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AIで書いた本ほど、出版後すぐに古くなります|電子書籍を最新情報に直し続ける「事実の出典メモ」

ai-ebook-update-facts 実録
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AIの使い方の本を出したら、あとは読まれるのを待つだけ。そう思いたいところですよね。

結論から言うと、AIの道具の本ほど、出版したその日から古くなり始めます。私の本でも、前作から1か月で、画面の名前や機能の仕組みがいくつも変わっていました。古い情報のまま読まれ続けると、本の信用も、書いた人の信用も落ちてしまいます。

そこで私は、本の中の事実を出典つきで1か所にまとめた「事実の出典メモ」を作り、更新はそこから始めるようにしました。もう1つ、私がWordで手直しした版を、AIの作り直しで消してしまわないための決まりも作りました。

この記事では、電子書籍を最新情報に直し続けるために私がやっていることを、失敗も含めてそのまま書きます。

前作から1か月で、これだけ変わっていた

まず、実際にどれくらい変わるのかをお見せします。

私が出しているGemini Notebook(旧NotebookLM)の本は、9月14日の版で、私の本の中で一番読まれている本です。その続編として、NotebookLMで講座や教材を作る本を10月14日に書きました。続編を書くために事実を確かめ直したところ、前作の時点から次のことが変わっていました。

変わっていたこと 前作を読んだ人に起きること
サービスのURLが新しい住所へ転送されるようになった 本の手順と画面が合わない
動画の解説の形式が3種類になった 本にない選択肢が出てきて迷う
音声解説の長さの指定と、対話できる形式は英語だけ 日本語で試して「できない」となる
レポートが2種類になった 本の説明と名前が違う
スライドとインフォグラフィックは18歳以上が対象 使えない人が出る
共有には人数の上限があり、チャットだけの共有でも中身は完全には隠れない 隠したつもりの資料が見える

さらに、前作に書いていた「音声解説は10分以内が効く」という話は、確かめたところ裏付けが見つかりませんでした。

古いまま売れ続けるのが、一番こわい

この前作は、Kindleで読まれている本です。だからこそ、古い記述のまま読まれ続けることが、一番信用を落とすと考えました。前作も直す必要がある、と記録に残しています。

AIの道具の本を書くなら、出版は終わりではなく、更新の始まりだと考えておくほうが安全です。

事実は「出典メモ」1か所にまとめる

本を最新に保つために、私が一番効いたと感じているのが「事実の出典メモ」です。

これは、本の中に出てくる事実だけを集めたファイルです。料金、機能の名前、画面の名前、対象の年齢、日付。1つずつに、どこで確かめたかの出典と、確かめた日を付けておきます。

本文ではなく、メモから直す

AIの本を更新するときは、いきなり本文を直しません。まず出典メモの事実を直し、そこから本文に反映します。

AIエージェントの本では、事実の出どころを出典のURLと確からしさの度合いつきで1つのファイルにまとめました。公式ページが読み込めなかった部分は、同じ時期に確かめ済みの姉妹書から取り、どこから取ったかも書いてあります。更新のときは、このメモと姉妹書の料金・日付を突き合わせます。

出版前にもう一度確かめる

非エンジニア向けのClaude Codeの本では、作成した日の時点の公式の事実をメモにまとめました。Claude Codeは毎週のように変わるので、出版の前に、料金・モードの名前・モデルの名前を確かめ直すと決めています。

「どの公式を見たか」まで書く

公式の資料が1つとは限らないのも、気をつけている点です。Codexの本で、ある機能の部品を4つと書いていました。一般向けの公式ページで確かめると正しかったのですが、開発者向けの資料では、別の切り口で3つに分けて説明していました。開発者向けだけを見ると「1つ足りない」と誤って直してしまうところでした。

だから出典メモには、「公式」とだけ書かずに、どのページで確かめたかまで残しています。

二次情報の数字は、公式で確かめ直す

9月の終わりに、Claude Code・Codex・Antigravityの3冊を、9月の時点の情報へ全面的に書き直しました。直す前の版は、控えとして別のフォルダに残しています。

このとき、Antigravityの本の料金の一部が、公式ページではなく、ほかの人のまとめ記事などの二次情報から来ていることが分かりました。公式ページに書かれていない数字だったのです。そこで「要確認」の印を付けて残し、あとでGeminiの本を作ったときに、公式ページで確かめることができました。

AIは、それらしい数字をどこからでも拾ってきます。出典メモに「公式で確かめた」か「二次情報」かを分けて書いておくと、あとで確かめ直す順番が決めやすくなります。

確かめきれなかったことも書いておく

すべてを確かめきれるわけではありません。Geminiの本を更新したときも、日本での提供状況や、日本語の画面での表記など、確かめきれずに残した点がありました。こうした点は「未確認」として書き残しています。次に更新するときに、どこから確かめればいいかがすぐ分かるからです。

手直しした版を、作り直しで消さない

ここからは、電子書籍の更新ならではの失敗の話です。

私の電子書籍は、Claude Codeが章の原稿からWordに組み立てて作っています。この仕組みのおかげで、原稿を直せばいつでも本を作り直せます。ところが、ここに落とし穴がありました。

