価格を決めるとき、安くしないと売れないと思っていませんか? 同じような講座の値段を調べて、それより少し安くする。「高い」と言われるのが怖くて、さらに下げる。そうして売れたのに、忙しいだけで利益が残らない。これは、努力の量とは関係なく起きることです。
結論から言うと、価格は相場で決めません。サポートにかかる自分の時間から考えて、3段階に分けて選んでもらいます。
この記事では、なぜ安くすると苦しくなるのか、価格をどんな手順で決めるのか、「高い」と言われたらどうするのかを順番に書きます。動画でも同じ内容を解説しています。
安くするほど、苦しくなる理由
安くすると苦しくなる理由は、次の流れにあります。
- 安くすると、たくさん売らないと利益が残らない
- たくさん売ると、一人ひとりを見る時間がなくなる
- 見る時間がなくなると、成果も出にくくなる
お客様のために安くしたつもりが、お客様の成果を遠ざけてしまうのです。
高い値段は、悪いことではない
ここで、高い値段の意味をそろえておきます。高額商品は、ただ値段が高い商品ではありません。相手の悩みに、深く、長く関わる商品です。関わる深さに、価格がついています。
私は以前、3日間のチャレンジ企画で高額の商品を販売しました。準備は1週間、集まったのは3名です。それでも、売上は600万円になりました。たくさん売らなくても、売上は作れます。商品づくりの全体は、商品設計の完全ガイドにまとめています。
価格の理由が言えないと、自信も持てない
安くしたくなる原因の一つは、価格の理由が自分で言えないことです。なぜこの値段なのかを説明できないと、相手は高いと感じます。そして、売る自分も自信が持てません。だから、言われる前に下げたくなります。
逆に、「このサポートには、これだけ私の時間を使います。だからこの価格です」と言えれば、値段の話は怖くなくなります。この記事の手順は、その理由を自分の言葉で言えるようにするためのものです。
高いお金が払われるのは、今すぐ解決したい悩み
もう一つ、価格の前に確かめておくことがあります。あったら便利、くらいの悩みには、高いお金は払われません。今すぐ解決したい悩みだから、高額でも選ばれます。
悩みの深さは、「その悩みで困った場面はいつですか?」「これまで何を試しましたか?」「解決したら何をしたいですか?」の3つを聞いて確かめます。話を聞ける相手がまだいないときは、同じ悩みで困っていた、過去の自分を相手にします。
相場は、参考にするだけ
相場は、見てはいけないものではありません。ただし、参考にするだけです。
| 決め方 | 起きること |
|---|---|
| 相場だけで決める | 自分のサポートにかかる時間が入っていないので、時間が足りなくなる |
| 相場を参考に、自分の時間から考える | 無理なく続けられる価格が見えてくる |
相場の中には、あなたのサポートにかかる時間が入っていません。同じ値段でも、質問にどこまで答えるのか、個別に話す時間があるのかで、かかる時間はまったく変わります。
私も独立したばかりのころは、ブログやSNSを続け、無料相談もしましたが、成約にはつながりませんでした。当時一番ほしかったのは、「これをこの順番でやればいい」という手順です。価格も、感覚で決めるのではなく、順番で決められます。
価格を決める手順は、次の3つです。
- サポートにかかる時間を書き出す
- サポートの深さで3段階に分ける
- 売ってから直す
手順1:サポートにかかる時間を書き出す
最初に、お客様一人にかかる時間を書き出します。たとえば、次のようなものです。
- 教材を作る時間
- 質問に答える時間
- 個別に話す時間
ここが価格の土台になります。値段を考えるのは、そのあとです。
本当に回せるかを確かめる
書き出したら、本当に回せるかを確かめます。見るのは次の3つです。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 週に何時間使えるか | 使える時間を超える約束はできない |
| 何人まで見られるか | 人数が増えるほど、一人あたりの時間は減る |
| 個別は同時に何人まで受けるか | 個別のコースが一番時間がかかる |
特に個別のコースは、同時に受けられる人数を先に決めておきます。ここを決めないまま売ると、売れるほど自分の時間がなくなります。
手順2:サポートの深さで3段階に分ける
次に、3段階に分けます。中身の量ではなく、サポートの深さで分けます。
| 段階 | サポート | 商品の例 |
|---|---|---|
| 自分で進める | セルフ | 動画とテンプレート |
| 仲間と進める | グループ | グループ講座 |
| 個別に進める | 個別 | マンツーマン |
約束は3つとも同じです。違うのは、サポートの深さだけです。価格は、サポートが深くなるほど上がります。
価格の例(説明のための例です)
たとえば、3か月で仕事のAI手順書を10個そろえる講座があるとします。ここからの価格は、説明のための例です。
| コース | 価格 | サポート |
|---|---|---|
| 自分で進める | 5万9千8百円 | 動画と手順書 |
