集客を頑張って、少しずつお客様は増えてきた。それなのに、売上がなかなか大きくならない。新しいお客様を探し続けることに疲れてきた。そんな悩みを持っている方は多いです。
こういうとき、多くの方は「もっと集客しないと」と考えます。もちろん集客は大事です。ただ、集客だけでビジネスを大きくしようとすると、ずっと走り続けることになります。
結論から言うと、ビジネスモデルを拡大するときに先に見直したいのは、お客様1人との関係をどれだけ長く、深くできているかです。これを表す考え方がLTV(顧客生涯価値)です。
この記事では、LTVの考え方と、LTVを高めるための4つの方法(リピート、クロスセル・アップセル、ダウンセル、バックエンド)、そしてよくある失敗までをまとめました。
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この記事の続きとして、紹介・講座・会員を全部やらずに、少人数で続くビジネスの設計図をAIと描く方法をまとめました。
売上を増やす方法は「客数」か「LTV」の2つしかない
LTVとは、1人のお客様が、お付き合いの全期間を通してあなたにもたらしてくれる利益の合計のことです。計算式は次のとおりです。
LTV = 平均顧客単価 × 利益率 × 平均購入(継続)回数
たとえば、販売価格1万円、利益率50%、平均3回購入してもらえる商品なら、1万円×0.5×3回で、LTVは1万5,000円になります。
ビジネスの利益を増やす方法は、基本的に2つしかありません。お客様の数を増やすか、1人あたりのLTVを高めるかです。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 客数を増やす | 集客の手間と費用が、売上に比例してかかり続ける |
| LTVを高める | すでに信頼してくれているお客様との関係を育てる |
たとえば、毎月の利益目標が100万円だとします。LTVが1万円なら100人のお客様が必要ですが、LTVを10万円にできれば10人で届きます。少人数でも売上は作れる、というのはこういう構造の話です。
LTVの3つの要素のうち、個人のビジネスで比較的動かしやすいのは「平均顧客単価」と「平均購入回数」です。ここからは、この2つを高める方法を見ていきます。
方法1:リピート購入をしてもらう
LTVを高めるいちばん素直な方法は、一度買ってくれたお客様に、二度目、三度目も選んでもらうことです。
食品や消耗品、個人レッスン、月額制のサービスのように、使えばまた必要になる商品であれば、気に入ってもらえれば自然とリピートが起こります。
一方で、学習教材のように一度買えば同じものは二度と要らない商品もあります。この場合、何もしなければ、そのお客様との関係は一回の購入で終わってしまいます。
せっかく教育も済んで、信頼関係もできているお客様です。そのお客様が次に困ること、次に進みたい段階を考えて、2つ目、3つ目の商品を案内してみてください。
- 教材を買った人 → 実践でつまずいたときの相談の場
- 講座を修了した人 → 次の段階に進むための講座や会員制のサポート
- 単発の相談を受けた人 → 継続して伴走するサポート
リピートは「押し売り」ではありません。お客様が次に必要とするものを、先回りして用意しておくことです。購入後の関係の続け方は、リピート購入の仕掛け方でも解説しています。
方法2:クロスセルとアップセルで「一緒に」「一段上を」提案する
クロスセルとアップセルは、どちらも購入のタイミングに合わせて行う提案です。
クロスセル:関連する商品を一緒に
クロスセルは「ついで買い」「合わせ買い」の提案です。ハンバーガーを頼んだときの「ご一緒にポテトはいかがですか?」が典型的な例です。スーツを買ったときにネクタイを勧められるのも同じです。
ポイントは、最初の商品の効果を高める、または弱点を補うものを選ぶことです。自分の商品でも、他の人の商品を紹介するアフィリエイトでも構いません。
- ダイエットの教材を買った人に、続けやすくする道具を紹介する
- ビジネスの教材を紹介した人に、自分の実践サポートを案内する
- 教材の解説が手薄な部分を補う本を紹介する
気をつけたいのは価格です。クロスセルの商品は、最初の商品より安いものにしておきます。1万円の商品を買った直後に、もう1つ1万円の商品を勧められると、「ついで」の範囲を超えてしまいます。
アップセル:一段上の選択肢を
アップセルは、より価値の高い上位の商品を提案することです。スマートフォンの契約で「こちらのプランなら保証が長くなります」と案内されるのが身近な例です。
お客様の状況はさまざまです。多少高くても、より手厚いサポートを受けたい人もいます。商品が1つしかないと、そういう方の希望に応えられません。
上位の商品といっても、まったく別の商品を作る必要はありません。
- サポート期間を延ばす
