自分の知識や経験を商品にしたい。でも、講座を一から作るには時間がかかるし、何を作ればいいかもまだはっきりしない。そんな段階の方にとって、他人の商品を紹介して収入を作る方法は、最初の一歩として現実的な選択肢です。私自身も、今も自分の講座と並行して、信頼できる商品の紹介を続けています。
ところが、紹介を始めた方の多くが、同じところでつまずきます。紹介文で商品の良さを一生懸命に語るほど、読者の反応が薄くなっていく。メールを出すたびに登録の解除が増え、「この人は結局、売りたいだけなんだ」と思われてしまう。
結論から言うと、紹介する人の仕事は、商品を売り込むことではありません。売り込みは、販売ページの仕事です。紹介する人の仕事は、読者が「この商品のページを読んでみよう」と思える理由を渡し、迷いのない状態で販売ページまで案内することです。この役割分担ができると、売り込まずに紹介できるようになります。
この記事では、紹介という方法の位置づけ、紹介する商品の選び方、販売ページとの役割分担、紹介文に書くこと、自分だけの特典の作り方、そして信頼を失う紹介の仕方を解説します。なお、いくら稼げるかは、扱う分野や読者との関係によって大きく変わります。ここでは金額ではなく、信頼を失わずに続けるための考え方をお伝えします。
紹介は、自分の商品がない人の最初の一歩になる
他人の商品を紹介する方法には、自分で商品を持つ場合と比べて、始めやすい点がいくつもあります。
| 比べること | 自分の商品を売る | 他人の商品を紹介する |
|---|---|---|
| 商品づくり | 自分で作る | 作らなくていい |
| 決済や受講者の対応 | 自分で整える | 販売する側が行う |
| 扱えるテーマ | 自分の商品の範囲 | 読者の役に立つものを幅広く選べる |
| 読者とのつながり | 自分の名簿として持てる | 自分の発信を読む人として持てる |
特に大きいのは、商品がなくても、読者との信頼関係を今日から育て始められることです。紹介を通じて、読者が何に反応し、何に悩んでいるのかが分かってきます。それは、いずれ自分の商品を作るときの一番の材料になります。
つまり紹介は、労働収入から抜け出すための「仕組みづくりの練習台」でもあります。紹介から始める全体の流れは、初心者はまずアフィリエイトから始めよでもまとめています。
手順1:報酬ではなく「読者が前に進めるか」で選ぶ
紹介する商品を選ぶとき、つい報酬の高さや、今売れているかどうかで選びたくなります。でも、それで選ぶと長く続きません。
選ぶ基準の一番上に置くのは、「その商品で、読者が本当に前に進めるか」です。読者が紹介された商品で成果を感じたとき、その感謝はあなたへの信頼として返ってきます。 反対に、期待外れの商品を一度でも勧めると、その後の発信すべてが疑われます。紹介の収入は、一回ごとの報酬ではなく、この信頼の積み重ねで決まるのです。
そのうえで、次の2つも確かめます。
- 販売ページの出来:いくら良い商品でも、販売ページで魅力が伝わらなければ、読者は途中で離れます。下の表で点検します
- 自分の気持ち:自分が読んで「これは欲しい」と心が動いたか。あなたが心から欲しいと思ったものは、あなたと同じ悩みを持つ読者にも響きやすいです
販売ページは、読む人が越える3つの関門で点検します。
| 関門 | 確かめること |
|---|---|
| 読み始めてもらえるか | 冒頭で「自分のことだ」と分かるか。難しい言葉を使っていないか |
| 信じてもらえるか | 主張に理由が添えられているか。具体的なお客様の声があるか。誤字が多くないか |
| 申し込んでもらえるか | 申し込む理由がはっきりしているか。期限や定員に納得できる理由があるか。保証はあるか |
手順2:売り込むのは、販売ページに任せる
商品が決まったら、次は紹介文です。ここで一番大事なのは、役割分担を間違えないことです。
紹介文で商品を強く売り込み、リンク先の販売ページでもまた売り込まれる。読者から見ると、これは二重の売り込みです。息苦しくなって、ページを閉じてしまいます。
販売ページは、商品を売るために作り込まれた場所です。売り込みはそこに任せて、紹介する人は案内役に徹します。案内役の仕事は、読者が期待を持った状態で、販売ページの入り口まで気持ちよく連れていくことです。
案内するタイミングも大切です。読者がまだ「そもそも、この悩みは解決できるものなのか」と迷っている段階で商品を勧めても、響きません。日々の発信で考え方を伝え、読者が「この問題はこう考えればいいのか」と納得した段階で、はじめて商品を案内します。
手順3:紹介文には、3つのことを書く
では、紹介文に何を書けばいいのか。私は次の3つを意識しています。
自分が使ってみて、どうだったか
読者は、商品より先に、あなたに興味を持っています。だから、あなたが実際に使ってみた体験を語ると、その興味が自然に商品へ移っていきます。どこに驚いたか、どこでつまずいたか、正直な感想を書きます。良いところだけでなく、「ここは人を選ぶ」という点も書くと、紹介文全体が信用されます。