| 仲間と進める | 14万8千円 | グループで質問 |
| 個別に進める | 29万8千円 | 同時に3名まで |
金額をまねしてほしいわけではありません。自分の時間から考えると、深く関わるコースほど価格が上がり、人数の上限もつく、という形を見てください。
差をつけるのは、サポートの深さだけ
3段階にすると、上のコースほど特典を増やしたくなります。ただ、特典をつけるときは、全員に同じものをつけます。さきほどの例なら、上司に成果を報告するためのシートです。どのコースを選んでも、受け取れるものは同じにします。高いコースの人だけ得をする形にはしません。
価格を確かめるときは、次の3つを見ます。
- 価格とサポートが釣り合っているか
- 自分の時間で、無理なく続けられるか
- 面談で説明しやすいか
3つとも「はい」と言えれば、その価格で売り始めて構いません。
なぜ、3段階に分けるのか
商品が1つしかないと、合わない人を断るか、合わない商品を無理に売るか、どちらかになります。同じ悩みでも、人によって必要なサポートは違います。3段階あれば、その人に合うものを勧められます。ラインナップの考え方は、バックエンド商品の役割と3段階のラインナップでもくわしく書いています。
手順3:最初の価格は、売ってから直す
最初から完璧な価格を探す必要はありません。まずは、自分の時間から計算した価格で始めます。そして実際に売ってみて、サポートにかかった時間を確かめます。合っていなければ、次から直します。
完璧な価格を探して売り出せないままでいるより、売ってから直す方が早く決まります。
実績が少なくても、高額にしていいか
価格は、実績の数だけで決まるものではありません。どれだけ深くサポートするかで決まります。個別に時間をかけるなら、その分の価格をつけて構いません。そのかわり、約束と保証は、自分が確実に届けられる範囲にします。
たとえば、さきほどの例なら「3か月で手順書が10個そろう」が約束です。相手も自分も、できたかどうかが分かります。保証をつけるなら、「宿題を出したのに手順書が10個そろわなければ、延長か全額返金」のように、自分が届けられることだけにつけます。収入がいくら増えるかのように、相手の努力だけでは決まらない結果は約束しません。
「高い」と言われたら、合うコースを一緒に探す
「高い」と言われても、無理に値段を下げる必要はありません。3段階の中に、その人に合うコースがないかを一緒に見ます。資料があれば進められる人には、自分で進めるコースが合うこともあります。
| 答え方 | 残るもの |
|---|---|
| 値段を下げる | 利益も時間も残らない |
| 合うコースを一緒に探す | 相手の信頼が残る |
このとき、一番高いコースを無理に売ろうとしないことです。高いコースは、本当に必要な人が選ぶものです。決めるのは相手です。
価格を伝える順番と、使わないもの
価格は、伝える順番も大事です。面談では、今の悩み、試したこと、理想の状態を先に聞きます。説明は、相手が聞きたいと言ってからです。
私はこの順番で初めて個別面談をしたとき、5名中5名に申し込んでいただきました。特別な話し方をしたわけではありません。先に聞いて、課題を一緒に整理しただけです。
面談のあとには、整理した内容をまとめて送ります。今の課題、次にやること、合いそうなコースの3つです。その場で決めなくても、あとから落ち着いて見返せる資料になります。面談の進め方は、個別相談で売り込まずに選ばれるカウンセリングセールスにくわしく書いています。
使わないもの
反対に、価格の話で使わないものがあります。
- 理由のない値上げの予告
- 毎回くり返す「今だけ」
どちらも焦らせるだけで、信頼を失います。期限をつけるなら、準備のためなど、本当の理由が言えて守れるものだけにします。値上げの前に整えることは、安くするほど講座ビジネスが苦しくなる理由にも書いています。
AIに任せる所と、自分で決める所
価格を決めるときも、AIは使えます。ただし、決めるのは自分です。
| AIに任せる | 自分で決める |
|---|---|
| 候補を出す | 誰に届けるか |
| 3段階の形を下書きする | どの約束にするか |
| かかる時間を表にまとめる | いくらにするか |
たとえば、こう頼みます。
私の講座のサポート内容は〇〇です。お客様一人にかかる作業を書き出し、自分で進める・仲間と進める・個別に進めるの3段階に分けた表を作ってください。金額は入れず、かかる時間を私に質問してください。
出てきた表が本当に回せるかは、週に何時間使えるか、何人まで見られるかで、自分が確かめます。
まとめ
- 安くすると、たくさん売らないと利益が残らず、一人ひとりを見る時間もなくなる
- 相場は参考にするだけで、価格はサポートにかかる自分の時間から考える
- 中身の量ではなく、サポートの深さで3段階に分ける
- 最初の価格は、売ってみて、かかった時間を確かめてから直す
- 「高い」と言われたら、値段を下げずに合うコースを一緒に探す
まずは、お客様一人にかかる時間を書き出すところから始めてみてください。値段を考えるのは、そのあとです。


