「起業するなら、世界を変えるくらいの情熱や志が必要だ」。こういう言葉を聞いて、自分にはそんな大きな目標はないからと、一歩を踏み出せずにいる方がいます。
「お金を稼ぎたい」「家族を楽にしたい」という動機で始めるのは、なんだか恥ずかしい。そう感じてしまう方もいるかもしれません。
結論から言うと、起業のきっかけは何でもかまいません。世界を変える必要は、少なくとも今はまだありません。むしろ、最初から大きすぎる目標を掲げると、かえって動けなくなることがあります。
この記事では、大きな志がなくても起業していい理由と、小さく始めて段階的に広げていく3つの段階をお伝えします。
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週1回の活動で、安定した収入を作っているコーチの話
先日、あるビジネスの集まりの懇親会に参加しました。そこで、以前セミナーセールスの方法をお伝えしたコーチの方と再会しました。
その方は、今では月に30〜40万円ほどを安定して得るようになっていました。別の仕事もしながら、コーチとしての活動は週1回くらいだそうです。お礼にと、その日の懇親会の費用を出してくださいました。
この方がコーチを始めたきっかけは、副業で収入を増やしたかったことです。動機は「生活を楽にしたい」「もっとお金がほしい」でした。世界を変えたいと思って始めたわけではありません。
その方と話しながら、「世界を変える志がなければ起業すべきではない」という言葉を思い出しました。本当にそうなのでしょうか。
動機は「生活を楽にしたい」で十分
起業のきっかけとして、次のような思いを持つ人は多いはずです。
- お金に困らない生活がしたい
- 家族を幸せにしたい
- 自分の名前で仕事がしたい
- 人から認められたい
- 欲しいものを手に入れたい
こうした身近な望みのほうが、多くの場合、力も出ますし、長く続けやすいと私は考えています。自分ごとの望みなので、うまくいかないときも「なぜやっているのか」を見失いにくいからです。
私自身も、世界を変えたいと思って起業したわけではありません。今も、世界を変えようと大げさなことは考えていません。自分が自由になりたい、豊かになりたいと思って取り組んできただけです。自分の周りの人や、私を信じてついてきてくれる人が幸せになれば、それで十分だと思っています。
動機が「稼ぎたい」から始まっても、ビジネスとして人の役に立つことはできます。個人の動機と、ビジネスの目的の関係は、ビジネスの目的とは?で詳しく書いています。
いきなり大きな目標を掲げると、動けなくなる
反対に、最初から世界を変えようと考えてしまうと、すぐには行動できなくなります。
起業したことがなく、資金も人脈も知識もない状態から、世界を変えるほどのインパクトがある事業を考えて、いきなり成功させる。これは、とても難しいことです。できる人がいるとしても、ごく一部の特別なケースでしょう。
ゲームで言えば、レベル1のままいきなり最後のボスに挑むようなものです。
起業したことがない人が、突然すばらしいアイデアを思いつくことはめったにありません。思いついたとしても、実現する力がまだないので、次のどちらかになりやすいのです。
- すぐに壁にぶつかって、諦めてしまう
- 「まだ準備が足りない」と勉強や準備を続けて、始められないまま終わる
どちらも、その人に力がないからではありません。順番が逆になっているだけです。 大きな目標は、小さな経験を積んだあとのほうが、ずっと現実的な形で描けます。
小さく始めて、段階的に広げる3つの段階
では、どんな順番で進めればいいのか。私は、次の3つの段階で考えることをおすすめしています。
| 段階 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1. 小さく始める | 身近なテーマで、大きな危険を負わずに始める | 自分や家族の生活の不安が減る |
| 2. 基本を身につける | 集客・販売・商品づくりといった起業の基本を、実践しながら覚える | 事業に打ち込める時間と心の余裕ができる |
| 3. 広げる | 余裕ができてから、新しいアイデアや大きな事業に取り組む | 新しいことに使えるまとまったお金と経験がある |
段階1:小さく始める
まずは、身近なことで小さく始めます。借金をして店を構えたり、人を雇ったりする必要はありません。自分の知識や経験を活かした講座やサービス、あるいは他人の商品を紹介するところから始めることもできます。
大事なのは、失敗しても生活が立ち行かなくならない範囲で始めることです。小さく始める具体的な順番は、「リスクゼロで起業」の本当の意味で解説しています。
段階2:基本を身につける
小さく始めると、集客、販売、商品づくりといった起業の基本を、実践しながら覚えられます。この段階で身につけたことは、あとでどんな事業をするときにも使えます。
たとえば、次のようなことは、本を読むだけではなかなか身につきません。
- どんな言葉で案内すると、人が興味を持ってくれるのか
- お客様は、どんなところで申し込みをためらうのか
- 商品を届けたあと、どんな声が返ってくるのか
小さくても実際にお客様とやり取りをすると、こうしたことが一つずつ分かっていきます。うまくいかないことがあっても、規模が小さいので、直して試し直すことができます。この「試して、直す」をくり返した経験こそが、大きなことに挑むときの一番の土台になります。
別の仕事を続けながら、週に1回だけ活動する。そんな小さな形でも、この経験は十分に積めます。時間が限られているからこそ、何に力を入れるかを考えるようになり、それも大切な学びになります。
段階3:広げる
事業がある程度軌道に乗り、時間にも心にも余裕ができたら、そこで初めて大きなことを考えればいいのです。そのほうが、できることの幅はずっと広がっています。
このころには、最初は描けなかった目標が、自然と見えてくることもあります。お客様とやり取りを重ねるうちに、「この人たちのために、もっとこういうことをしたい」という思いが生まれる。大きな志は、最初から持っていなくても、途中で育っていくものだと私は考えています。
実際に私の周りでも、アフィリエイトや、仕入れて売るビジネスで資金を作って独立し、余裕ができてから規模の大きなビジネスに進んでいく人は多いです。世界を変えることを考えるのは、それからでも遅くありません。
動機が小さくても、届ける価値は本物にする
ここで一つだけ、大事なことがあります。動機は何でもいい。でも、お客様に届ける価値は本物でなければいけません。
私の知り合いに、プロのカメラマンとして活動している方がいます。もともとは、お金を稼ぐための副業として、中古のカメラを安く仕入れて売ることから始めた方です。そこからカメラの世界の魅力にはまり、プロとして撮影の仕事をするまでになりました。
好きなことなので、ビジネスやマーケティングも真剣に学び、新しいことに挑戦し続けています。人物の撮影も得意で、撮影してもらった人からとても感謝されています。趣味と仕事がうまく重なった、良い例だと思います。
人をだますような商売でない限り、最初の動機がお金でも、好きなことを追いかけるためでも、事業を軌道に乗せること自体が、お客様への価値の提供になります。動機の大きさより、目の前のお客様の役に立っているかどうか。そこだけは、ぶらさずにいてください。
まとめ
- 起業のきっかけは「生活を楽にしたい」「家族を幸せにしたい」でも十分
- 最初から世界を変えようとすると、壁にぶつかるか、準備ばかりで始められなくなりやすい
- 小さく始める → 基本を身につける → 余裕ができてから広げる、の3つの段階で進める
- 大きな目標は、経験を積んだあとのほうが現実的に描ける
- 動機は小さくてもいい。ただし、お客様に届ける価値は本物にする
まずは、あなたが起業したい理由を、飾らない言葉で1行書き出してみてください。それが、小さく始める一歩目の目印になります。
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