AIを使って講座を作った。スライドもそろった。台本も教材もできた。それなのに、申し込みが来ない。そんな状態になっていませんか?
結論から言うと、売れない原因は中身の出来ではありません。作る順番です。中身から作るのではなく、「誰の、どんな悩みを、どう変えるか」を先に決めて、中身は最後に作ります。
AIのおかげで、講座の中身は驚くほど速く作れるようになりました。ただ、速く作れるようになったぶん、順番を間違えたまま最後まで進んでしまう人が増えています。この記事では、講座を作る正しい順番と、なぜその順番なのかをお話しします。動画でも同じ内容を解説しています。
AIで作った講座が売れない原因は「作る順番」です
AIで作った講座が売れないとき、多くの方は中身を疑います。スライドのデザインが弱いのではないか。台本の説明が足りないのではないか。そう考えて、中身を作り直します。
でも、中身をどれだけ磨いても、申し込みはなかなか増えません。原因が中身ではなく、その手前にあるからです。
中身から作ると起きる3つのこと
中身から作り始めると、次の3つが起きます。
| 起きること | 相手から見ると |
|---|---|
| 誰向けの講座なのか伝わらない | 「自分に関係のある話かどうか」が分からず、読み飛ばされる |
| ほかの講座と区別がつかない | 似た講座が並んだとき、選ぶ理由が見つからない |
| この値段である理由が言えない | 何がどう変わるのかが分からないので、高いか安いかも判断できない |
どれも、中身の出来とは関係がありません。誰に向けて、何を変える講座なのかが決まっていないから起きることです。だから、中身をいくら直しても消えません。
AIで速く作れるからこそ、順番を間違える
なぜ順番を間違えるのか。理由はシンプルで、AIで速く作れるからです。
以前なら、講座の中身を作るには時間がかかりました。時間がかかるぶん、作りながら「これは誰に向けた話だろう」と考える場面がありました。今は、AIに頼めば目次もスライドも台本も、すぐに出てきます。作れてしまうので、誰に向けるかを決めないまま先に進んでしまいます。
気づいたときには、中身が先に出来上がっている。これが、AIで講座を作るときにいちばん起きやすい失敗です。
AIは「誰にでも当てはまる中身」を作るのが得意
もう1つ、知っておいてほしいことがあります。AIは、誰にでも当てはまる中身を作るのが得意です。
相手を決めずに「〇〇の講座を作って」と頼むと、AIは多くの人に当てはまりそうな、平均的な中身を返してきます。間違ってはいないし、読みやすい。でも、誰の心にも刺さりません。読んだ人が「これは自分のための講座だ」と感じる理由が、どこにもないからです。
AIが悪いわけではありません。相手が決まっていないので、AIは平均で埋めるしかないのです。
正しい順番は「誰に→どんな悩みを→どう変える→中身」
では、どの順番で作ればいいのか。私がおすすめしているのは、次の順番です。
- 誰に届けるかを決める
- その人のどんな悩みを解決するかを決める
- その悩みをどう変えるかを決める
- 最後に、中身を作る
最初の3つを決めてから、最後に中身を作ります。1つずつ見ていきます。
誰に:一番救いたい「ひとり」を決める
1つめは「誰に」です。ここでは、大勢を相手にしません。あなたが一番救いたいひとりを決めます。
「たくさんの人に届けたいのに、ひとりに絞ったら売れなくなるのでは」と心配になるかもしれません。でも実際は逆です。ひとりに向けて作った講座のほうが、言葉がはっきりして、よく届きます。そして、そのひとりと似た悩みを持つ人にも「自分のことだ」と伝わります。結果として、多くの人に届くのです。
相手の決め方は、WHO設計の11項目と選び方の5基準で、項目ごとに整理しています。
どんな悩みを:相手が使っている言葉で書く
2つめは「どんな悩みを」です。ここで大事なのは、あなたの言葉ではなく、相手が普段使っている言葉で書くことです。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| あなたの言葉(専門用語) | たとえば「姿勢の改善」「集客導線の構築」 |
| 相手の言葉(普段の言い方) | たとえば「朝起きると腰が重い」「投稿しても誰からも反応がない」 |
専門家ほど、悩みを専門用語でまとめてしまいがちです。正しい言葉ではあっても、相手はその言葉で自分の悩みを考えていません。相手が普段の言い方で読んだときに「これ、自分のことだ」と気づける。そのための書き方です。
相手の言葉の集め方は、見込み客が普段使う言葉に言い換える方法で詳しく書いています。
どう変える:相手が自分で確かめられる変化にする
3つめは「どう変える」です。ここでは、確かめようのない言葉を使いません。
たとえば「健康になる」は、どこまでいけば健康になったのか、相手には分かりません。これを「朝のつらさが軽くなる」と書くと、相手は自分の朝を思い浮かべて、変わったかどうかを自分で確かめられます。
変化を確かめられる形で書いておくと、講座の中身も決めやすくなります。「朝のつらさを軽くする」ために必要なことだけを入れればいいからです。逆に、変化がぼんやりしていると、入れるべき中身もぼんやりして、あれもこれもと増えていきます。
3つを1文にしたものが「コンセプト」
最後に、この3つを1文につなげます。
「誰の、どんな悩みを、どう変えるか」
この1文が、講座のコンセプトです。たとえば「デスクワークで腰がつらい会社員の、朝起きると腰が重いという悩みを、朝のつらさが軽くなる状態に変える」のような形です。きれいな文でなくて構いません。3つの部分がそろっていることが大事です。
