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講座が売れない原因は、中身ではなく順番です|決める・確かめる・作る・直す・届けるの5段階

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教えられることはあるはずなのに、何を講座にすればいいか決めきれない。資料や動画を作り込んでいるうちに、気づけば数か月が過ぎている。ようやく案内を出したら、申し込みがほとんど来なかった。

こうなると、多くの方は「中身がまだ足りないのかもしれない」と考えて、作り直しを始めます。ところが、作り直しても結果はあまり変わりません。

結論から言うと、講座が売れない原因は、中身の質ではなく作る順番です。「誰に売るか」と「本当に欲しい人がいるか」を確かめる前に作り始めてしまうと、どれだけ丁寧に作っても、誰にも求められていない講座ができあがります。

私自身、独立したばかりのころは、何を発信すればいいか分からず、ブログやSNSを書き続け、無料相談もしていました。それでも成約にはつながりませんでした。当時いちばん欲しかったのは、才能でも根気でもなく「これを、この順番でやればいい」という手順です。

この記事では、講座づくりでつまずく人がたどる共通の流れと、私が「正しい順番」と呼んでいる5段階の全体像、そしてAIを使うときに気をつけたいことをお伝えします。

3か月かけて作った講座が売れない、よくある流れ

講座づくりでつまずく人には、驚くほど似た流れがあります。

  1. 「自分の経験を講座にしよう」と決めて、まず教える内容を書き出す
  2. 話したいことが次々に出てきて、全10回、20回と回数が増えていく
  3. スライドと動画を作り込み、気づけば3か月が過ぎている
  4. 完成してから「誰に売ろう」と考え、SNSで告知する
  5. 申し込みがほとんど来ず、中身を作り直し始める

一番つらいのは5番目です。売れない理由を中身のせいだと思い込み、さらに時間をかけてしまいます。

3か月の落とし穴

この流れには、3つの落とし穴が隠れています。

落とし穴 何が起きるか
中身から作り始める 教えたいことから書き出すので、受講生が欲しいものとずれやすい
完璧になるまで出さない 誰の反応も聞かないまま作り込むので、ずれに気づくのが最後になる
誰に売るかを後で考える 完成してから相手を探すので、案内の言葉が決まらない

たとえば、事務の仕事をAIで早く終わらせる方法を教えたい人がいたとします。メール、議事録、資料作り、表計算、予定の管理と、話せることはいくらでもあります。思いつくまま並べれば、全12回の講座にもなりそうです。

ただ、12回分のスライドと動画を作る間、その講座は誰にも見せていません。完成してから考えると、相手が新人なのか管理職なのかも決まっていない。案内の文章が書けないのは当然です。

3つとも、手を抜いた結果ではありません。まじめに作り込んだ結果として起きます。だからこそ、気合いではなく順番で防ぐ必要があります。

「作ってから売る」と「売れる形を決めてから作る」

講座の作り方は、大きく2つに分かれます。

作ってから売る 売れる形を決めてから作る
最初にやること 教える内容を書き出す 誰の何を解決するかを1文にする
売り始める時期 全部できあがってから 目次と価格ができた時点
需要が分かる時期 完成した後 作り始める前
外れたときの損 作った数か月分 募集文を書いた数日分
中身の決め方 自分が話したいこと 受講生がつまずくところ

「中身がないのに売っていいのか」と不安になる方もいます。ここで売るのは完成品ではありません。「こういう講座をこの価格で作ります。最初の受講生になりませんか」というモニターの募集です。

相手は目次と価格を見れば、「欲しい」「今は要らない」を判断できます。反応があれば作る。なければ、作る前に講座の中心の1文を直す。外れても失うのは数日分で済みます。

しかも、中身の質はこちらの作り方のほうが上がります。最初の受講生が実際につまずいた場所を見ながら直せるからです。自分の頭の中だけで「分かりやすいはず」と作り込むより、ずっと確かです。

作る前に見込み客の声を聞く手順は、作る前に見込み客の本音を聞く3つの手順でも詳しく書いています。

正しい順番の5段階(決める・確かめる・作る・直す・届ける)

では、どの順番で進めればいいのか。私は講座づくりを次の5段階に分けています。

段階 やること 要になる考え方
1 決める 知識と経験を棚卸しし、誰の何を解決するかを1文にする コンセプトの1文と5つのチェック
2 確かめる 目次と価格だけでモニターを募る 3人集まったら作る「3人ルール」
3 作る カリキュラム、1回分の講義、台本とスライド、動画 1回=1つの完成品、終われる講座
4 直す モニターのつまずきを記録して直し、正規の価格にする つまずきの記録
5 届ける 少人数でも、必要な人にだけ提案する 売り込まずに売れる流れ

ポイントは、「作る」が3番目にあることです。最初の1週間でやるのは、スライド作りではありません。誰に何を約束するかを決め、それを見込み客に見せることです。

5段階は、3つの落とし穴と対になっている

この順番は、先ほどの落とし穴をそれぞれ防ぐように並んでいます。

  • 「誰に売るかを後で考える」は、最初の「決める」で防ぐ
  • 「完璧になるまで出さない」は、作る前の「確かめる」で防ぐ
  • 「中身から作り始める」は、決めて確かめてから「作る」ことで防ぐ

センスや運に頼らず、同じ手順をなぞれば同じところまでたどり着けます。2本目の講座も、同じ順番で回せます。これが、私がこの5段階を大事にしている理由で、再現性のある講座づくりの土台になります。

