、グループ実践会、添削、個別の伴走
お客様による違い 全員同じ どこまで手を借りたいかで変わる
増やしすぎると お客様が迷い、終わらなくなる 自分の時間が足りなくなる

上の表は、たとえば事務職の人向けに、3か月でAIの手順書10個をそろえるプログラムを作ろうとしている人がいたとして、その例で書いています。

中身を全員同じにしておけば、教材を作るのは1回で済みます。届け方だけを段階に分ければ、深さの違う選び方ができます。

分けて考えないと、「高いほうには特別な中身を入れなければ」と考えがちです。すると教材を何種類も作ることになり、時間がいくらあっても足りません。高いほうの値打ちは、中身ではなくサポートの深さで出します。

提供物をリストにして、障害と時間で仕分ける

中身と届け方を分けたら、お客様が受け取るもの(提供物)を1つずつ書き出します。書き出すときは、提供物ごとに2つのことを書き添えます。

  • お客様のどの障害に効くか
  • 自分の時間を毎回使うか

障害は、お客様が自分だけでは理想にたどり着けない理由です。この例では、①どの業務からAIに任せればよいか選べない、②うまくいっても手順として残らない、③忙しい中で一人では続かない、の3つです。障害の挙げ方はお客様の「今」と「理想」から約束を決める方法で詳しく書いています。

提供物 効く障害 自分の時間
動画講座 ①② 選び方と手順書の型を学ぶ 一度作れば使える
手順書テンプレート ② 10個を同じ形でそろえる 一度作れば使える
メールでの質問 ①② 止まったところを解く 質問ごとに使う
隔週のグループ実践会 ③ 仲間と進め、遅れを取り戻す 開くたびに使う
手順書の添削 ② 手順書の質をそろえる 1つごとに使う
毎週の個別伴走 ①③ 本人の業務に合わせて一緒に選び、止まらせない 毎週使う
職場の業務を一緒に仕組みにする ②③ 手順書を職場で回る形にする 毎週使う

「効く障害」の列を書くと、提供物ごとの役目がはっきりします。「自分の時間」の列を書くと、人数が増えたときにどこが苦しくなるかが先に分かります。この2列があるだけで、足すものと減らすものの判断がしやすくなります。

リストにすると、気づくことがあります。最初は「動画をたくさん撮ること」を考えていても、約束の「10個そろえる」に一番効くのは、動画の本数ではありません。毎週の宿題と、添削と、止まったときに戻ってこられる場です。

どの障害にも効かない提供物は入れない

AIに提供物のリストを渡して点検してもらうときは、「増やす案より、減らせる案を優先して」と頼むのがおすすめです。足す案ばかり出てくると、終わらない商品に近づいてしまうからです。

どの障害にも効かない提供物は、入れません。入れたくなった話は、次の商品の種として残しておきます。提供物が多いほど親切に見えますが、お客様にとっては、やることが増えて終わらない商品になります。

自分で進める・仲間と進める・個別に伴走する

提供物のリストができたら、届け方を3段階に分けます。中身と約束する成果は3つとも同じで、違うのはサポートの深さだけです。

自分で進める:手順さえあれば進められる人へ

動画とテンプレートがあれば自分で進められる人のための形です。基本がすでに身についている人に向いています。分からないところはメールで質問できます。

教える側の時間をあまり使わずに届けられるので、価格を抑えられます。一方で、宿題を見て進み具合を確かめる場がないので、止まった人に気づきにくい形でもあります。

仲間と進める:一人だと後回しになる人へ

手順は分かっていても、忙しいと後回しになる人のための形です。隔週のグループ実践会で、同じ立場の人と進み具合を見せ合い、手順書は添削を受けます。

「やり方は分かっているのに、締切がないと手が止まる」という方は多いです。これは本人の努力の問題ではなく、進める仕組みがないだけです。仲間と進める形は、その仕組みを提供します。

