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会員が辞めるのは、自分がどこにいるか分からないからです|段階・到達点・やることで作る「成長の道筋」の作り方

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会員制を始めて、中身もそれなりにそろえた。それなのに、入会した人がしばらくすると静かに辞めていく。理由を聞いても「忙しくなって」「また落ち着いたら」と返ってくるだけで、何を直せばいいのか分からない。

そんなとき、会員の頭の中では、こんな声が鳴っていることが多いです。「自分は今どのあたりにいるんだろう」「この先、何をすればいいんだろう」「入ったころから、少しは進んだんだろうか」。

結論から言うと、会員が辞める大きな理由の一つは、自分の現在地が分からないことです。だから会員制には、今の状態からなりたい状態までの道のりを見える形にした「成長の道筋」が必要です。 道筋があれば、会員は自分の位置と次の一歩が分かり、前に進んでいる実感を持てます。

この記事では、成長の道筋を作る3つの部品、作り方の4ステップ、段階の名前のつけ方、そして道筋が会員制のほかの部分にどうつながるかを解説します。

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進んでいる実感が、継続を生む

会員が来月も払い続けたいと思うのは、どんなときでしょうか。

中身が多いからではありません。主催者が有名だからでもありません。「この会員制にいると、自分は少しずつ前に進んでいる」と感じられるときです。反対に、どれだけ良い中身がそろっていても、自分が進んでいるのか分からなければ、払う理由は少しずつ薄れていきます。

ここで問題になるのが、進み具合は本人には見えにくい、ということです。毎日少しずつ取り組んでいる人ほど、自分の変化に気づきません。入会したころの自分と比べる物差しがないからです。

成長の道筋は、この物差しの役割を果たします。今の状態となりたい状態を両端に置き、その間をいくつかの段階に分けて、「ここまで来たら次へ」という目印を置く。そうすると会員は、次の3つを自分で確かめられるようになります。

  1. 自分は今、どの段階にいるのか
  2. 次の段階に進むには、何をすればいいのか
  3. 入会したときから、どれだけ進んだのか

中身が多すぎて会員が圧倒される問題は、サブスクが解約される本当の理由で書きました。成長の道筋は、その解決の中心になる考え方です。

成長の道筋は3つの部品でできている

成長の道筋は、次の3つの部品で組み立てます。

部品 中身 会員にとっての役割
段階 今の状態からなりたい状態までを、大きく区切ったまとまり 全体のどのあたりにいるかが分かる
到達点 段階の中に置く、はい・いいえで答えられる確認の問い 自分がそこを越えたかどうかを、自分で確かめられる
次にやること 到達点で「いいえ」だった人が取り組む、具体的な行動 今日、何をすればいいかが分かる

到達点と次にやることは、一つずつ対になっています。到達点の問いに「はい」と答えられる人は、そこはもう越えているので先へ進みます。「いいえ」の人は、対になっている次にやることに取り組みます。

この仕組みのよいところは、会員ごとに出発点が違っても使えることです。会員制には、すでにある程度できる人も、まったくの初めての人も入ってきます。到達点の問いで自分の位置を確かめられるので、できることを繰り返す退屈も、いきなり難しいことを求められる不安も減らせます。

成長の道筋を作る4つのステップ

ここからは、作り方です。たとえば、家計の管理が苦手な人に向けて会員制を作る人がいたとします。この例に当てはめながら、4つのステップで進めます。

ステップ1:段階を3〜7つに分ける

まず、会員の今の状態と、なりたい状態を言葉にします。家計の例なら、今の状態は「毎月なんとなくお金が足りなくなるが、何に使っているのか分からない」、なりたい状態は「先の備えまで含めて、自分で家計を回せている」です。

その間を、会員が通る大きな変化ごとに区切ります。

  1. お金の流れを知る
  2. 毎月決まって出ていくお金を整える
  3. 予算を決めて暮らす
  4. 先の備えを作る

数は3〜7つにします。少なすぎると、会員制で得られる変化が小さく見えます。多すぎると、ゴールが遠く感じられて、入る前から気持ちがくじけます。段階どうしの中身が重ならないようにし、重なるものはまとめてください。

ステップ2:各段階にいる人の特徴を書く

次に、それぞれの段階の入口にいる人が、どんな状態なのかを書きます。考えていること、感じていること、普段していることです。

たとえば段階1の人なら、「給料日前になるといつも残りが心もとない。家計簿をつけようとしたことは何度かあるが、続いたことがない。自分はお金の管理に向いていないのだと、少しあきらめている」といった具合です。

表に出ている悩み(お金が足りない)だけでなく、その奥にある気持ち(向いていないとあきらめている)まで書くのがポイントです。会員はこの特徴を読んで「これは自分のことだ」と感じ、自分の出発点を見つけられます。主催者にとっても、各段階で何を手助けすればいいかがはっきりします。

特徴がうまく書けないときは、これまでにお客様から受けた質問や相談を見返してみてください。「何度やっても続かない」「通帳を見るのが怖い」といった、相手が実際に使った言葉をそのまま借りると、読んだ人が自分のことだと気づきやすい文章になります。

