自由で豊かな人生を夢見てビジネスを始める人は多いし、最近は特に増加傾向のようですが、今回は夢を壊す話をしたいと思います。
ビジネス成功後の悩み
最近、起業している人と月に何度か顔を合わせる機会があります。
その中には自分のビジネスで成功していて、ある程度自動化もしているので簡単なメンテナンスをするだけで毎月100万円以上を稼いでいる人もいます。
彼は必死に働く必要がなくなり、目覚まし時計に叩き起こされることもなく、一般的なサラリーマンに比べれば使えるお金もたくさんあって、好きなことだけをして生きていける状況です。
多くの人はそんな状況を目指して、ビジネスに取り組んでいるのではないかと思います。
ところが、彼にとっては今の状態は幸せではないとのこと。
とりあえず、今は旅行をして暇つぶしをしたり、奥さんとのんびり過ごしているようですが、
何となく日々の生活に充実感がないらしいです。
自由になりすぎて何をしたらいいか分からないとのこと。
定年退職した後の老人が特に趣味を持たずに、何も情熱を注ぐものがなくなってしまい、テレビをぼうっと見てばかりで、周りの人よりも早いタイミングでボケてしまうケースがありますが、それに似た状況です。
暇な時間を持て余して、「人生について考えてしまう」と彼は言っていました。
何をすればいいか分からない
私のコンサル生でも何もない状態から始めて数ヶ月で月収50万円くらいを超えると、あまりの環境の変化についていけず、しばらくぼんやりしてしまう人がいます。
人によっては大きな借金を抱えている人もいるので、その借金を頑張って返したら、欲しかった車とか腕時計とかパソコンとか買ったりしますが、その後はそれほど欲しいものもなくなったりします。
そして、周りの友人たちは普通に就職して働いているので、気軽に遊びに誘うこともできない状況です。
毎日起きても何も予定がなくて、昼間から近所のお店に行って、ガラガラの店舗の中を歩いたり、観光地をうろついたりしています。
自分のビジネスで稼げるようになって、自動化もできて、暇な状態になってくると、自ら進んで忙しさの中に入って行かない限りはそれ以降の人生が全て夏休みになるようなものです。
人によっては、これは必ずしも素晴らしいことではないようです。
小学校や中学校の頃、夏休みは最初のうちは嬉しいですが、1ヶ月も休み続けるとだんだん退屈になる人もいます。
部活や習い事などを真剣にしている場合は退屈する暇はないかもしれないですが、学校が恋しくなった人もいるでしょう。
ビジネスの成功によって手に入る環境は、そんな学生時代の夏休み以上に夏休みです。
その自由度は学生時代とは比べ物にならない、究極の夏休みです。
宿題もありません。
受験もありません。
就活もありません。
バイトもありません。
○○しなさい、と指示する人もいません。
住む場所や移動の制限もありません。
いつまでたっても休みの終わりはありません。
自分から進んで予定を入れない限り、予定表はいつまでも空白のままです。
もちろん、仕事を頑張ってする必要もありません。
しかし、小さい頃の夏休みとは違って、周りには同じように夏休みを楽しんでいる友人は
ほとんどいません。
昔一緒だった同級生たちは、みんな違う生き方をしていて、みんな忙しそうです。
結婚して幸せな家庭を築いている人もいるし、仕事で成功して名誉や財産を築いている人もいるし、病気や事故で亡くなってしまった人もいるし、収入が足りなくて生活に困っている人もいます。
そんな人ばかりです。
すると何となく一人で暇になるので、色々と人生について考えてしまうというわけです。
遊んでいるだけで人生を過ごすして本当にいいのかな?とも感じるようですね。
ビジネス成功後の世界
ビジネスの成功後は、その先はある程度の範囲内であれば、どんな生き方でも選べるようになりますが、そこで何かを選ぼうとすると、無限に選択肢があることに気づきます。
無数に広がる可能性の中から何でも選択出来る状態。
何をしてもいいし、
何を買ってもいいし、
何になってもいいし、
どこで暮らしてもいいし・・・
そこで、何をするのがたった一度の人生で正解なのか?
ここで多くの人が自分の人生を見つめ直すことになります。
すでに情熱を注げるものがある人や、自分が考える幸せの形が明確な人は、それほど深く悩んだり、迷うことはないと思います。
環境の変化が突然起こっても、それまでの自分の常識が全く意味のないものに変わってしまう状況になっても、一時的な困惑はあるでしょうが、いずれは慣れていきます。
しかし、そういった夢や希望、理想とするものが明確でないと、それから先の人生をどのように過ごしていくのかを選べなくなります。
ご飯を食べて、暇を潰して、寝るだけの人生がやってくるでしょう。
成功した未来を想像しておこう
以前紹介しましたが、大卒1年目で毎月海外旅行を楽しむニートのコンサル生がいますが、その友人にもビジネスを教えています。
彼は大学を休学してビジネスに没頭していました。
それにより、学生起業して毎月50~100万円くらい稼いでますが、特に生きがいと呼べるものがなくて、自由すぎる生活が当たり前になってしまうと暇すぎて、楽しいことがないと言い出しました。
結局毎日、休学中の大学に遊びに行き、後輩たちとテニスをしています。
人は所属欲というものもあるので、あまりに自由になってしまうと何か束縛のある中に自ら入っていきたくなるのかもしれません。
自由になることを目的にするのはいいですが、自由過ぎる日常は心が強くないと耐えられ無い場合があります。
「孤独」という名の恐怖が来ることもあります。
あなたは自由で豊かになったら、本当は何をしたいのか、漠然とした答えでもいいので考えておくことをお勧めします。