個別に伴走する:自分の状況に合わせて一緒に作りたい人へ

職場の業務が特殊だったり、チーム全体に広げる役目を任されていたりする人のための形です。毎週の個別伴走で、その人の職場の業務を一緒に仕組みにしていきます。

教える側の時間を一番使うので、同時に受け入れられる人数には上限があります。人数の決め方や、3つをどう並べて価格を決めるかは、3つのコースを並べる商品設計で詳しくお伝えします。

道筋に重ねて、どこで誰が助けるかを書く

3段階が決まったら、道筋(1か月目「選ぶ」、2か月目「増やす」、3か月目「確かめる」)に重ねます。段階ごとに、つまずきやすいところと、助ける提供物を書いておきます。

つまずきやすいところ 助ける提供物
1か月目「選ぶ」 10個の業務を選べない。時間の測り方が分からない 動画講座、メールでの質問、個別伴走で一緒に選ぶ
2か月目「増やす」 忙しい週に止まる。書き方がばらつく グループ実践会、テンプレート、添削
3か月目「確かめる」 残りが仕上がらない。測り直しを忘れる 到達点の確認、添削、個別伴走

この表があると、個別相談で「途中で止まったらどうなりますか」と聞かれても、具体的に答えられます。伴走が目に見えると、お客様は自分にもできそうだと思えます。これが、売り込まずに売れる状態の土台です。

自分の時間を使いすぎない届け方にする

提供物のリストで「毎回使う」がついたものは、人数が増えるほど時間を取ります。ここを見ずに売り始めると、売れるほど忙しくなり、一人ひとりに届ける質が落ちていきます。

一人で事業をする人にとって、一番大きなコストは自分の時間です。頑張る量を増やして乗り切るのではなく、届け方そのものを仕組み化します。

時間を減らす4つの置き換え

  1. 個別をグループに:何人もから同じ質問が来るものは、実践会でまとめて答える
  2. 毎回の説明を動画に:3回以上同じ説明をしたことは、短い動画にして全員に渡す
  3. 毎回の制作をテンプレートに:手順書の型や、添削で見るところを先に決めておく
  4. 下書きをAIに:質問への答えや添削コメントの下書きをAIに作らせ、自分は確かめて直す

気をつけたいのは、置き換えで成果が落ちないかです。個別に伴走する形から個別の時間を減らしたら、それはもう別の商品です。置き換えるのは、お客様が成果に届くうえで、自分でなくてもよい部分だけにします。

たとえば、添削で見るところをチェック表にして、受ける人が出す前に自分で確かめられるようにする。よく来る質問は、月に1回まとめて短い動画にする。こうしておくと、人数が増えても伴走の質を同じに保てます。個別のサポートを予定に縛られない形にする工夫は、予定に縛られない個別サポートを作る5つの決めごとでも書いています。

終わったあとも、届け方に入れる

忘れられがちなのが、受け終わったあとです。最終日に連絡が途切れると、お客様は手順書を職場に広げる途中で止まってしまいます。

最後の実践会や個別伴走の中で、「チームに渡す準備」を一緒に進めておく。受けたあとに一人で進めるための準備まで、届け方に含めておきます。次に何が必要になるかが見えていると、次の商品の種も、お客様の声から自然に見つかります。

まとめ

  • お客様が払っているのは中身の量ではなく、約束に届くまでの道筋と伴走
  • 商品は、全員同じ「中身」と、深さが変わる「届け方」に分けて設計する
  • 提供物はリストにし、どの障害に効くか、自分の時間を毎回使うかを書き添える。どの障害にも効かないものは入れない
  • 届け方は「自分で進める・仲間と進める・個別に伴走する」の3段階にし、道筋のどこで誰が助けるかを見せる
  • 毎回時間を使う提供物は、グループ・動画・テンプレート・AIの下書きに置き換える。成果が落ちる置き換えはしない

まずは今の商品の提供物を全部書き出し、それぞれに「効く障害」と「自分の時間」を書き添えてみてください。