ステップ3:はい・いいえで答えられる到達点を置く

段階の中に、到達点の問いを置きます。家計の例なら、次のような問いです。

  • 先月、何にいくら使ったかを、項目ごとに答えられますか
  • 毎月決まって引き落とされているものを、すべて書き出しましたか
  • 今月使ってよいお金の上限を、月の初めに決めましたか

到達点を書くときは、3つのことに気をつけます。

  1. はい・いいえで答えられる形にする。 「家計の管理はできていますか」のように程度を聞く問いだと、人によって答えが変わってしまいます
  2. 解釈がぶれない言葉を使う。 「ちゃんと」「しっかり」のような言葉は、受け取る人によって基準が違います。何をしたら「はい」なのかが、誰が読んでも同じになるようにします
  3. 会員が知らない言葉を使わない。 専門用語で問いを書くと、それだけで会員は答えられなくなります

ステップ4:最初は簡単な「次にやること」を置く

最後に、到達点で「いいえ」だった人のための、次にやることを書きます。

  • 今週の買い物のレシートを、捨てずに一つの袋にまとめましょう
  • 通帳とカードの明細を見て、毎月引き落とされているものに印をつけましょう

次にやることは、具体的な行動の形で書きます。「家計を見直しましょう」では、何をすればいいのか分かりません。やったかどうかを本人も主催者も確かめられるくらい、はっきり書くのがコツです。

そして、最初の段階の次にやることは、できるだけ簡単にします。最初の一歩が重すぎると、会員は手をつけられず、「自分には無理だった」と感じて辞めてしまいます。小さな一歩でも、やり終えると勢いがつきます。その勢いが次の行動を後押しします。

段階には前向きな名前をつける

段階を分けたら、それぞれに名前をつけます。ここで大事なのは、前向きな名前にすることです。

誰でも、自分が「できない人の段階」にいるとは認めたくありません。段階1を「家計崩壊期」のように呼ぶと、たとえ当てはまっていても、会員は自分をそこに置きたくないと感じます。

おすすめは、その段階で「何に取り組んでいるか」を名前にすることです。

避けたい名前 前向きな名前
どんぶり勘定の段階 お金の流れを知る段階
浪費をやめる段階 毎月の支出を整える段階
貯金ゼロからの脱出 先の備えを作る段階

前向きな名前には、もう一つ良いことがあります。会員どうしの場で「今、支出を整える段階に入りました」と、気軽に言えるようになることです。自分の位置を口に出せると、同じ段階の人と励まし合ったり、先の段階の人に相談したりしやすくなります。

道筋は、中身・価格・募集にもつながる

成長の道筋は、会員の継続のためだけのものではありません。一度しっかり作っておくと、会員制のほかの部分を考えるときの土台になります。

つながる先 道筋がどう役立つか
土台の中身 段階ごとに、何を教えればいいかが決まる。各段階の最初に「この段階で何をするか」の全体像を置くと、会員が迷わない
価格の理由 入会するとどこまで進めるのかを示せるので、値段に納得してもらいやすい
募集の物語 どの段階からどの段階へ進んだ会員がいるかを、具体的に語れる
会員の支え 到達点を越えた人を祝う、つまずいている人に声をかける、といった関わりのきっかけになる

順番のある土台の中身があれば、会員は「今の自分には、この部分が必要だ」「ここはもう分かっているから飛ばしていい」と判断できます。毎月届ける中身との組み合わせ方は、会員制で毎月届ける中身の4つの形で解説しています。

値段の理由として道筋をどう見せるかは、月額・年額などの課金の形と、値段に納得してもらう考え方で、会員の変化を募集のときにどう語るかは、サブスクの募集で使う3種類の会員の物語で書いています。

なお、短い期間で届ける「小さな成果」と、継続して届ける「大きな成果」を分けて考える発想は、小さな成果と大きな成果を分けるWHAT設計とも共通しています。道筋のどこまでを入口で体験してもらい、どこからを会員制の中で支えるかを決めるときの参考になるはずです。

成長の道筋は、一度で完成させようとしなくて大丈夫です。まずは粗くても形にして、会員がどこでつまずくか、どの到達点で止まるかを見ながら、少しずつ直していきます。会員の動きを見て磨いた道筋ほど、ほかの会員制との違いになります。

まとめ

  • 会員が続けるのは、前に進んでいる実感があるとき。成長の道筋は、その実感を測る物差しになる
  • 道筋は「段階」「到達点(はい・いいえで答えられる問い)」「次にやること」の3つの部品で作る
  • 作り方は、段階を3〜7つに分ける→各段階の人の特徴を書く→到達点を置く→最初は簡単な次にやることを置く、の4ステップ
  • 段階には、取り組んでいることを表す前向きな名前をつける
  • 道筋は、土台の中身・価格の理由・募集の物語・会員の支えの土台にもなる

まずは紙を一枚用意して、左端に会員の今の状態を、右端になりたい状態を書いてみてください。その間に入る大きな変化を3つ書き出せたら、道筋の骨組みはもうできています。

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