メルマガやLINEの登録者は少しずつ増えている。それなのに、メールを開いてくれる人の数はむしろ減っている。そんな状態に気づいて、不安になったことはありませんか。
こういうとき、多くの方は「もっと登録者を集めなければ」と考えます。無料の特典を増やしたり、発信の量を増やしたりして、名簿の人数を伸ばそうとする。でも、人数が増えても、開く人の割合はさらに下がっていくことが多いんですよね。
結論から言うと、名簿は集めるだけでなく「手入れ」が要ります。反応が止まった人には別の角度で確かめ、それでも反応がなければ配信を止める。反対に、熱心な人は別の名簿に迎えて、深い話を届ける。人数を守るより、届く相手を整える方が、案内はずっと届きやすくなります。
この記事では、名簿を手入れしないと何が起きるのか、名簿と配信の流れを分けて考える見方、手入れの4つの手順、その前に整えておく土台を解説します。
手入れをしない名簿で起きること
名簿の中には、登録した理由も、今の関心の強さも違う人たちが混ざっています。無料の特典だけが目当てだった人もいれば、毎回の配信を楽しみにしている人もいます。
手入れをしないまま全員に同じ配信を送り続けると、次のようなことが起きます。
- 読まれない配信が増え、開く人の割合が下がる
- 開く人の割合を見て、自分の配信に自信をなくす
- 配信サービスの多くは登録人数で料金が変わるため、読まない人の分まで費用を払い続ける
- 関心のない人にとっては、あなたの配信が「いらないメール」になっていく
特に最後は見落とされがちです。関心がなくなった人に配信を送り続けるのは、相手の受信箱に負担をかけることでもあります。名簿の手入れは、自分のためだけでなく、読者への配慮でもあります。
「名簿」と「配信の流れ」を分けて考える
手入れを始める前に、一つ見方を整理しておきます。それは、「誰に送るか(名簿)」と「何をどの順番で送るか(配信の流れ)」を分けて考えることです。
配信サービスによっては、この2つが一体になっていて、区別を意識しにくいことがあります。でも、分けて考えると整理がしやすくなります。
| 分けて考えるもの | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 名簿(誰に) | 登録の入口や関心、反応の強さで分けた人のまとまり | 特典Aから登録した人、購入した人、よく反応する人 |
| 配信の流れ(何を、どの順で) | 自己紹介、役に立つ配信、案内などの順番 | 登録直後の流れ、購入後の流れ |
名簿と流れを分けておくと、「この名簿の人には、この流れを届ける」と組み合わせを考えられます。手入れとは、この名簿の側を、反応に合わせて整えていく作業です。
名簿の手入れ4つの手順
では、具体的な手順です。
- 反応を見る物差しを決める
- 反応が止まった人に、別の角度で確かめる
- それでも反応がない人は、配信を止める
- 熱心な人を「続きの名簿」に迎える
手順1:反応を見る物差しを決める
まず、何をもって「反応がある」とするかを決めます。たとえば、メールを開いた、記事や資料のリンクを押した、返信をくれた、何かを購入した、といったものです。
物差しが決まっていないと、「なんとなく反応が薄い気がする」という感覚で判断することになります。一定の期間、どの物差しにも当てはまらない人を「反応が止まった人」とみなす、と先に決めておきます。期間の長さは、配信の頻度に合わせて決めれば十分です。
名簿全体の反応を数字で見る方法は、アクティブ読者率の計測法で解説しています。
手順2:反応が止まった人に、別の角度で確かめる
反応が止まった人を、すぐに外す必要はありません。忙しかっただけ、配信の形式が合わなかっただけ、ということもあるからです。
ここで大事なのは、いきなり案内を送らないことです。関心が下がっている人に案内を送っても、読まれないか、解除されるだけです。代わりに、もう一度関心を持ってもらうための配信を送ります。
- 以前の配信の要点を短くまとめた資料を送る
- 読者の多い悩みに答えた記事を紹介する
- 「今、いちばん困っていることはどれですか」と選んでもらう
この配信で資料を受け取ったり、リンクを押したりした人は、まだ関心が残っている人です。「戻ってきた人」として、通常の配信に戻します。案内をするのは、そのあと届ける配信をいくつか挟んでからです。
手順3:それでも反応がない人は、配信を止める
確かめる配信にも反応がなかった人は、配信を止める判断をします。いきなり止めるのではなく、「今後も受け取りたい方は、こちらを押してください」という一通を送り、押さなかった人の配信を止める形にすると、相手にも選ぶ機会が残ります。
「せっかく集めた名簿を減らすのはもったいない」と感じるかもしれません。でも、読んでいない人に送り続けても、お互いに得るものはありません。配信を止めることは、相手の時間を尊重することでもあります。名簿から人が離れることへの向き合い方は、メルマガは解除されることを恐れないでも書いています。