販売ページの中で、心が動いたところ
販売ページには、作り手が考え抜いた「この商品で手に入る結果」が書かれています。その中で、あなた自身が一番心を動かされた部分を、あなたの言葉で紹介します。丸写しではなく、「私は特にこの部分に惹かれました。なぜなら〜」と、自分の理由を添えるのがポイントです。
販売ページで足りないところの補い
販売ページが完璧とは限りません。手順1の表で点検して、足りない関門があれば、紹介文でそこを補います。
- 読み始める理由が弱いなら:「長いページですが、ここだけは読んでほしい」と、読む理由を伝える
- 信じる理由が弱いなら:問い合わせたときの対応の丁寧さなど、自分が確かめた事実を伝える
- 申し込む理由が弱いなら:自分からの特典と、その本当の締め切りを伝える
ただし、補うのは本当のことだけです。煽るための予測や、作った締め切りは書きません。
たとえば、文章講座を紹介する人がいたとします
イメージしやすいように、例を出してみます。発信を続けている会社員の人が、自分も受けて役に立った文章の講座を、読者に紹介するとします。
売り込む紹介文は、「文章力が一気に上がる講座が出ました。今だけの価格なので、急いでください」となりがちです。これでは、読者は何も判断できません。
案内役の紹介文は、流れが違います。まず、自分が以前、発信の文章を書くのに毎回何時間もかかっていたことを書く。次に、この講座のどの部分で、書く順番が決まって楽になったかを書く。そのうえで、「宿題が毎週あるので、見るだけで済ませたい人には向きません」と、合わない人も正直に書く。最後に、「販売ページの中ほどにある受講者の声は、自分と同じ会社員の人の話なので、そこだけでも読んでみてください」と、読む場所を案内して終わる。
どちらが読者に信頼されるかは、比べるまでもありませんよね。売り込む言葉はひとつもないのに、読者は自分に合うかどうかを判断したうえで、販売ページを開いてくれます。
手順4:自分だけの特典で「あなたから選ぶ理由」を作る
同じ商品を紹介している人は、ほかにもいるかもしれません。そこで効いてくるのが、あなたから選ぶ理由になる特典です。
特典は、数を並べる時代ではありません。どこかで集めた資料を何十個も付けても、読者は「どうせ中身はないだろう」と感じます。求められているのは、ほかでは手に入らない、あなた自身の知識や支援です。
たとえば、紹介した商品を使い始めた人向けに、つまずきやすいところを解説した短い動画を作る。一定期間、質問を受け付ける。月に一度、使い方の相談会を開く。どれも、あなたの経験から作れるものです。
そして、特典には中身が伝わる名前を付けます。「質問対応」とだけ書くより、「最初の4週間でつまずかないための質問会」と書いた方が、何が手に入るのかが伝わります。名前を先に考え、その名前にふさわしい中身を逆算して作る。この作業は、そのまま自分の商品を企画する練習になります。特典の考え方は、魅力的な特典戦略でも紹介しています。
手順5:紹介したあとも、読者との関係を続ける
紹介は、読者が申し込んだところで終わりではありません。購入してくれた人には、特典を約束どおりに届け、使い始めてどうかを聞きます。買わなかった人にも、それまでと同じように役立つ発信を続けます。
購入者の声を聞いていると、「ここでつまずいた」「こういう支援があれば助かった」という話が集まってきます。それが、あなたが次に作る講座や個別支援の設計図になります。紹介で読者との信頼を育て、その信頼の上で自分の商品を届ける。この順番で進めると、商品がない状態からでも、少人数で売れる形に近づいていけます。自分の商品の位置づけは、バックエンド商品の本当の役割と3段階のラインナップで解説しています。
信頼を失う4つの紹介の仕方
最後に、紹介でやってはいけないことを挙げておきます。
- 使っていない商品を勧める:体験のない紹介文は、読めばすぐに分かります
- 報酬の高さだけで選ぶ:読者に合わない商品を勧めると、次からの発信が信じてもらえなくなります
- 紹介であることを隠す:紹介料を受け取ることは、隠さずに書きます。隠していたと分かったときの失望の方が、ずっと大きいです
- 作った締め切りで急かす:本当の期限がないのに「今日まで」と書くと、一度で信頼を失います
まとめ
- 他人の商品の紹介は、自分の商品がない段階でも始められる、仕組みづくりの最初の一歩になる
- 商品は報酬ではなく「読者が前に進めるか」で選び、販売ページを3つの関門で点検する
- 売り込みは販売ページに任せ、紹介する人は案内役に徹する
- 紹介文には、自分の体験、心が動いたところ、販売ページで足りないところの補いを書く
- 自分だけの特典と、紹介後の関わりが、やがて自分の商品の設計図になる
まずは、あなたが実際に使って良かったと思える商品を一つ選び、「自分はどこに驚き、どこでつまずいたか」を書き出してみてください。それが、売り込まない紹介文の最初の材料になります。


