売れる仕組みがひととおりできた。「あとは、この仕組みに一人でも多くの人を集めるだけだ」と、集客のことばかり考えていませんか。
もちろん、集客は大切です。ただ、利益を増やすために見ておきたい数字は、集客の数だけではありません。同じくらい、あるいはそれ以上に大切な数字があります。
結論から言うと、それがLTV(顧客生涯価値)です。常に新しいお客様を追いかける「狩りのような」ビジネスから、お客様との関係をじっくり育てる「畑を耕すような」ビジネスへ。LTVという見方を持つと、少ない人数でも、安定して利益を上げられる形に近づいていきます。
この記事では、LTVの意味と計算式、LTVが変わると必要な客数がどう変わるのか、そしてLTVを高める3つの方向をお伝えします。
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LTV(顧客生涯価値)とは何か
LTVは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
ひと言でいうと、お客様一人が、長い付き合いの中で、あなたのビジネスにもたらしてくれる利益の合計のことです。
計算式は、次のように表せます。
LTV = 平均の購入単価 × 利益率 × 平均の購入回数
たとえば、商品の平均の単価が10,000円、利益率が50%、お客様が平均で3回買ってくれるとします。この場合、お客様一人あたりのLTVは次のとおりです。
10,000円 × 0.5 × 3回 = 15,000円
このLTVは、あなたのビジネスが健全かどうか、この先も続けられるかどうかを見るうえで、とても大切な数字です。
利益を増やす道は2つしかない
ビジネスの利益を増やす方法は、突き詰めると2つしかありません。
- お客様の数を増やす
- LTVを高める
多くの方は、1つ目の「お客様の数を増やす」ことに力を注ぎます。集客を頑張る、広告を出す、発信の量を増やす。どれも大切なことです。
ただ、お客様の数だけを増やそうとすると、集客の手を止めた瞬間に売上も止まります。常に新しいお客様を探し続けなければならず、いつまでも忙しいままです。
2つ目の「LTVを高める」は、お客様一人ひとりとの関係を深め、長く選んでもらうことです。こちらに目を向けると、同じ集客の量でも、得られる利益が変わってきます。
LTVが変わると、必要なお客様の数が変わる
なぜLTVが大切なのか。数字で考えてみます。
たとえば、利益の目標が「月100万円」だとします。
| お客様一人のLTV | 目標に必要なお客様の数 | |
|---|---|---|
| ケースA | 1万円 | 100万円 ÷ 1万円 = 100人 |
| ケースB | 10万円 | 100万円 ÷ 10万円 = 10人 |
ケースAでは、毎月100人の新しいお客様が必要です。ケースBなら、10人で目標に届きます。
100人のお客様を毎月集め続けるのと、10人のお客様に大きな価値を感じてもらい、長く付き合ってもらうのと。個人ビジネスにとって、どちらが現実的でしょうか。多くの場合、後者です。
LTVを高めると、集客に追われる状態から離れて、少ない人数でも目標に届く形を作れます。 少ない人数から売上を作る進め方は、集客3名でも売上は作れる理由で解説しています。
LTVを高める3つの方向
計算式をもう一度見てください。LTVは、購入単価・利益率・購入回数のかけ算です。つまり、単価か回数(あるいは利益率)を上げれば、LTVは高まります。
そのための方向は、大きく3つあります。
方向1:ステップメールを長くして、関係を深める
最初の商品を案内したら終わり、ではなく、そのあとも役に立つ情報を届け続けます。関係が続いていると、次の商品を案内したときにも、話を聞いてもらいやすくなります。購入回数を増やすための土台です。
長くするといっても、同じ話を繰り返すわけではありません。最初の商品を使ったあとに出てくる疑問に答える、次の段階で必要になる考え方を先に伝える、といった形で、お客様の進み具合に合わせた内容を届けます。
方向2:バックエンド商品を用意する
最初の手ごろな商品のあとに、より深く支援する上位の商品(バックエンド商品)を用意します。購入の回数と単価の両方を上げる方法です。
大切なのは、最初の商品とバックエンド商品がつながっていることです。最初の商品で一歩進んだお客様が、「次はここを手伝ってほしい」と感じる場所に、バックエンド商品を置きます。つながりのない商品を並べても、お客様は次に進む理由を見つけられません。
方向3:リストを分けて、相手に合った提案をする
買った人と買っていない人、何を買った人なのかでリストを分け、それぞれに合った提案をします。一人ひとりの状況に合った提案は、受け取ってもらいやすくなります。
反対に、すでに買ってくれた人に、同じ商品の案内が何度も届くと、「自分のことを見てくれていない」と感じさせてしまいます。リストを分けることは、売上のためだけでなく、お客様に失礼のない案内をするためにも役立ちます。
このほか、関連する商品を一緒に提案するクロスセルや、一段上の選択肢を用意するアップセルもあります。LTVを高める具体的な方法は、ビジネスモデルを拡大する4つの方法で解説しています。
LTVを見るときに気をつけたいこと
LTVを高めるというと、「一人のお客様から、できるだけ多くお金をもらうこと」と受け取られることがあります。でも、それは違います。
LTVが高まるのは、お客様が「この人からまた買いたい」と思ってくれた結果です。無理に高い商品を勧めたり、必要のない商品を売り続けたりすれば、一時的に数字は上がっても、お客様は離れていきます。LTVは、お客様の満足が積み重なった結果として上がる数字です。
もう一つ、最初のうちはLTVを正確に計算できなくてもかまいません。お客様の数が少ないうちは、平均の購入回数もはっきりしないからです。まずは次の3つを記録しておくところから始めてください。
- 一人のお客様が、何回買ってくれたか
- 合計で、いくら買ってくれたか
- 最初に買ったのは、どの商品か
これだけでも、どの商品から入ったお客様が長く付き合ってくれているのかが、少しずつ見えてきます。
LTVを高めようとしてよくある失敗
最後に、つまずきやすいところを整理しておきます。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 集客の数だけを見て、一人ひとりとの関係を見ていない | 利益の道は「数」と「LTV」の2つあると考える |
| 一人から多く売ることをLTVだと考える | お客様の満足が積み重なった結果として考える |
| 商品が1つしかない | 最初の商品のあとに進める上位の商品を用意する |
| 買った人にも、買っていない人と同じメールを送る | リストを分けて、それぞれに合った提案をする |
| 数字を記録していない | 回数・合計金額・最初の商品の3つを記録する |
LTVを高める方法はいくつもあります。全体を1枚の地図のように見渡して、自分がどこまでできているかを確かめたいときは、LTVを高める5つの戦略の点検リストを使ってみてください。
まとめ
- LTV(顧客生涯価値)は、お客様一人が長い付き合いの中でもたらしてくれる利益の合計
- 計算式は「平均の購入単価 × 利益率 × 平均の購入回数」
- 利益を増やす道は「お客様の数を増やす」と「LTVを高める」の2つ
- LTVが高まると、同じ利益の目標に必要なお客様の数が少なくて済む
- LTVを高める方向は、関係を深める・上位の商品を用意する・リストを分けて提案するの3つ。満足の結果として上がる数字だと考える
まずは、これまでのお客様について「何回、いくら買ってくれたか」を書き出してみてください。そこから、あなたのビジネスのLTVが見えてきます。
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