講座の中身を全部作ってから、募集を始めていませんか。何週間もかけて動画とスライドを仕上げ、案内を出してみたら、反応がほとんどなかった。こうなると、かけた時間の分だけ落ち込みも大きくなりますよね。
結論から言うと、講座は作る前に、目次と価格だけで募集してください。私は「3人ルール」と呼んでいます。中身を作る前に、講座の1文と目次と価格だけでモニターを募り、3人集まったら作る。集まらなければ、作る前に講座の中心の1文を直す。それだけの決まりです。
3か月かけて作ってから外れるより、数日で外れが分かるほうが、ずっと損が小さく済みます。しかも、集まった3人と一緒に講座を直していけるので、中身の質も上がります。
この記事では、モニター募集のやり方、3人ルールの決め方、集まらなかったときの切り分け、そしてモニター受講で講座を直して正規の価格で出すまでの流れをお伝えします。講座づくり全体の順番は、決める・確かめる・作る・直す・届けるの5段階にまとめています。この記事は、その2段階目の「確かめる」と、4段階目の「直す」にあたります。
「欲しい」と言う人と、お金を払う人は違う
売れるかどうかは、実際にお金を払ってもらうまで分かりません。アンケートで「いいですね」と答えた人の多くは、実際には申し込みません。悪気があるわけではなく、その場では本当にそう思っていたり、断りにくかったりするだけです。
だから、見込み客の反応は強さで分けて見ます。
| 反応の強さ | 起きたこと | 分かること |
|---|---|---|
| 弱い | 「面白いですね」と言われた | 興味はありそうだ |
| 中くらい | LINEに登録してくれた、相談を予約してくれた | もっと知りたいと思っている |
| 強い | お金を払って申し込んでくれた | お金を払ってでも欲しい |
「お金を払ってでも欲しいか」を本当に確かめられるのは、いちばん下の段だけです。 無料のモニターでは、ここが確かめられません。だから、モニターもお試しの価格で、有料で募集します。
見込み客の悩みを聞く段階のやり方は、作る前に見込み客の本音を聞く3つの手順で詳しく書いています。この記事で扱うのは、その次の「お金を払うか」を確かめる段階です。
目次と価格だけで募集する
モニター募集の前にそろえるのは、次の4つだけです。
- 講座の中心になる1文(誰の何を解決するか)
- 仮の目次(全何回で、各回に何をするか)
- お試しの価格と、正規の価格
- 期間と人数(いつからいつまで、何人まで)
中身の動画やスライドは、まだ要りません。相手は目次と価格を見れば、自分に必要かどうかを判断できます。
たとえば、事務職の人にAIで仕事を早く終わらせる方法を教える講座なら、仮の目次はこのくらいで十分です。
| 回 | 仮の目次 |
|---|---|
| 第1回 | 時短する業務を3つ選び、今の時間を測る |
| 第2回 | メールの下書きを短く終わらせる手順 |
| 第3回 | 議事録を会議後すぐにまとめる手順 |
| 第4回 | 資料の下書きを作る手順と、手順集の仕上げ |
相手が「何をして、何が手元に残るか」を想像できれば、目次の役目は果たせています。
募集文は、正直に漏れなく書くほど申し込まれる
募集文と聞くと、強く売り込む文章を思い浮かべるかもしれません。モニター募集の文は逆です。次の6つの順番で、条件を正直に書きます。
- 誰に向けた募集か
- なぜモニターを募集するのか(正式に始める前に、一緒に内容を仕上げたい)
- 提供する内容と、まだ含まないもの
- 期間・価格・人数(お試しの価格と正規の価格の両方)
- お願いすること(毎回の感想と、声の掲載の可否)
- 返金の条件と申込みの方法
2番目の理由が、売り込みの感じを消してくれます。「売りたい」ではなく「一緒に仕上げたい」と伝えるので、読む人も身構えずに済みます。
あわせて、次の3つを守ってください。
- 未完成であることを、最初のほうではっきり書く
- まだ確かめていない成果を言い切らない。約束する成果だけを書く
- 人数を限るときは理由を書く(例:ひとりずつ見られるのは3人まで)
お試しの価格は、ただの値引きではありません。「まだ未完成であること」と「感想と声の協力のお願い」に引き換えた価格です。正規の価格を最初から募集文に書いておけば、あとで上げるときも値上げではなく、予定どおりの価格になります。
なお、ネットで申込みを受けてお金を受け取るなら、特定商取引法にもとづく表示が必要になります。返金の条件や個人情報の扱いも含めて、消費者庁などの公式の案内で確かめ、迷うときは専門家に相談してください。
3人ルール:集まったら作る、集まらなければ直す
募集を出したら、結果で次の行動を決めます。3人集まったら作る。集まらなければ、作らずに1文を直す。
始める前に、2つのことを決めておく
- 募集の期間(例:2週間)。期間が終わるまで、基準を変えない
- 数に入れる人。家族や親しい友人は数えない。お客様に近い人だけを数える
基準をあとで決めると、人はどうしても良いほうに読んでしまいます。「ゼロではなかったから」と進むと、売れない講座に何か月も使うことになります。先に決めておけば、結果が出た日に迷わず次へ進めます。
なぜ3人なのか
ひとりだけだと、その人がたまたま合っただけかもしれません。3人がお金を払ってくれたなら、同じ悩みの人がほかにもいると考えられます。
しかも3人なら、副業で使える時間が少ない人でも、ひとりずつ丁寧に見られます。少人数でも、講座を直すための記録は十分に集まります。
集まらなかったときの切り分け
集まらなかったときは、どこで止まったかを3つに分けて考えます。
| 止まった場所 | 起きたこと | 直すところ |
|---|---|---|
