好きなことがある。それを仕事にして生きていけたら、どんなに良いだろう。そう思いながらも、「私くらいの実力でお金をいただくなんて」「もっとすごい人がいるのに」とためらって、なかなか一歩を踏み出せない。そんな方は多いです。
「好きなことをビジネスにして成功できるほど、世の中は甘くない」と言われることもあります。たしかに、好きなことをしているだけで、自然にお金が入ってくるわけではありません。
でも、結論から言うと、好きなことを仕事にするのに、プロほどの実力は必要ありません。お客様の多くは、プロを目指す人ではなく、これから始めたい初心者だからです。 大切なのは、今の実力で役に立てる相手を決めて、その人に価値をきちんと伝えることです。
この記事では、アマチュアでも教えていい理由と、プロでも安くしか売れない原因、そして好きなことを収入に変えていくための4つの手順をお伝えします。
好きなことを仕事にしている人は、特別な人だけではない
以前、私のコンサル生から、うれしい報告が届いたことがあります。
その方は、インナーチャイルドカードを使ったリーディングとセラピーの活動を始めたばかりでした。報告には、その月に何名ものお客様から申し込みがあったこと、翌月の申し込みもすでに入っていること、LINEの配信の数が足りなくなって有料のプランに切り替えたことが書かれていました。無料のセッションを受けた方がリピーターになってくれたり、LINEから申し込みが来たりもしていたそうです。
成果の報告をもらうと、本当にうれしくなります。
当時、私のコンサル生の半分以上は、好きなことをビジネスにしている方でした。スピリチュアル、スポーツ、音楽、どんな分野でも、好きなことを仕事にすることはできます。野球やサッカー、テニスやゴルフ、ピアノやギターなど、初心者に教えられるくらいの実力があれば、それを仕事にする道はあります。
ちなみに私自身は、収入の仕組みを先に作って、お金のために必死に働かなくても好きなことに集中できる環境を手に入れたいタイプです。でも、好きなことに取り組んで、それでお金を得られるなら、それもとても良い選択だと思っています。
「私の実力でお金をいただくなんて」という思い込み
好きなことを仕事にしようとすると、多くの方が同じところで立ち止まります。
たとえば、プロの世界で活躍していた人が、それほど高くない金額でレッスンをしているのを見ると、「その人より実力も実績も下の自分が、同じ金額をもらうなんて」と感じてしまう。高すぎると言われないか、身の程知らずだと思われないかと不安になる。
でも、これはよくある思い込みです。
私の親戚の話をさせてください。彼女は、特に有名なわけでもない地元の大学に、一浪して入学しました。教育学部で、教師を目指していました。その彼女が、学生時代にアルバイトで中学生に数学や英語を教えていたのですが、時給は当時の一般的な相場より高い金額をもらっていました。
彼女が教えた中学生は成績がぐんぐん上がり、ご両親にも感謝されて、数年間ずっと家庭教師として指名され続けました。そして、その中学生は志望校に合格しました。
有名な大学の学生ではなくても、生徒は成績が上がり、ご両親は感謝し、彼女は相場より高い報酬を受け取った。誰も損をしていません。全員にとって良い関係です。
お客様の多くは「プロを目指す人」ではない
もちろん、少し教えるのが上手なくらいのアマチュアが、本気でプロを目指している人や、すでに高いレベルで活躍している人から高いお金をもらって指導するのは難しいかもしれません。
でも、そういう人の数は、実はとても少ないのです。
どんな分野でも、一番人数が多いのは、次のような人たちです。
- 「興味はあるけど、ほとんどやったことがない」
- 「始めてみたけど、独学ではよく分からずにうまくいかない」
こうした初心者に教えるのであれば、アマチュアの実力でも、教えられることはたくさんあります。むしろ、少し前まで同じところでつまずいていた人のほうが、初心者の気持ちが分かり、つまずく場所を先回りして教えられることもあります。
自分の今の実力で、自分の指導に価値を感じてくれる相手に向けて仕事をすればいいのです。誰に向けて届けるのかの決め方は、ターゲットを決めるWHO設計の11項目で詳しく解説しています。
プロでも安くしか売れない3つの理由
では、プロとして活躍していた人が、なぜそれほど高くない金額でレッスンをしていることがあるのでしょうか。知識やノウハウの価値が低いからではありません。多くの場合、原因は次の3つです。
- 価値をきちんと伝える努力をしていない
- 価値を伝える方法を知らない
- 「安くしないと売れない」と思い込んでいる
つまり、金額を決めているのは実力の高さそのものではなく、価値が伝わっているかどうかです。
これは、あなたにとっても同じことです。すごい実力や実績がなくても、自分のサービスで相手にどんな変化が起きるのかをきちんと伝えれば、喜んで申し込んでもらえるようになります。これは個人レッスンに限った話ではなく、講座やセッション、コンサルティングでも同じです。
