お手本になる教材を見つけて、毎日コツコツ学んでいる。でも、「こんなに学んでいるのに、本当に身についているのか不安だ」と感じていませんか。
読んだり聞いたりした直後は分かった気がするのに、いざ誰かに説明しようとすると、言葉に詰まってしまう。そんな経験がある方は多いと思います。これは、あなたの理解力の問題ではありません。学び方の順番の問題です。
結論から言うと、学んだことを身につける一番の近道は、人に教えるつもりで発信することです。発信を前提にして学ぶと、自分がどこを理解していて、どこが分かっていないのかがはっきりします。
この記事では、インプットだけでは理解が深まりにくい理由、人に教えることが学びになる理由、お手本の教材を自分の言葉で要約して発信する4つのステップ、そして分からない部分の扱い方をお伝えします。
インプットだけでは「分かったつもり」で止まる
教材を読んでいるとき、私たちは書いてあることを「確かにそうだな」と追いかけています。追いかけている間は、全部分かっているように感じます。
ところが、本を閉じて「今の内容を一言で言うと?」と自分に聞いてみると、意外と答えられません。読んでうなずくことと、自分で説明できることの間には、大きな差があるのです。
さらに、使う予定のない知識は、時間がたつと思い出せなくなっていきます。一生懸命学んだのに、1か月後には内容をほとんど覚えていない。そんな経験は、誰にでもあるはずです。
そこで、学ぶときには最初から「出口」を用意しておきます。「この内容を、あとで誰かに説明する」と決めてから学ぶと、読み方が変わります。どこが大事なのか、どんな例なら伝わるのかを考えながら読むようになるからです。学んだことを忘れる前に実践へつなげる考え方は、学習したらすぐに実践する習慣で解説しています。
一番の学びは「人に教える」こと
では、どんな出口が一番学びになるのでしょうか。私は、「人に教える」ことだと考えています。
人に何かを教えようとすると、自分がどこを理解していて、どこを理解していないのかが、はっきりと見えてきます。分かっているつもりだった部分ほど、説明しようとすると言葉が出てこないのです。
人に分かりやすく伝えるために、次のような作業が自然に発生します。
- 話す順番を考えて、内容を整理する
- 相手に伝わる言葉を選ぶ
- 身近な例を探す
- あいまいな部分を調べ直す
この作業の途中で、一番多くの気づきを得るのは、教わる人ではなく教える人自身です。私自身も、こうしてブログで皆さんにお伝えする内容を整理する中で、学びを深めています。
そして、ブログやSNSでの発信は、「人に教える」を一人でも始められる形です。目の前に生徒がいなくても、読者に向けて書くことで、教えるのと同じ作業ができます。
お手本の教材を「自分の言葉で要約して」発信する4ステップ
「いきなり人に教えるなんてハードルが高い」と感じる方もいると思います。そこで、今学んでいる教材を使って、すぐに始められる方法をお伝えします。
- 教材の一つの章を読み、要点を一文にまとめる:「要するに何を言っているのか」を、教材の言葉を使わずに書いてみます
- 自分の言葉で説明を書く:その要点を、教材を見ないで、読者に話しかけるつもりで書きます。海外の教材なら、日本の読者に身近な例に置き換えます
- 書けなかった部分に印をつける:スムーズに書けた部分は理解できている部分、手が止まった部分はまだあいまいな部分です
- 印をつけた部分だけを学び直してから、発信する:あいまいな部分を教材に戻って確かめ、書き直してから、ブログやSNSに出します
ここで大事なのは、教材の文章を訳したり、書き写したりして出すのではなく、自分の言葉で書くことです。教材の文章をそのまま使うと、作った人の権利を傷つけることになりますし、何より自分の理解の確認になりません。自分の言葉で書こうとして初めて、分かっているかどうかが見えるのです。
たとえば、こう進めます
イメージしやすいように、例を出してみます。集客の教材で「見込み客との信頼は、商品を案内する前の情報提供で作られる」という章を読んだとします。
ステップ1で、要点を一文にまとめます。「商品の案内より先に、相手の役に立つ情報を渡すと、話を聞いてもらいやすくなる」。ここまでは、多くの人が書けます。
ステップ2で、教材を閉じて説明を書こうとすると、手が止まるところが出てきます。「なぜ先に情報を渡すと信頼されるのか」「どのくらい渡せばいいのか」。ここがステップ3で印をつける場所です。
ステップ4で、印をつけた部分だけを教材に戻って読み直します。二回目は、最初に読んだときより、ずっと注意深く読めるはずです。「ここを説明したい」という目的があるからです。そのうえで書き直したものを、1本の記事として発信します。
こうして1章ずつ進めると、教材を最後まで読み終えるころには、自分の言葉で説明できる記事が章の数だけ手元に残ります。
書いた内容を、読者に届く形に仕立てる方法は、翻訳コンテンツを「売れる製品」に変えるリライト術で解説しています。
分からないところを、分からないまま発信しない
発信するときに、一つだけ守ってほしいことがあります。それは、少しでも「よく分からないな」と感じる部分を、分かったような顔をして発信しないことです。
あいまいなまま書いた部分は、読者にもあいまいに伝わります。質問されても答えられず、発信への信頼も少しずつ下がっていきます。そして何より、自分の理解が深まる機会を逃してしまいます。
分からない部分を見つけたら、次のどれかで扱います。
- 教材や別の資料に戻って調べ、理解できてから書く
- 調べても分からないときは、その部分は書かずに、分かる範囲だけで1本にする
- 「ここはまだ試している途中です」と、正直に書く
どれを選んでもかまいません。大事なのは、分からない部分を「分かったつもり」で埋めないことです。専門用語の理解を一つずつ確かめていく方法は、キーワードアップデート術で解説しています。
よくある失敗
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 教材を最後まで読んでから発信しようとして、いつまでも始まらない | 一つの章を読んだら、その章だけで1本書く |
| 教材の文章を訳したり、書き写したりして出してしまう | 教材を閉じて、自分の言葉で書く |
| 書けない部分を飛ばして、書ける部分だけで満足する | 書けなかった部分に印をつけ、そこを学び直す |
| 反応が少なくてやめてしまう | 発信の一番の目的は自分の学びだと考え、まずは続ける |
特に最後の点は、始めたばかりの方ほどつまずきやすいところです。読者が少ないうちは、反応もほとんどありません。でも、この学び方の一番の受け取り手は、書いているあなた自身です。1本書くたびに理解が一つ深まっている、と考えて続けてみてください。
まとめ
- 読んでうなずくことと、自分で説明できることの間には大きな差がある
- 学ぶときは最初に「あとで人に説明する」という出口を決めておく
- 一番の学びは人に教えること。ブログやSNSの発信なら一人でも始められる
- 教材の一つの章を、自分の言葉で要約して発信する。書けなかった部分が学び直す場所
- 分からない部分は、分かったつもりで埋めずに、調べるか書かずにおく
まずは、今学んでいる教材の一つの章を読み、教材を閉じて、その章の要点を一文で書いてみてください。書けたら、それが最初の発信の種になります。



