海外の良い教材を見つけた。内容はきっと役に立つはずなのに、全部英語。動画や音声の教材となると、どこから手をつければいいのか分からない。そんなふうに、言葉の壁の前で立ち止まっていませんか。
結論から言うと、英語が得意でなくても、海外の教材から学ぶことはできます。コツは、教材をいったん「テキスト」にして、自動翻訳で全体をつかみ、大事なところだけを丁寧に読むことです。
ただし、その前に一つだけ、はっきりさせておきたいことがあります。海外の教材は、訳して使うものではなく、自分が学ぶためのものです。 訳した文章をそのまま自分の発信や商品に使うことはおすすめしません。
この記事では、海外の教材を学ぶときの前提と、英語が苦手な人でも進められる4つの手順を解説します。
前提:訳しても、著作権は元の著者にある
以前、私は「海外の情報を自分なりに訳して発信すれば、日本の情報を扱うより著作権の問題になりにくい」という書き方をしていました。この考え方は、誤解を招くものでしたので、ここで改めます。
海外の教材や本にも、著作権があります。日本語に訳したからといって、その権利が自分に移るわけではありません。翻訳した文章をそのまま載せたり、少し言い回しを変えただけで自分のものとして発信したりすると、元の著者の権利を侵してしまうおそれがあります。
海外の教材の正しい使い方は、そこから「考え方」や「手順」を学び、自分で実践し、自分の言葉と経験で語り直すことです。具体的にどこまでが許されるかは、内容や使い方によって変わります。判断に迷うときは、著作権に詳しい専門家に相談してください。
学んだ内容を発信に生かすときの考え方は、翻訳コンテンツを「売れる製品」に変えるリライト術で詳しく解説しています。この記事では、その手前の「学ぶ」部分に絞ってお話しします。
なぜ海外の教材から学ぶ価値があるのか
では、なぜわざわざ海外の教材から学ぶのでしょうか。
分野によっては、海外のほうが先に研究や実践が進んでいて、体系立った教材がそろっていることがあります。日本ではまだ紹介されていない考え方や、同じテーマでも違う角度からの説明に出会えることも少なくありません。
また、日本語の情報だけを見ていると、同じような話ばかりが目に入りがちです。海外の教材に触れると、「この分野は、世界ではこう考えられているのか」という広い視点が手に入ります。自分の専門分野の全体像をつかむうえで、これは大きな助けになります。
海外の教材を学ぶ4つの手順
海外の教材を学ぶ手順は、次の4つです。
- 教材をテキストにする(データ化)
- 自動翻訳で全体をつかむ
- 大事なところを精読する
- 自分の言葉でまとめ直す
順番に説明します。
1. 教材をテキストにする
最初の手順は、教材をテキストのデータにすることです。翻訳の道具を使うには、元になる文字が必要だからです。
文字の教材であれば、テキストの形で手元にあることが多いので、そのまま次の手順に進めます。ただし、電子書籍などでコピーに制限がかけられている場合は、その制限を回避しようとせず、読みながら大事なところを自分でメモする形にしてください。
音声や動画の教材は、「文字起こし」をしてテキストにします。方法は大きく2つあります。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 文字起こしを人に依頼する | 手間はかからないが、費用と日数がかかる |
| 文字起こしのサービスやAIを使う | 短い時間で大量の音声をテキストにできる。細かい誤りは残ることがある |
最近は、AIを使った文字起こしの精度が上がり、自分でも手軽にテキストにできるようになりました。AIでの文字起こしの使い方は、Google AI StudioでGeminiを無料で使う考え方と「文字起こし」への活用法でも触れています。
なお、有料の教材を文字起こしする場合は、その教材の利用規約も確かめてください。自分が学ぶためにメモを取ることと、テキストを他の人に配ることは、まったく別のことです。
2. 自動翻訳で全体をつかむ
テキストにできたら、自動翻訳で日本語にします。ブラウザに備わっている翻訳の機能や、翻訳のサービス、AIなどが使えます。操作の画面はよく変わるので、使い方は「使っている道具の名前 翻訳 やり方」などで調べると、その時点の方法が見つかります。
この段階の目的は、細かく理解することではなく、教材全体の流れをつかむことです。どんな順番で、何を教えているのか。どこが中心の話なのか。まずはそこを押さえます。
自動翻訳の日本語は、ところどころ不自然なこともあります。でも、この段階では気にしなくて大丈夫です。全体の地図ができれば十分です。
3. 大事なところを精読する
自動翻訳で全体をつかんだら、次は精読です。自動翻訳は便利ですが、万能ではありません。なんとなく意味は分かっても、細かなニュアンスがつかみきれないところが出てきます。
特に、教材の中心になる考え方や、手順の核になる部分は、辞書を使いながら元の英語で丁寧に読み解いてください。専門用語は、その分野で日本語ではどう呼ばれているかも調べておくと、理解が深まります。
この地道な作業が、表面的な理解を、自分で使える知恵に変えてくれます。 本当は、翻訳を通さずに英語のまま理解できるのが一番です。ただ、最初からそれを目指すと手が止まってしまうので、まずはこの方法で、海外の教材に触れる機会を増やしていきましょう。
4. 自分の言葉でまとめ直す
最後に、学んだ内容を自分の言葉でまとめ直します。翻訳の文章を並べるのではなく、「この教材から自分は何を学んだか」「自分ならどう実践するか」を書き出します。
この手順があると、学びが自分のものになります。そして、あとで発信するときにも、元の教材の文章ではなく、自分の言葉と経験から語れるようになります。
まとめ直すときは、次の3つの問いに答える形にすると書きやすくなります。
| 問い | 書くこと |
|---|---|
| この教材の中心の考え方は何か | 一番大事だと感じたことを、一文で書く |
| なぜそれが大事なのか | 自分のこれまでの経験と照らして、納得できた理由を書く |
| 自分ならどう使うか | 明日から試せる行動を、1つだけ書く |
3つ目の「自分ならどう使うか」が書けないときは、まだ理解が浅いということです。もう一度、精読した部分に戻ってみてください。反対に、ここが書けたら、その教材から学ぶべきことはかなり吸収できています。
そして、書いた行動を実際に試してみると、教材には書かれていなかった自分なりの気づきが生まれます。その気づきこそが、ほかの誰でもない、あなた自身の知恵になります。
よくある3つの失敗
海外の教材で学ぶときに、よくある失敗も挙げておきます。
- 翻訳で満足してしまう:全部を日本語にしたことで、学んだ気になってしまう。翻訳はあくまで入り口です
- 全部を精読しようとする:最初から一語ずつ読もうとして、途中で止まってしまう。まず全体、次に大事なところ、の順番を守ります
- 訳した文章をそのまま使ってしまう:学んだ内容を自分の発信にそのまま使うと、元の著者の権利を侵すおそれがあります。必ず自分の言葉で組み直します
見つけたお手本から学び、自分の商品や発信につなげるまでの流れ全体は、商品開発から収益化までの全ロードマップにまとめています。
まとめ
- 海外の教材は、訳して使うものではなく、自分が学ぶためのもの。訳しても著作権は元の著者にある
- 学ぶ手順は「テキストにする→自動翻訳で全体をつかむ→大事なところを精読→自分の言葉でまとめ直す」の4つ
- 文字起こしは人への依頼か、サービスやAIで行う。教材の利用規約やコピーの制限は守る
- 自動翻訳は入り口。中心になる部分は精読して、自分で使える知恵にする
まずは、手元にある海外の教材の中から、一番気になる動画か記事を1本だけ選び、テキストにして全体をつかむところまでやってみてください。



