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集客の導線から考える人ほど、商品と話がずれます|商品から逆算する導線と、売れたあとに設計を直す方法

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無料セミナーには人が来てくれる。反応も悪くない。それなのに、個別相談の申し込みが入らない。入っても「今日はそういう話だと思っていませんでした」と言われてしまう。

こうしたずれは、話し方の問題に見えて、実は導線の作り方から生まれていることが多いです。人が集まりそうなテーマで入口を作り、あとから商品につなげようとすると、集まった人と商品の対象が途中で食い違います。

結論から言うと、導線は入口からではなく、商品から逆算して描きます。そして売れたあとは、断られた理由と受講生の成果を記録し、設計に戻して直していきます。

この記事では、入口から成約までの5つの段の描き方、入口のテーマの決め方、入口で売らない理由、段ごとの数字の見方、売れたあとの直し方を順番にお伝えします。

入口から考えると、商品と話がずれる理由

独立したばかりの頃の私は、入口だけを頑張っていました。ブログやSNSを続け、無料相談もしました。それでも成約にはつながりませんでした。相談に来てくれた人の悩みと、私が売りたいものが、途中でつながっていなかったのです。

入口から考えると、「人が集まりそうなテーマ」を選びたくなります。けれど、商品と関係の薄いテーマで集めた人は、そもそも商品の対象ではありません。人数が増えても、相談には進みません。

商品から逆算すると、入口で何を体験してもらい、個別相談で何を確かめればよいかが決まります。集客の量を増やす前に、入口から成約までを1本の線にする。これが、商品設計から成約まで一気通貫で設計するということです。

入口から成約までの5つの段を、右から左に描く

導線は、次の5つの段を1枚の紙に描くところから始めます。

段 役目 お客様が持ち帰るもの
無料の入口 対象の人に「自分のことだ」と気づいてもらう 自分の悩みに名前がつく
体験の場 小さな変化を1つ体験してもらう 今日できたことと、残った課題
個別相談 今と理想と障害を一緒に整理する 整理された自分の課題
提案 課題と商品が合う人にだけ、コースを示す 自分に合う選択肢
成約 申し込みと、始めるまでの準備 始める日と、最初にやること

無料の入口と体験の場は、1回のセミナーで兼ねてもかまいません。大事なのは、前の段で持ち帰ったものが、次の段に進む理由になっていることです。

描く順番は、成約から入口へ

描く順番は右から左です。成約する商品を先に置き、入口へさかのぼります。

  1. 成約:どのコースを、誰に申し込んでほしいか
  2. 提案:提案する前に、何が確かめられていればよいか
  3. 個別相談:どんな課題を持った人に来てほしいか
  4. 体験の場:その人に、どんな小さな変化を体験してもらうか
  5. 無料の入口:その人が思わず反応するテーマは何か

たとえば、事務職の人向けに、3か月でAIの手順書10個をそろえるプログラムを売りたい人がいたとします。入口は60分の無料セミナー。終わったあとは2つに分かれます。まず自分の業務で試したい人は、手に取りやすい1つ目の講座へ。担当業務をまとめて仕組みにしたいリーダーは、30分の個別相談へ進みます。1つ目の講座が、本命の手前の段になっている形です。

入口のテーマは「約束の手前の一歩」にする

無料の入口の役目は、人数を集めることではありません。対象の人が「これは私の悩みだ」と気づき、小さな変化を1つ体験することです。

入口の形には、2〜5人ほどで一緒に手を動かす体験会、講師の話が中心のセミナー、3日間ほど毎日小さな課題に取り組むチャレンジ企画などがあります。どの形でも、テーマは商品で約束する成果の「手前の一歩」にします。

この例なら、約束は「3か月で手順書10個をそろえる」です。そこで無料セミナーの後半に、自分の業務を1つ選び、手順を書き出す体験を入れます。手順書の1枚目の、さらに手前です。参加者は「10個そろえるには、これを続ければいい」と道筋を想像できます。

その場で全部を解決しないことも大切です。全部を教えようとすると、参加者は消化しきれず、次の段に進む理由もなくなります。

入口では売らない

無料の入口では、商品を売りません。売るのは、個別相談で課題を整理したあと、合う人にだけです。これが売り込まずに売れる導線の正しい順番です。

入口で売ると、参加者は「最後に何か売られるのでは」と身構え、体験に集中できません。合うかどうか分からない人にまで価格が先に届くと、安くて分かりやすい他の商品と比べられてしまいます。

入口の最後に置く4つ

入口の最後には、商品の案内ではなく、個別相談の案内を短く置きます。

  1. 振り返り:今日やったことを一緒に確かめる
  2. 小さな成果の確認:今日できたことを、参加者自身の言葉で言ってもらう
  3. 残った課題:今日だけでは解決しないことを、正直に分けて伝える
  4. 個別相談の案内:残った課題を一緒に整理したい人だけが申し込めるようにする
売り込みになる言い方 課題整理として案内する言い方
相談の説明 プログラムの詳しい説明をします 今日残った課題を、30分で一緒に整理します
促し方 今日中に申し込んだ方だけの特別価格です 整理したい方だけ、フォームからどうぞ
申し込まない人へ このままだと何も変わりません 今日の手順を、まず1回試してみてください

