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動画を増やしても、講座の満足度は上がりません|受講者が手を動かす「文字の教材」を添える4つの種類と、読まれる作り方

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講座の動画を一通り撮り終えた。内容には自信がある。それでも、受講者からの反応がいまひとつで、「もっと何か足したほうがいいのでは」と感じている。そして、つい動画の本数を増やそうとしてしまう。こういう講師の方は多いです。

でも、動画を増やしても、満足度が上がるとは限りません。見る量が増えるほど、受講者にとっては負担が増えることもあります。見て終わり、聞いて終わりになりやすいのは、動画の本数が少ないからではないんですよね。

結論から言うと、足りないのは動画ではなく、受講者が自分で手を動かし、手元に残せる「文字の教材」です。進め方の計画表や、書き込み用のワークを動画に添えるだけで、受講者は見るだけの人から、参加する人に変わります。

この記事では、動画だけの講座が見て終わりになりやすい理由、文字の教材が喜ばれる3つの理由、添える教材の4つの種類、読まれる教材の導入文、そして作り方と画像の入れ方を解説します。

動画だけの講座は、見て終わりになりやすい

まず、なぜ動画だけの講座は満足度が上がりにくいのかを整理します。

動画は、情報を伝える力の強い形です。話し方や表情から、講師の人柄や熱意も伝わります。ただ、動画を見ている間、受講者は基本的に受け身です。うなずきながら見ていても、見終わったあとに何も手元に残らないと、何をすればいいのかがぼんやりしたまま次の動画へ進んでしまいます。

もう一つは、見返しにくさです。「あの話はどこで出てきたか」を探すために、動画を早送りして探すのは手間がかかります。手間がかかるので、結局見返さなくなります。

さらに、多くの講座が動画で作られるようになった今、動画があることだけでは、他の講座との違いになりません。差がつくのは動画の量ではなく、受講者が学んだことを自分の行動に移せるかどうかです。

文字の教材が喜ばれる3つの理由

動画に文字の教材を添えると、受講者の満足度が上がりやすくなります。理由は3つあります。

  1. 自分で参加できる:空欄に書き込んだり、計画を立てたりすることで、受け身ではなく自分ごととして学べる
  2. 手元に残る:保存したり印刷したりできるので、あとから見返しやすく、安心感がある
  3. 全体が見える:講座全体の流れや要点が1つの資料にまとまっていると、今どこを学んでいるかが分かる

中でも大きいのが1つ目です。人は、見聞きしたことより、自分で書いたことのほうをよく覚えています。そして、自分で書いたものがあると、それを実際にやってみようという気持ちにもなります。

講座に添える文字の教材、4つの種類

では、どんな教材を添えればいいのか。講座の内容に合わせて、次の4つから選びます。

種類 中身 向いている講座
1. 進め方の計画表 いつ、何を、どの順番でやるか 数週間かけて取り組む講座、手順の多い講座
2. 全体の設計図 講座全体の流れを1枚にまとめた図 学ぶことが多く、全体像を見失いやすい講座
3. 要点のまとめ冊子 各回の要点を文章でまとめたもの 考え方や知識を伝える講座
4. 書き込み用のワーク 質問と空欄が並んだ、自分で埋める用紙 自分の答えを出す必要がある講座

全部をそろえる必要はありません。まずは1つか2つで十分です。迷ったら、4つ目の書き込み用のワークから始めてください。受講者が手を動かす仕組みとして、一番効き目があるからです。

ワークの質問は、講座で教えたことを、受講者が自分の場合に当てはめられる形にします。「あなたの講座の対象者は誰ですか」のような大きな質問より、「あなたに一番よく相談してくる人は、どんな仕事をしている人ですか」のように、答えやすい質問にすると手が止まりません。書きやすいワークの作り方は、書きやすいワークシートと提出率を上げる7つの工夫でも解説しています。

読まれる教材は、最初の数行で決まる

教材を作るときに、意外と見落とされるのが導入文です。表紙のすぐあとに、いきなり表や質問が並んでいると、受講者は「これは何のための資料なのか」が分からず、手をつけにくくなります。

教材の最初には、短い導入文を置きます。書くことは3つです。

  1. この資料が何か:「講座で学んだことを、あなたの場合に当てはめるためのワークです」
  2. 使うと何が手に入るか:「最後まで書き込むと、あなたの講座の1回目で話す内容が決まります」
  3. 本編へのつなぎ:「では、最初の質問から始めましょう」

2つ目の書き方には、2つの型があります。1つは、得られるものを具体的に書く型です。もう1つは、講師自身の体験を書く型です。「私も独立したばかりのころは、何から手をつければいいか分からず、一番ほしかったのは『これをこの順番でやればいい』という手順でした。このワークは、その手順を形にしたものです」。講師がかつて同じところで迷っていたと分かると、受講者は安心して取り組めます。

