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ChatGPTの答えが「微妙」なのは、AIの性能のせいではありません|AIを“優秀な新人”として育てるプロンプトのコツと、情報→指示の2ステップ

rev-4353 AIライティング
この記事は約6分で読めます。

「ChatGPTを試してみたけれど、正直、期待したほどではなかった」

「当たり障りのない文章しか出てこなくて、結局自分で書き直すほうが早かった」

「だから、最近はほとんど使っていない」

そう感じている方は多いのではないでしょうか。「AIが仕事を奪う」とあれだけ話題になったのに、実際に使ってみたら「あれ?」と思った。その経験は、私にもあります。

結論から言うと、AIの答えが微妙だった原因の多くは、AIの性能ではなく「頼み方」にあります。AIを魔法の道具ではなく、「とても優秀だけれど、あなたの会社のことを何も知らない新人」として扱う。これだけで、返ってくる答えは大きく変わります。

この記事では、AIが薄い答えを返してくる理由と、AIを優秀な新人として育てるための「情報を渡す→具体的に指示する」という2ステップのコツを解説します。

多くの人がAIに挫折する、本当の理由

ChatGPTが登場した頃、私もわくわくしながらいろいろと試しました。

「ブログ記事を書いて」

「セールスレターのアイデアを10個出して」

ところが、返ってくるのはどこかで読んだような一般論ばかり。とても、そのまま仕事で使えるものではありませんでした。

この段階で「AIってこんなものか」と判断して、使うのをやめてしまった方も多いと思います。ただ、そこで見切りをつけるのは、とてももったいないことです。

AIは、登場した頃に比べて大きく進化しています。ChatGPTのほかにも、GeminiやClaudeなど、仕事に使えるAIが増えました。けれども、性能が上がった今でも、頼み方が変わらなければ、やはり微妙な答えしか返ってきません。答えの質を左右しているのは、道具の性能より、渡している情報の量と質です。

AIが「薄い答え」を返してくる理由

AIが当たり障りのない答えを返してくるとき、多くの場合、頼み方が「丸投げ」になっています。

  • 「うちの商品のセールスコピーを書いて」
  • 「マーケティング戦略を考えて」
  • 「面白いブログ記事を書いて」

どれも、よく見かける頼み方です。

人に頼むときと同じように考えてみる

もし、あなたが私に「セールスコピーを書いてください」とだけ頼んできたら、私は「何のですか?」と聞き返すしかありません。

  • その商品は、どんな商品ですか
  • 価格はいくらで、どんな特徴がありますか
  • 誰に向けた商品で、その人はどんな悩みを抱えていますか
  • ほかの似た商品と比べて、何が違いますか

AIもまったく同じです。AIは、あなたのビジネスの背景も、商品のことも、お客様のことも知りません。

情報がないと「運任せのルーレット」になる

情報が何もない状態で「書いて」と頼まれると、AIは、これまでに学んだたくさんの文章の中から、「それらしい言葉」を組み合わせるしかありません。

AIが学んだ文章には、大企業のイメージ広告もあれば、近所のお店のチラシもあります。どの業界の、誰に向けた、どんな調子の文章が欲しいのかを伝えなければ、AIは運任せのルーレットを回しているのと同じ状態になります。

その結果、「私たちと一緒に、輝く明日へ歩み出しましょう」のような、誰の心にも引っかからない文章ができあがってしまうのです。

AIは「会社のことを何も知らない、優秀な新人」

では、どうすればルーレットをやめさせられるのでしょうか。一番のコツは、とてもシンプルです。

AIを、魔法の道具ではなく、人として扱うこと。

私がよく使う例えがあります。AIは「頭はとても良いけれど、社会人経験はゼロで、あなたの業界のこともまったく知らない新入社員」だと考えてください。

この新人は、的確な指示さえあれば、人が何日もかかる作業を短い時間でこなす力を持っています。けれども、社会人経験がないので、「ちょっと、いい感じにやっておいて」という頼み方では動けません。

腕の良い書き手ほど、打ち合わせを求める

たとえば、とても腕の良いコピーライターに仕事を頼めることになったとします。その人に、打ち合わせもせずに「うちの商品のセールスレター、書いておいて」と伝えたらどうなるでしょう。