- 個別の相談や添削をつける
- 関連する商品とセットにする
こうした形でも、十分に「一段上」の選択肢になります。
クロスセルもアップセルも、提案しやすいのは購入の直後です。お客様が「やってみよう」と決めた気持ちが高まっているからです。ただし、同じタイミングで両方を提案すると、お客様が迷ってしまいます。1回に出す提案は1つに絞ってください。
方法3:ダウンセルで「買えなかった人」を置き去りにしない
どれだけ丁寧に教育しても、全員が最初の商品を買ってくれるわけではありません。むしろ、買わない人のほうが多いのが普通です。
ただ、買わなかった人の中には「内容には魅力を感じたけれど、今は価格が合わなかった」という人もいます。その人たちを、一度買わなかったというだけで見送ってしまうのはもったいないことです。
そこで、最初の商品より手に取りやすい形の商品を案内します。これがダウンセルです。
- 個別サポートつきの講座 → サポートなしの教材版
- 長期のプログラム → 期間を短くしたお試し版
- 一括払い → 内容を絞った小さな単位の商品
ダウンセルは、最初の商品の案内が終わってから行います。最初から安い選択肢が見えていると、本来は上の商品が合っていた人まで安いほうを選んでしまうからです。ダウンセルは「値下げ」ではなく、合わなかった人のための別の入り口だと考えてください。
クロスセル、アップセル、ダウンセルの違いは、3つの売り方の違いで詳しくまとめています。
方法4:バックエンド商品を用意する
ビジネスモデルを拡大するうえで、いちばん大きいのがバックエンド商品です。
最初に買ってもらう商品をフロントエンド、そのあとに案内する本命の商品をバックエンドと呼びます。
| フロントエンド | バックエンド | |
|---|---|---|
| 役割 | 初めてのお客様に、あなたを知ってもらう | 信頼してくれたお客様の成果まで伴走する |
| 利益 | 大きく取らなくてもよい | ここで利益を作る |
商品が1つしかないと、その商品だけで利益を出さなければなりません。そうなると、価格を下げることも、集客にお金や手間をかけることも難しくなります。
バックエンドがあれば、最初の商品で無理に利益を取る必要はなくなります。化粧品の通販で、お試しセットを手に取りやすい価格で出しているのはこの考え方です。気に入った人が定期購入に進むことで、全体として成り立つ設計になっています。
セミナーも同じです。無料や手に取りやすい価格のセミナーで参加者と出会い、その中で本当に必要としている人に、しっかりした講座やサポートを案内する。セミナーの参加費で稼ぐ必要がないので、参加者を集めることや、中身を充実させることに集中できます。
私が今すすめているのは、3日間のオンライン企画をフロントエンドにして、個別相談からバックエンドを案内する形です。全体の流れはチャレンジ企画の完全ガイドで解説しています。
LTVを高めようとしてよくある失敗
4つの方法を知っても、使い方を間違えるとお客様は離れていきます。よくある失敗は次のとおりです。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 最初の商品と関係の薄いものを勧める | お客様が「次に困ること」から逆算して選ぶ |
| 購入直後に提案を詰め込む | 1回に出す提案は1つに絞る |
| 質の低い商品や不要な商品を並べる | 自分が自信を持って勧められるものだけにする |
| 最初から全部の段階を作ろうとする | まずはフロントエンドとバックエンドの2段から |
特に大事なのは最後の一つです。商品の数を増やすことが目的ではありません。 お客様が次の段階に進みたくなったとき、そこに選択肢があることが大事なのです。
個人のビジネスなら、最初からクロスセルもアップセルもダウンセルも全部そろえる必要はありません。私がおすすめする順番は次のとおりです。
- フロントエンドとバックエンドの2段を作る
- バックエンドを買った人の「次の悩み」を集める
- その悩みに応える商品を、リピートやアップセルとして用意する
- 最初の商品が合わなかった人のために、ダウンセルを考える
まとめ
- 売上を増やす方法は「客数を増やす」か「LTVを高める」かの2つ
- LTVは「平均顧客単価×利益率×平均購入回数」で決まる
- LTVを高める方法は、リピート、クロスセル・アップセル、ダウンセル、バックエンドの4つ
- 提案は1回に1つ。お客様の「次の悩み」から逆算して選ぶ
- まずはフロントエンドとバックエンドの2段を作ることから始める
まずは、今あなたの商品を買ってくれたお客様が、買ったあとに何に困っているかを書き出してみてください。その答えが、次に用意する商品のいちばん確かなヒントになります。
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