導入文は長くなくてかまいません。数行で、「これを使えば何が手に入るか」が伝われば十分です。

作るときは「書く」と「整える」を分ける

教材づくりが止まる原因の多くは、書く作業と、見た目を整える作業を同時にやっていることです。文章を考えながら文字の大きさや色を気にしていると、どちらも進みません。

私は、次の順番で作ることをおすすめしています。

  1. 中身の原稿を、見た目を気にせず最後まで書く
  2. 見出しと本文の区切りを決めて、原稿を流し込む
  3. 見出しの書式を1つ決めて、全部の見出しにそろえる
  4. 長い本文は、小見出しで区切る
  5. 最後に、画像や図を入れて見た目を整える

3つ目は、文書作成の道具にある「見出しの書式をまとめて設定する機能」を使うと楽です。見出しを1つずつ手で大きくしていると、ばらつきが出るうえに、あとで直すときに全部を直すことになります。書式を1つ決めてそろえておけば、変えたいときも一度で変えられます。

ほかの場所から文章をコピーして貼るときは、元の書式を引き継がない貼り付け方を使うと、文字の大きさや色がばらばらになるのを防げます。ページの区切りも、改行を重ねて作るのではなく、改ページの機能を使います。こうした小さな工夫で、あとから文章を足したり削ったりしても、見た目が崩れなくなります。

文字だけにしない。画像と文章の配分

最後に、画像の入れ方です。

パソコンやスマートフォンの画面で長い文章を読むのは、紙で読むよりも疲れます。どれだけ役に立つ内容でも、画面いっぱいに文字が並んでいると、受講者は読むのを後回しにしてしまいます。

そこで、文章で長く説明している部分を、画像や図で見せられないかを考えます。操作の手順なら画面の画像を、作業の様子なら写真を、考え方の流れなら簡単な図を入れます。画像を1枚入れるだけで、何行もの説明がいらなくなることはよくあります。

ただし、全部を画像にすればいいわけではありません。理由や手順の細かいところは、文章でしか伝えられません。文章で「なぜ」と「どうやるか」を伝え、画像で「どんな様子か」を見せる。この配分を意識すると、最後まで読み進めてもらえる教材になります。

たとえば、料理教室の講師がいたとします

イメージしやすいように、例を出してみます。忙しい人向けに、作り置きの料理を教えるオンライン講座を持っている講師がいたとします。動画は丁寧に作ってあるのに、「見て満足して、実際には作っていない」という声が届きました。

そこで講師は、動画に2つの教材を添えました。1つは、週末に何をどの順番で作るかを書き込める計画表です。もう1つは、各回のレシピと手順のポイントを写真つきでまとめた冊子です。計画表の最初には、「これを埋めると、次の週末に作るものと買い物の中身が決まります」と一文を置きました。

動画の中身は変えていません。それでも受講者は、計画表を埋めることで「次の週末にやること」がはっきりし、実際に手を動かすようになります。

教材づくりでやりがちな3つの失敗

最後に、文字の教材を作るときに起きやすい失敗を挙げておきます。

  • 動画の内容を全部書き起こす:話したことをそのまま文字にすると、長くて読まれない資料になります。教材に入れるのは、要点と、受講者が手を動かす部分だけです
  • 渡す場所が分かりにくい:せっかく作っても、どこにあるか分からなければ使われません。講座の最初に「まずこの資料を保存してください」と案内し、見つけやすい場所に置きます
  • 作ったまま見直さない:受講者の質問が多いところは、教材の説明が足りていないところです。質問が届くたびに、教材のほうを書き足していきます

3つ目は、講座を育てていくうえでとても大切です。受講者の質問は、教材のどこを直せばいいかを教えてくれる材料です。質問に一人ずつ答えるだけで終わらせず、答えを教材に書き足しておけば、次の受講者は同じところで迷わなくなります。

私のチャレンジ企画でも、3日間の話を聞くだけで終わらないように、毎日書き込むワークシートを用意しています。話を聞いた直後に、自分の場合に当てはめて書く時間があると、参加者は「分かった」から「やってみた」に進めます。教材は、講座の中身を行動に変えるための道具です。

まとめ

  • 講座の満足度を上げるのは、動画の本数ではなく、受講者が手を動かせるかどうか
  • 文字の教材は、参加できる・手元に残る・全体が見える、の3つで喜ばれる
  • 添える教材は、計画表・全体の設計図・要点のまとめ冊子・書き込み用のワークの4つから選ぶ
  • 教材の最初には、何の資料か・何が手に入るか・本編へのつなぎを書いた導入文を置く
  • 作るときは書くと整えるを分け、文章と画像の配分を意識する

参加者に動画を見てもらうだけで終わらせない工夫は、動画を最後まで見てもらう7つの原則でも紹介しています。まずは、あなたの講座の中で「見て終わりになっている回」を1つ選び、その回に添える書き込み用の質問を3つ書き出してみてください。