2段階目の「確かめる」のやり方は、同じシリーズの3人集まったら作る「3人ルール」とモニター受講の直し方で詳しく解説しています。

最初の「決める」は、1文と5つのチェックで終わらせる

5段階の中で、いちばん飛ばされやすいのが「決める」です。ここが決まらないまま進むと、募集文もカリキュラムも書けません。

材料は、当たり前すぎて見えていないだけ

「教えられることがない」と言う方ほど、実は材料を持っています。何年も続けてきたことは、自分には普通のことになるからです。棚卸しでは、次の3つを書き出します。

  1. よく頼まれること、聞かれること
  2. 乗り越えてきたこと(前はどうで、今はどうなったか)
  3. 時間やお金をかけて続けてきたこと

うまくいった話だけでなく、遠回りや失敗も材料になります。同じところでつまずいている人には、どこで迷うかを知っている人の手順が役に立つからです。答えるときは「人に教えるのが好き」のような気持ちの言葉ではなく、「後輩に業務の手順を教えてきた」のように、やってきた事実で書いてください。

書き出したら、自分の言葉を「お客様の悩みの言葉」に言い換えます。「議事録をAIで要約する方法」は教える側の言葉です。困っている人は「会議のあと、まとめ直すだけで1時間かかる」と言います。

コンセプトの1文の型

材料が絞れたら、講座の中心になる1文を作ります。型は次のとおりです。

〔誰に〕が、〔期間〕で、〔道筋と届け方〕によって、〔約束する成果〕をし、〔目指す成果〕を目指す講座

ここでの工夫は、成果を2つに分けることです。期間内に自分が責任を持って達成させられることを「約束する成果」にし、その先にある本当に欲しい変化を「目指す成果」に置きます。約束は小さくてかまいません。達成できたかどうかを、はっきり確かめられることが大切です。

5つのチェックで磨く

1文が書けたら、次の5つで確かめます。

  1. それは私です:読んだ人が、自分のことだと手を上げられるか
  2. 目に見える:約束する成果が、行動や状態で分かるか
  3. 保証文が書ける:「期間までに約束する成果を達成できなかったら返金します」と書けるか
  4. お金を払ってでも欲しい:今すぐ解決したい悩みにつながっているか
  5. 責任を持てる:今の自分の時間とスキルで、本当に届けられるか

3つ目は、実際に返金の保証を付けるかどうかとは別の話です。書けるかどうかを試すだけです。「AIを使えるようになる講座」では、使えるようになったかどうかを確かめられないので、保証文が書けません。「自分の業務3つで、作業が早く終わるAIの手順をそろえる」なら書けます。

AIの採点が通っても、最後はお客様に近い人に1文を見せて感想をもらいます。家族や親しい友人だけに聞くと、優しい答えしか返ってこないので気をつけてください。

AIで速くなったのは「作る」だけ

今はChatGPT・Claude・Geminiのようなチャットで使えるAIがあり、台本の下書きもスライドの構成も、数分で形になります。講座を「作る」時間は、確かに大きく縮みました。

ただし、変わらないこともあります。

変わったこと 変わらないこと
台本・スライド・ワークシートの下書きが速くなった 誰の何を解決するかを決めるのは自分
言い換えや書き起こしを任せられる 本当に欲しい人がいるかを確かめるのは見込み客の反応
案をたくさん出してもらえる 約束した成果に責任を持つのは講師

AIに「この講座は売れますか」と聞けば、もっともらしい意見が返ってきます。けれども、お金を払うかどうかを決めるのは、AIではなく目の前の見込み客です。

AIで、落とし穴はかえって深くなった

もう1つ気をつけたいのは、作るのが楽になった分、3か月の落とし穴が深くなったことです。頼めば全20回のカリキュラムも、それらしい台本もすぐに出てきます。

作れる量が増えると、入れたい話をどんどん足したくなります。しかし回数の多い講座ほど、受講生は途中で止まります。目指すのは、受講生が最後までたどり着ける「終われる講座」です。

順番を守らずにAIを使うと、売れない講座が速くできあがるだけです。順番を守って使えば、決めて確かめた講座を短い時間で形にできます。AIを相棒にして台本・スライド・動画を作る流れは、AIを相棒に台本・スライド・顔を出さない講義動画を作る流れで解説しています。

今どの段階で止まっているかを確かめる

最後に、今の自分の状態を5段階に当てはめてみてください。

  • 講座の1文がまだない → 「決める」に戻る
  • 1文はあるが、誰にも見せていない → 「確かめる」に進む
  • 申し込みがあったのに、全部作るまで始められない → 「作る」を1回分ずつに分ける
  • 受講生の反応を聞いていない → 「直す」の記録から始める
  • 直した講座があるのに、案内していない → 「届ける」に進む

止まっている場所が分かれば、次にやることは1つに絞れます。

まとめ

  • 講座が売れない原因は、中身の質ではなく作る順番
  • 3か月の落とし穴は「中身から作る」「完璧まで出さない」「誰に売るかを後で考える」の3つ
  • 正しい順番は、決める・確かめる・作る・直す・届けるの5段階。作るのは3番目
  • 「決める」はコンセプトの1文と5つのチェックで終わらせる。成果は約束と目指すものに分ける
  • AIで速くなったのは「作る」だけ。決めることと確かめることは人に聞いて決める

次の一歩として、あなたの講座を「〔誰に〕が、〔期間〕で、〔道筋と届け方〕によって、〔約束する成果〕をし、〔目指す成果〕を目指す講座」の型に1回当てはめてみてください。空欄が残ったところが、今決めるべきところです。