手順4:熱心な人を「続きの名簿」に迎える
反対に、購入してくれた人や、毎回のように反応をくれる人は、別の名簿に迎えます。入口ごとに分かれていた人たちを一つの「続きの名簿」に集めておくと、新しい講座や説明会の案内を、関心の高い人にまとめて届けられます。
続きの名簿の人は、すでにあなたの考え方をよく知っています。基本の説明を繰り返すより、一歩踏み込んだ話や、制作の舞台裏を届ける方が喜ばれます。「この名簿は、購入してくれた方と、よく読んでくださる方だけにお送りしています」と伝えると、特別な場所だと感じてもらえます。
この名簿で本命の講座を案内するときも、販売が続いた直後は避けます。少し間を空けて、読者が落ち着いたころに案内する方が、受け取ってもらいやすくなります。
また、入口の商品を買わなかった人の中にも、続きの名簿に合う人がいます。基本はもう知っていて、入門より一歩先の内容を求めている人です。購入の有無だけでなく、どの配信によく反応しているかも見て、迎える人を決めてください。
たとえば、ヨガの講師がいたとします
流れをつかみやすいように、例を出してみます。オンラインでヨガを教えている講師がいて、「肩こりをほぐす朝の5分」という無料動画で登録者を集めてきたとします。登録者は増えたものの、最近はメールを開く人が目に見えて減ってきました。
この講師は、まず「一定の期間、メールを一度も開いていない人」を反応が止まった人とみなすことにしました。次に、その人たちにだけ「肩こりが戻ってきた人向けの、3つの動きのまとめ」という短い資料を送ります。案内は一切入れません。
資料を受け取った人は、通常の配信に戻します。受け取らなかった人には、しばらくして「今後もお便りを受け取りたい方は、こちらを押してください」という一通を送り、押さなかった人の配信を止めました。一方で、以前にオンラインレッスンを申し込んでくれた人や、毎回のように感想を返してくれる人は「続きの名簿」に迎え、姿勢の崩れ方の見分け方など、一歩踏み込んだ話を届けるようにしました。
こうすると、名簿の人数は減っても、案内を送る相手は「関心が残っている人」だけになります。講師の側も、開かれないメールを前に落ち込むことが減り、届ける中身を考えることに時間を使えるようになります。
名簿の手入れは、面談のあとのフォローとつながっている
名簿の手入れは、メールだけの話ではありません。個別の面談や説明会で、その場では申し込まなかった人とどう関わるか、という話とつながっています。
申し込まなかった人を「見込みのない人」として切り捨てると、関係はそこで終わります。でも、今はタイミングが合わなかっただけの人もいます。そういう人には、しばらく届ける配信を続け、関心が戻ってきたことが分かったときに、改めて声をかける。これは手順2の「別の角度で確かめる」と同じ考え方です。
面談のあとの関わり方は、成約後・未成約後・検討中のフォローで詳しく解説しています。名簿の手入れとあわせて読むと、配信と面談を一つの流れとして設計しやすくなります。
手入れの前に整えておく土台
手入れを始める前に、すべての配信に次の3つが入っているか確かめてください。
- なぜこの配信が届いているのか(どこから登録した人に送っているか)
- 配信を止める手続き(解除の案内)
- 送り手が誰か(名前と連絡先など)
この3つがそろっていると、読者は安心して配信を読めますし、「なぜ届いたのか」という問い合わせも減ります。手順3で配信を止めるときも、解除の手続きが分かりやすければ、相手に余計な手間をかけずに済みます。
配信に関する決まりごとの詳しい中身は、ステップメールで最低限守るべき3つの義務で解説しています。決まりに関わる部分は、最新の情報も必ず確かめてください。
手入れで気をつけたい3つのこと
最後に、手入れをするときにやりがちな失敗を挙げておきます。
- 見ていることを露骨に伝える:「先週3回メールを開いてくださったので」のような書き方は、相手を落ち着かない気持ちにさせます。反応に合わせて配信を変えても、そのことは表に出しません
- 購入してくれた人まで外してしまう:反応の物差しだけで機械的に判断すると、購入者が配信を止められることがあります。購入者は別に扱います
- 手入れの基準を毎回変える:基準が揺れると、同じ人を外したり戻したりすることになります。一度決めた期間と物差しは、しばらく続けてから見直します
まとめ
- 手入れをしない名簿では、開く人の割合が下がり、費用と気持ちの負担が増える
- 「誰に送るか(名簿)」と「何をどの順で送るか(配信の流れ)」を分けて考える
- 反応が止まった人には、案内ではなく、関心を確かめる配信を送る
- それでも反応がない人は、選ぶ機会を残したうえで配信を止める
- 熱心な人は「続きの名簿」に迎え、一歩踏み込んだ話を届ける
まずは、反応を見る物差しと期間を一つずつ決めて、今の名簿に当てはめてみてください。手入れが必要な人と、続きの名簿に迎えたい人が、どのくらいいるかが見えてきます。