| 届いていない | 募集文を見た人が少ない | 送る相手と場所を増やす。1文はまだ変えない |
| 響いていない | 見た人はいるが、相談の予約がない | 「誰に」か「約束する成果」を1つだけ変える |
| 決め手がない | 相談には来たが、申し込まない | 形・期間・価格のどこが合わなかったかを聞く |
直すのは、1回に1か所だけです。いくつも同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。集まらなかったのは失敗ではなく、どこを直せばよいかが分かったということです。
モニター受講は「止まる場所」を見つけるためにある
3人集まったら、受講が始まる前に、約束することとお願いすることを文字で渡しておきます。価格の理由、期間と回数、届けるもの(まだないもの)、返金の条件。お願いは「毎回の感想」と「声の掲載の可否」の2つです。声を載せるかどうか、名前をどう出すかは本人が選び、断っても受講に影響しないことも書いておきます。
そのうえで、モニター受講の目的をはっきりさせておきます。評判を集めることではありません。受講生がどこで止まるかを見つけて、直すことです。作った本人には、自分の講座のつまずく場所が見えません。分かっている人の目で作っているからです。
毎週の確認で聞く3つのこと
週1回の個別レッスンや面談を、確認の場として使います。聞くのは次の3つです。
- その回の完成品は、手元に残ったか
- 動画とワークに、合わせてどれくらい時間がかかったか
- どこで手が止まったか。止まったときに何を考えたか
聞き方のこつは、「分かりにくいところはありましたか」と聞かないことです。こう聞かれると、多くの人は遠慮して「大丈夫でした」と答えます。代わりに画面を共有してもらい、ワークの続きを目の前でやってもらいます。止まった場所が、そのまま見えます。
つまずきは、その日のうちに記録する
見つけたつまずきは、その日のうちに表に残します。記憶に頼ると、印象の強いひとりの話だけが残り、本当に直すべき場所を見誤るからです。
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| どこで | 回・動画・手順の番号 |
| 何が起きたか | 受講生の様子をそのまま |
| 何人か | 3人のうち何人が同じところで止まったか |
| その場でどう助けたか | 個別レッスンで伝えたこと |
| どこを直すか | 言葉・補足・スライド・動画のどれか |
3人中ふたり以上が同じ場所で止まったら、そこは直します。ひとりだけなら、その人に合わせた補足で足りることも多いので、記録を残して様子を見ます。
直すときは、手間の小さいものから順に考えます。
- 依頼文・チェック項目・ワークシートの言葉を直す
- 補足や見本を足す
- スライドを直す
- 動画を撮り直す(1本を短く分けておけば、1本だけで済む)
受講生の名前は、記録にもAIに貼る材料にも書かず、「Aさん」のように置き換えておきます。
正規の価格にしてよい3つの材料
モニター期間が終わったら、記録をもとに講座を改訂し、正規の価格で出す準備をします。
「保証文が書けるか」をもう一度確かめる
改訂したら、「期間までに約束する成果を達成できなかったら返金します」と書けるかを考えます。モニターで届かなかった人の理由を直せたなら、書けます。直せないなら、約束を小さくするか、期間を延ばします。約束する成果は、自分が責任を持てる範囲にとどめます。
実際に返金や保証を約束するときは、条件をはっきり書きます。ワークの提出を条件にするか、いつまでに申し出るか。条件の書き方は法律に関わるので、販売ページに載せる前に専門家に確認してください。
受講生の声は、感想と掲載を別のお願いにする
感想をもらうことと、ページに載せることは、別のお願いとして扱います。載せる場所、名前の出し方、文章を短くするときに意味を変えないこと、あとから消してほしいと言われたら消すこと。これを伝えてから了承をもらいます。感想を聞くときは、「受講前は何に困っていたか」「期間内に何ができるようになったか」「どんな人にすすめたいか」の3つが使いやすいです。
載せるときは「個人の感想です」と添え、ひとりの結果を誰でも同じになるように見せないことも大切です。
価格を上げる根拠は、気持ちではなく材料
正規の価格にしてよいのは、次の3つがそろったときです。
- 受講生のつまずきで直した講座であること
- 約束した成果に届いた人がいること
- 了承をもらった受講生の声があること
モニターの3人には、正規の価格で募集を始めることを先に伝え、改訂した教材も届けます。協力してくれた人が、あとから知って驚くことのないようにするためです。
この順番で進めると、少人数でも売上は作れます。直した講座は、次の受講生にとっても迷いにくい講座になっているからです。講座の中身を作る段階、つまり台本・スライド・動画の作り方は、AIを相棒に台本・スライド・顔を出さない講義動画を作る流れで解説しています。
まとめ
- 「欲しい」と「払う」には差がある。講座を作る前に、1文・仮の目次・価格だけで有料のモニターを募る
- 募集文は6つの順番で、未完成であることと募集する理由を正直に書く
- 3人ルール:期間と数える人を先に決め、3人集まったら作る。集まらなければ1か所だけ直す
- モニター受講は止まる場所を見つける場。記録して、ふたり以上が止まった所から手間の小さい順に直す
- 直した講座・届いた成果・了承をもらった声の3つがそろったら、正規の価格にする
次の一歩として、あなたの講座の仮の目次を、全何回・各回で何が手元に残るかの形で書き出してみてください。目次が書ければ、募集文はその日のうちに作れます。