この1文は、作っている途中で迷ったときに戻る場所になります。この話は入れるべきか。このワークは必要か。迷ったら、コンセプトの1文に照らして決めます。
コンセプトを決めるときのAIの使い方
ここまで読むと、「AIは使わないほうがいいのか」と思われるかもしれません。そうではありません。AIの使い方を変えるだけです。
AIに決めさせず、候補を出してもらって自分で選ぶ
コンセプトづくりでのAIの役割は、決めることではありません。候補を出してもらうことです。
たとえば、「この相手が普段口にしそうな悩みの言い方を、いくつか出してください」「この悩みが変わったとき、本人が気づけそうな変化の書き方を、いくつか出してください」と頼みます。AIは候補を出すのがとても速いので、自分ひとりでは思いつかない言い方にも出会えます。
そのうえで、選ぶのはあなたです。相手のことを知っているのは、AIではなくあなただからです。候補の中から「あの人なら、こう言うな」と思えるものを選び、必要なら自分の言葉で直します。
| AIに任せる | 自分でやる |
|---|---|
| 悩みの言い方の候補を出す | どの言い方が相手に近いかを選ぶ |
| 変化の書き方の候補を出す | 相手が本当に確かめられるかを判断する |
| 1文の形に整える | 一番救いたいひとりを決める |
中身を作る前に、相手に聞く
もう1つ大事なことがあります。中身を作る前に、相手に聞くことです。
コンセプトの1文ができたら、決めた相手に近い人に、本当に困っていることを聞いてみてください。自分で考えた悩みと、相手が実際に口にする悩みは、ずれていることがよくあります。
作ってから聞くと、ずれていたときに直すのが大変です。作る前に聞けば、直すのは1文だけで済みます。聞き方の手順は、作り込む前に見込み客の本音を聞く3つの手順にまとめています。
コンセプトのあとで、商品の並びを作る
コンセプトが決まったら、次は商品の並びを作ります。中身に入るのは、そのあとです。
サポート期間・サービス内容・保証で3つのプランに分ける
私がおすすめしているのは、3つのプランを用意する方法です。分けるときの軸は、次の3つです。
| 分ける軸 | 何を変えるか |
|---|---|
| サポート期間 | どのくらいの期間、伴走するか |
| サービス内容 | たとえば、動画だけか、個別のサポートまでつくか |
| 保証 | 成果に向けて、どこまで約束するか |
この3つで分けると、プランごとの違いが相手に伝わりやすくなります。「自分にはこのくらいのサポートが必要だから、このプラン」と、相手が自分で選ぶ理由を見つけられるからです。
ここでもコンセプトが先に決まっていることが効いてきます。相手と悩みと変化が決まっていれば、「その変化までたどり着くには、どのくらいの期間とサポートが要るか」から逆算してプランを組めます。プランの見せ方は、選ばれるオファー一覧表の作り方で詳しく書いています。
中身は最後。ここでAIが一番役に立つ
そして、中身は最後です。ここまで決まっていれば、AIは一番役に立ちます。
相手と悩みと変化が、もう決まっているからです。AIに頼むときも、「この相手の、この悩みを、この変化に向けて」と伝えられます。すると、スライドも台本も的を外さなくなります。誰にでも当てはまる平均的な中身ではなく、決めた相手に向けた中身が返ってきます。
同じAIでも、渡す情報が変われば、返ってくるものが変わります。順番を守るのは、AIの力を一番引き出すためでもあります。
すでに中身を作ってしまった人へ
ここまで読んで、「もう中身を作ってしまった」と思った方もいると思います。安心してください。作り直す必要はありません。
作り直さず、コンセプトに合わせて直す
やることは、次の順番です。
- 今の講座とは切り離して、コンセプトの1文を先に決める
- 作った中身を1つずつ見て、コンセプトに合っているかを確かめる
- 合っていない部分は、削るか、相手の言葉に書き直す
- 足りない部分があれば、そこだけAIに手伝ってもらって足す
作った中身は、無駄にはなりません。コンセプトに合わせて直せば、そのまま生かせるものが多いはずです。むしろ、手元に中身があるぶん、ゼロから作るより早く仕上がります。
1文が書けないところが、次に決めるところ
コンセプトの1文を書こうとして、手が止まることもあると思います。「誰に」は書けたけれど、「どう変える」が書けない。そんなときは、書けないところこそが、次に決めるところです。
書けないまま中身に進むと、また同じことが起きます。書けない部分を、AIに候補を出してもらいながら埋めていく。それでも決めきれなければ、相手に近い人に聞いてみる。この順番で進めれば、1文は少しずつ形になっていきます。商品づくりの全体の流れは、商品づくりの完全ガイドにまとめています。
まとめ
- AIで作った講座が売れない原因は、中身の出来ではなく作る順番にある
- 正しい順番は、誰に → どんな悩みを → どう変える → 中身
- 3つを1文にしたものがコンセプト。迷ったらこの1文に戻る
- AIには決めさせず、候補を出してもらって自分で選ぶ。作る前に相手に聞く
- 中身は最後。相手と悩みと変化が決まっていれば、AIが一番役に立つ
今日やっていただきたいことは1つだけです。「誰の、どんな悩みを、どう変えるか」を1文で書いてみてください。うまく書けないところが、次に決めるところです。