個別相談は「課題整理の場」として案内し、実際に中身も課題の整理を中心にします。私自身、個別相談の成約率92%(25人中23人)という経験があります。相談の進め方はカウンセリングセールスの10ステップで詳しく書いています。

段ごとの数字で、直す場所を決める

導線ができたら、段ごとの人数を数えます。数字を見ると、どこを直せばよいかが分かります。高額の商品なら、入口の人数が少なくても成り立つことがあります。少人数でも売上は作れるので、入口の人数を増やすのは最後で十分です。

低い段 疑うこと
入口の参加が少ない 誰の悩みかがぼやけている。テーマが対象の人に届いていない
参加から相談に進む人が少ない 体験と商品がつながっていない。残った課題を示していない。入口で売っている
相談から成約する人が少ない 約束が見えない。道筋と伴走が伝わらない。価格の根拠が言えない
成約しても成果が出ない 約束が大きすぎる。対象の人が違う

数字が低い段より、前の段に原因があることもよくあります。相談からの成約が少ないとき、相談の話し方ではなく、入口で集まった人が対象からずれていた、ということもあります。

少人数のうちは、たまたまで数字が上下します。1回の結果で決めず、2〜3回分を足して見ます。そして1回に直すのは1か所だけにします。何が効いたかが分かるからです。人数だけでは理由が見えないので、相談で聞いた言葉と断られた理由も、数字と一緒に残しておきます。どこから直すかの考え方はファネル改善の優先順位の付け方も参考になります。

売れたあとに、断られた理由と成果から直す

商品は一度設計したら終わりではありません。売れたあとにこそ、どこに穴が残っているかが見えてきます。見る材料は、断られた理由と、受講生の成果の2つです。

断られた理由は、相手の言葉のまま記録する

断られると、多くの方は「自分の話し方が悪かった」と考えます。でも、原因は話し方より前、商品の設計にあることが多いです。断られた理由は相手の言葉のまま記録し、商品設計の5つの穴のどれにあたるかを振り分けます。5つの穴は高額でも売れる商品の3つの条件で説明しています。

穴 よく聞く言葉
① 誰の悩みかがぼやけている 「私の場合は、ちょっと違うかも」
② 約束が見えない 「結局、何ができるようになるのか分からない」
③ 道筋と伴走がない 「私にできるか不安」「続けられる気がしない」
④ 価格の根拠が言えない 「高い」「他はもっと安い」
⑤ 入口から成約までがつながっていない 「今日はそういう話だと思っていなかった」

「高い」と言われても、価格だけの問題とは限りません。約束が見えないと、どんな価格でも高く感じます。「高い」が続くときは、穴②と穴③も疑います。1件の理由で設計を直さず、同じ穴の理由が2〜3件たまったら、その穴から1か所ずつ直します。

成果が出た人・出なかった人の両方に聞く

成果が出た人には、何が一番役に立ったか、どこで迷わずに進めたかを聞きます。そこが道筋の太い部分なので、次の募集ではもっと分かりやすく伝えます。

成果が出なかった人には、どこで止まったか、そのとき何があったかを聞きます。ここで受講生を責める見方はしません。止まった場所には、道筋か伴走の穴があることが多いからです。たとえば1か月目に「AIに任せる10個を選べない」人が続いたら、業務の棚卸しの型に記入例を足すところから直します。

価格を上げるのは、成果が続いてから

価格を見直してよい合図は3つです。約束した成果が出た人が続いていること、受け入れ人数が募集のたびに埋まっていること、改善でサポートや提供物を足したこと。申し込みが多いから、ではありません。上げるときは理由・日付・新しい価格を先に伝え、すでに申し込んだ人の価格は変えません。

次の商品の種も、ここで見つかります。成果が出た人の「次はこれがしたい」という言葉や、約束の外に置いた「目指す成果」が材料です。ただし、今の商品の導線が回るようになってから取りかかります。2つを同時に直すと、どちらの穴か分からなくなるからです。

まとめ

  • 導線は「無料の入口→体験の場→個別相談→提案→成約」を1枚に描き、成約する商品から逆算する
  • 入口のテーマは約束の手前の一歩にし、入口では売らない。最後に置くのは個別相談の案内
  • 段ごとの人数を数え、低い段とその前の段から直す。1回に直すのは1か所、入口の人数を増やすのは最後
  • 断られた理由は相手の言葉のまま記録して5つの穴に振り分け、成果が出た人・出なかった人の差を道筋と伴走に戻す
  • 価格は成果が続いてから上げる。次の商品は、今の導線が回ってから

まずは紙を1枚用意して、右端に成約してほしい商品を書き、そこから入口までの5つの段をさかのぼって描いてみてください。