私の手直しが、全部消える

できあがったWordを、私が自分で手直しすることがあります。Geminiの本では、冒頭の空いた行を消し、「はじめに」の署名を「著者」から「亀井」に変え、見出しの前に空いた行を約40か所足しました。Codexの本では、空いた行を整理して、改ページを14か所から11か所に減らしました。

この状態でAIが原稿から本を作り直すと、私の手直しが全部消えてしまいます。作り直しの仕組みは、Wordの側で直したことを知らないからです。

「正本」を決めて、上書きを禁止する

そこで、私が手直しした版を「正本」と決めました。正本は上書き禁止です。

更新するときは、AIに本を作り直させず、正本に直接書き込ませます。Geminiの本の更新では、19か所を正本に直接書き込み、141ページが143ページになりました。図21枚はそのままです。

そして、同じ修正を章の原稿の側にも入れて、原稿と正本の文面をそろえておく。これが大事です。片方だけ直すと、次に作り直したときに古い文面に戻ってしまいます。

直す前に控えを取る

正本に書き込む前には、直す前の版を控えとして別の場所に保存しています。書き込みで何か崩れても、すぐ元に戻せるようにするためです。

手直しの中身も、メモに残す

正本を守るために、私がどこを手直ししたのかもメモに残しています。「冒頭の空いた行を消した」「署名を変えた」「見出しの前に行を足した」といった具合です。

こうしておくと、どうしても作り直しが必要になったとき、手直しをもう一度やり直せます。AIにも、何を守らなければいけないのかが伝わります。手直しの中身が分からないままだと、AIは「本文が同じなら作り直しても問題ない」と判断しかねません。

別の名前で作る、という選択

正本に直接書き込む以外に、「別の名前で新しい版を作る」こともあります。

個別面談の本では、私が自前の表紙画像を入れ、前付けの改行を整えた版が正本です。そこに図を差し込むときは、正本を読むだけにして、図を入れた版を「イラスト入り」という別の名前で保存しました。表紙の画像は私のものを残すため、AIが作った表紙は入れていません。原稿から作り直す仕組みのほうも、デスクトップの正本には書き出さず、作業用のフォルダにだけ書き出すように変えています。

Codexの本でも、Kindleでの出版に向けた更新版を、正本とは別の名前で作りました。事実を10月の時点に直し、著作権の文面をKindle向けに変えています。正本と本文が同じかどうかは、空いた行を除いて文字を比べて確かめました。

作り直すなら、先に聞く

どうしても原稿から作り直したほうが早い場面もあります。そのときは、手直しした点をどう扱うかを、作り直す前に私に確認するよう決めています。AIが良かれと思って作り直すと、私の手直しが黙って消えるからです。

明日からできる、本を古くしない3つの習慣

電子書籍を出している方、これから出す方が、明日から始められることを3つにまとめます。

  1. 本の中の事実を1つのメモに集める:料金・機能・画面の名前・日付ごとに、確かめたページと日付を書く
  2. 「正本」を決める:自分で手直しした版がどれかを決め、作り直しで上書きしない
  3. 直すときは両方直す:正本に書き込んだら、同じ修正を原稿の側にも入れる

AIに更新を頼むときは、次の順番で依頼しています。

  1. 出典メモの事実を、公式のページで確かめ直してもらう
  2. 変わっていた事実の一覧を出してもらい、自分で目を通す
  3. 正本の控えを取ってから、正本に直接書き込んでもらう
  4. 同じ修正を章の原稿にも入れてもらう
  5. 確かめきれなかった点を、未確認としてメモに残してもらう

2番目で一覧を自分の目で見るのがポイントです。AIが「変わっていた」と言っても、読み違いのことがあるからです。先ほどのCodexの本の例のように、見る資料を間違えると、正しい記述を誤って直してしまいます。

更新の頻度は、道具の変わる速さに合わせて決めてください。AIの道具なら、出版の直前と、大きな発表があったときが目安です。Geminiの本では、10月13日の発表の内容を、翌日に反映しました。

本を作る全体の手順はClaude Codeで160ページの電子書籍を作る手順に、KDPへの登録の流れはKindle形式への変換からKDP登録までの手順にまとめています。

まとめ

  • AIの道具の本は、前作から1か月で、画面や機能がいくつも変わっていた
  • 事実は出典と日付つきで1つのメモにまとめ、更新はメモから始める
  • 「公式」とだけ書かず、どのページで確かめたか、確かめきれなかったことまで残す
  • 自分で手直しした版を正本にして上書きを禁止し、更新は正本に直接書き込む
  • 同じ修正を原稿にも入れて、原稿と正本の文面をそろえておく

まずは、あなたの本に出てくる料金や機能の名前を、1つのメモに書き出すところから始めてみてください。私がAIで商品づくりを仕組みにしてきた全体の記録は、Claude CodeとCodexで商品づくりを仕組みにした記録にあります。