「自分には売れるものがない」と感じている方は、まず自分の経験や知識を書き出してみてください。書き出し方は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸し7項目でまとめています。
好きなことを収入に変える4つの手順
では、実際に好きなことを仕事にしていくには、どう進めればいいのでしょうか。私は次の4つの手順をおすすめしています。
| 手順 | やること |
|---|---|
| 1. 教えられる相手を決める | 自分より少し後ろを歩いている人は誰かを考える |
| 2. 相手に起きる変化を言葉にする | 自分のサービスで、相手がどう変わるのかを書く |
| 3. 価値を伝える場所を作る | ブログやSNSで、その変化を伝える発信を始める |
| 4. サービスの種類をそろえる | 気軽に試せるものから、深く関われるものまで用意する |
手順1と2:相手と変化を決める
最初に考えるのは、「誰に」「どんな変化を」届けるのかです。たとえば、「ギターを買ったけど、コードが押さえられずに挫折しかけている人が、好きな曲を1曲弾けるようになる」のように、相手と変化を1文で書いてみます。
この1文が書けると、あなたのサービスの価値が、自分にも相手にも見えるようになります。
手順3:価値を伝える場所を作る
次に、その変化を伝える発信を始めます。好きなことの魅力や、初心者がつまずきやすいところ、それを越えるコツなどを発信していくと、同じ悩みを持つ人に見つけてもらえるようになります。好きなことで発信を始める全体像は、好きなことをビジネスにする方法で解説しています。
手順4:サービスの種類をそろえる
冒頭のコンサル生にも、私は今後のサービスの種類をどうそろえていくかをアドバイスしました。中身はその方に合わせたものですが、考え方としては、気軽に試せる短いセッションから、じっくり関わる継続のサービスまで、段階をつけて用意しておくと、お客様が自分に合ったものを選びやすくなります。
アドバイスを送ったあと、その方から返事が届きました。希望する部屋の家賃を調べてきたこと、生活費を考えると毎月これくらいは必要だと感じていること、足りなければ外に働きに出ることも考えていたけれど、やるべきことをやっていけば何とかなると希望が持てた、ということが書かれていました。
このように、必要な生活費から逆算して、どのサービスを何人に届ければいいかを考えておくと、目標が具体的になります。
好きなことを仕事にするときに知っておきたいこと
好きなことを仕事にするときは、良い面だけでなく、知っておきたいこともあります。
一つは、会社員に比べると、収入が不安定になりやすいことです。軌道に乗るまではほとんど収入がない時期もありますし、軌道に乗っても、月ごとの収入は上下することがあります。だからこそ、生活費の見通しを立て、サービスの種類をそろえて、収入の柱を少しずつ増やしていくことが大切です。
もう一つは、よくある失敗です。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| プロと比べて、自分には教える資格がないと考える | 自分より少し後ろを歩く人に向けて教える |
| 相手に起きる変化を言葉にしていない | 「誰が、どう変わるのか」を1文で書く |
| 安くしないと売れないと思い込む | 価値の伝え方を見直してから金額を決める |
| 生活費のための仕事に時間を使い切り、好きなことの活動ができない | 週に決まった時間だけでも、好きなことの発信にあてる |
最後の失敗は、とても多いものです。「好きなことを仕事にしたい」と言いながら、生活費を稼ぐための仕事に時間を使い切ってしまい、好きなことの活動がまったくできていない。これは本当にもったいないことです。
自分の時間を、会社の都合ではなく、自分で決めて使う。働く時間も場所も、付き合う人も自分で選び、好きなことに打ち込んだ結果がそのまま収入に反映される。そういう働き方を目指すなら、まずは週に少しでも、好きなことのための時間を確保するところから始めてください。
まとめ
- 好きなことを仕事にするのに、プロほどの実力は必要ない
- お客様の多くはプロを目指す人ではなく、これから始めたい初心者
- プロでも安くしか売れないのは、価値が伝わっていないことが原因のことが多い
- 手順は、教えられる相手を決める→相手の変化を言葉にする→価値を伝える場所を作る→サービスの種類をそろえる
- 収入が不安定になりやすいことも知ったうえで、生活費から逆算して準備する
まずは紙に、「私は、〇〇な人が、〇〇できるようになるお手伝いができます」という1文を書いてみてください。〇〇が埋まれば、それがあなたの好きなことを仕事にする出発点です。