おそらく、まともな仕事はしてもらえません。腕の良い書き手ほど、十分な情報がなければ良い文章は書けないと知っているからです。きっと、こんなことを聞いてくるはずです。

  • あなたのビジネスで大切にしていることは何ですか
  • 商品を使うと、お客様にどんな良いことがありますか
  • お客様は、どんなことに困っていますか
  • 過去にうまくいった文章と、うまくいかなかった文章はありますか

AIにとっては、私たちが入力する指示文(プロンプト)が、この打ち合わせのすべてです。打ち合わせの中身が薄ければ、仕事の質も薄くなります。

答えの質を変える「2ステップ」の頼み方

AIが苦手なのは、何もないところから、独創的なアイデアを生み出すことです。AIは私たちの頭の中を読み取れません。反対に得意なのは、私たちが渡した材料を膨らませたり、整えたりすることです。

そこで、次の2ステップで頼みます。

ステップ1:先に「研修資料」を渡す

まず、新人に研修資料を渡すつもりで、AIが参考にすべき情報を先に渡します。

渡す情報 例
あなた自身のこと 経営で大切にしていること、プロフィール、これまでの経験
商品のこと 商品名、価格、特徴、対象のお客様、お客様の悩み
過去の文章 反応の良かったメルマガ、ブログ記事、お客様の声
文章の調子 「読者に寄り添うように」「専門家として言い切るように」など

「この情報をもとに答えてください」と伝えてから依頼すると、AIがルーレットを回す余地が小さくなります。以前に比べて、長い資料もまとめて渡しやすくなったので、この方法はずっと使いやすくなりました。

ステップ2:迷わないように、具体的に指示する

情報を渡したら、次に具体的な指示を出します。ここでも、ふわっとした頼み方は避けます。

  • 役割:あなたは、個人事業主向けの記事を書いてきた経験豊富な書き手です
  • 読者:オンラインで商品を売りたいが、AIの使い方が分からない個人事業主
  • 目的:AIは頼み方しだいで頼れる助手になると理解してもらう
  • 構成:見出しの案をこちらで指定する
  • 調子:渡した過去の文章の話し方をまねて、共感的に
  • 避けること:「みなさん」ではなく「あなた」と呼びかける

ここまで具体的に伝えると、AIはこちらの望む方向にかなり近い答えを返してくれるようになります。

よくある3つのつまずき

2ステップを始めた方がつまずきやすい点も、まとめておきます。

  1. 情報を渡したのに、指示がふわっとしている:資料を読ませただけで「いい感じに書いて」と頼むと、結局ルーレットに戻ってしまいます
  2. 1回で完成品を求める:新人と同じで、最初の答えにこちらの感想を返し、何度かやり取りして仕上げるほうが早く良いものになります
  3. 答えをそのまま使う:事実の確認や、表現の最終判断は人が行います。AIの答えは下書きとして扱ってください

AIの答えがいまいちだと感じたら、AIを見限る前に、渡した情報と指示を見直してみてください。足りない情報を足すだけで、答えが見違えることはよくあります。AIの答えを使うときの注意点は、AIの回答をコピペで使うときの注意点で解説しています。

また、プロンプトの基礎をもう少し広く知りたい方は、期待どおりの答えを引き出すプロンプトの基礎を、AIに渡す材料を一つにまとめる方法は、AIに渡すべき10の材料とマザープロンプトをご覧ください。

まとめ

  • AIの答えが微妙になるのは、性能よりも「丸投げ」の頼み方が原因のことが多い
  • 情報がないと、AIは運任せのルーレットのように「それらしい言葉」を並べるしかない
  • AIは「頭は良いが、あなたの会社のことを何も知らない新人」として扱う
  • 先に研修資料(あなた・商品・過去の文章・調子)を渡し、そのあとで具体的に指示する
  • 1回で完成させようとせず、答えは下書きとして、やり取りしながら仕上げる

まずは、あなたの商品の説明、対象のお客様、反応の良かった過去の文章を1つずつ用意して、AIに渡してみてください。同じ依頼でも、返ってくる答えの違いに驚くはずです。