「起業したいけれど、アイデアが浮かばない」「自分にしかない商品なんて思いつかない」。こんな悩みで手が止まっている方は多いです。ブログに何を書けばいいか分からない、という悩みも、根っこは同じです。
こうした悩みを持つ方の多くは、「何か新しいことをしなければいけない」と思い込んでいます。世の中にまだないもの、誰もやっていないことでなければ、売れないと考えてしまうのです。
結論から言うと、早く成果を出したいなら、新しいことはしないほうがいいです。売れる商品は、新しさからではなく、既にあるものを少し変えることから生まれます。
この記事では、なぜ新しさが必要ないのか、そして既にある商品を変える5つの視点と、真似するときに気をつけたい境界線を解説します。
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この記事の続きとして、「誰の・どんな悩みを・どう変えるか」を、これまでの経験からAIと1文のコンセプトにまとめる方法を書きました。
腕があっても独立しない人、独学でも売れる人
私の知り合いに、独学でプログラミングを覚えて、便利なツールを作っては販売し、独立した方がいます。仮にIさんとしておきます。
一方で、私の会社員時代の後輩に、社内システムを作る部署で活躍していたOくんがいます。20年以上プログラミングを仕事にしていて、社内で使っているシステムやツールのほとんどは作れるそうです。技術だけで比べれば、おそらくIさんよりOくんのほうが上です。
先日、たまたまOくんに会ったとき、会社は相変わらず忙しく、大変そうでした。「独立すれば?」と聞くと、「とんでもない」という答えでした。理由はいくつかありましたが、その一つがこれです。
「ツールは何でも作れる。でも、どんなツールを作ればいいのか分からない」
会社から言われた仕様なら作れる。でも、自分で一から考えると、何を作ればいいのか想像がつかない。私はこう答えました。「売れているツールに似たものを作ればいいんじゃない?」
売れる商品に、新しさは必要ない
Iさんが販売していたツールの多くは、完全に新しいものではありませんでした。発売した時点で、似たようなツールはすでにいくつも出回っていたのです。
それでも売れたのは、既にあるツールの不便なところや不具合を、少しだけ直したからです。業界の中では特に珍しくない仕様でも、使う人にとっては「前より使いやすい」ことが価値になります。
ビジネスで大事なのは、新しさではなく、お客様にとっての価値です。 全く新しいものを生み出すのはとても難しく、失敗する危険も大きくなります。そもそも、世の中に似たものがないということは、欲しがる人がまだいない可能性もあります。
反対に、似た商品が売れているということは、それを欲しがる人がすでにいる証拠です。そこに、少し違う形で商品を出せばいいのです。
新しさの代わりに変える5つの視点
既にある商品を土台にするとき、どこを変えればいいのか。私は次の5つの視点で考えています。
| 視点 | 変え方 | 例 |
|---|---|---|
| 1. 改良する | 既存の商品の不便さ・分かりにくさを直す | 手順が多いところを減らす、説明を分かりやすくする |
| 2. コンセプトを変える | 「何のための商品か」の打ち出し方を変える | 同じ内容を「稼ぐため」から「時間を作るため」に言い換える |
| 3. ターゲットを変える | 売る相手を絞る、または別の人に向ける | 多機能な商品を、特定の仕事の人向けに機能を絞って出す |
| 4. 集客経路を変える | お客様と出会う場所を変える | ライバルがいない媒体や、別の業界の集まりで紹介する |
| 5. 価格を変える | 同じ価値を、違う価格帯で届ける | サポートの量を変えて、手の届きやすい形や手厚い形を作る |
ターゲットを絞ると、機能が少ないことが強みになる
3つ目のターゲットについて、Iさんの例をもう一つ紹介します。
ホームページを作るソフトには、機能がとても多い有名な製品があります。機能だけを比べたら、とても太刀打ちできません。そこでIさんは、使う人をある仕事の人たちに絞り、その人たちが必要とする機能だけにしたツールを作りました。
簡単なページを簡単に作れればいい人にとって、多機能なソフトは使い方を覚えるのが大変です。機能を絞って使いやすくしたことが、かえって価値になったのです。機能を減らすことが、価値を生むこともある。 これは、講座やサービスでも同じです。
価格を変えるときは、戦略が必要
5つ目の価格は、扱いに注意が必要です。ただ安くするだけでは、自分が疲れて続かなくなります。価格を変えるときは、サポートの量や届け方を変えて、「その価格でも続けられる形」を先に作ってください。
ツールに限らず、どんなビジネスでも同じ
ここまでツールの話をしてきましたが、この考え方はどんなビジネスにも当てはまります。
たとえば、コーチやカウンセラーの方なら、同じ分野の講座はたくさんあるはずです。それでも、次のように変えれば、あなたの商品になります。
- 既存の講座で「分かりにくい」と言われているところを、丁寧に説明する(改良)
- 「自信をつける講座」を「職場の人間関係を楽にする講座」として打ち出す(コンセプト)
- 対象を「子育て中の母親」に絞る(ターゲット)
- ライバルが少ない媒体で発信する(集客経路)
- 動画だけの手軽な形と、個別サポートつきの形に分ける(価格)
少し視点を変えるだけで、新しい需要が生まれます。どう組み合わせるかで、あなたにしかない場所も作れます。この考え方は独壇場を作れば、ライバルはいなくなるでも書いています。
5つの視点を使うときによくある失敗
5つの視点は便利ですが、使い方を間違えると、かえって売れにくくなります。よくある失敗を3つ挙げておきます。
- 一度に全部を変えてしまう:改良も、対象も、価格も、集客経路も同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。まずは1つか2つに絞って変えてみてください
- お客様に聞かずに変える:「ここが不便だろう」という思い込みで直しても、お客様が困っていない場所なら価値にはなりません。売れている商品のレビューや、見込み客の声から、変える場所を選びます
- 安さだけで勝負する:価格を下げるのは一番簡単に見えますが、体力のある相手と値下げ競争になると、個人は続けられません。価格は、他の視点と組み合わせて使うものと考えてください
変える場所は、自分の頭の中ではなく、お客様の声の中にあります。「既にある商品の、どこに不満を感じている人がいるか」を探すところから始めると、外れにくくなります。
真似とコピーの境界線
「似たものを作る」と聞いて、抵抗を感じる方もいると思います。ここで、はっきり線を引いておきます。
| 真似してよいもの | 真似してはいけないもの |
|---|---|
| 売れている商品の構成や考え方 | 文章・画像・動画をそのまま使うこと |
| お客様が何を求めているかという視点 | 他の人の体験や実績を、自分のものとして語ること |
| 売り方の流れや順番 | 商品名やデザインを、見間違えるほど似せること |
学んでよいのは、考え方・順番・判断の基準です。表現は自分の言葉で作り直してください。完全なコピーは、相手の権利を侵すだけでなく、あなたの信頼も失います。
うまくいっている人のやり方を型として学び、そこから自分なりに変えていく流れは、初心者が「模倣」から始めるべき理由で詳しく解説しています。オリジナルで頑張るより、成功しているモデルから学んで、自分の形に育てていくほうが、ずっと早く成果に近づけます。
まとめ
- 「新しいことをしなければ」と思い込むほど、アイデアが浮かばずに手が止まる
- 売れる商品に新しさは必要ない。似た商品が売れているのは、欲しい人がいる証拠
- 既にあるものを、改良・コンセプト・ターゲット・集客経路・価格の5つの視点で変える
- 機能を絞る、対象を絞るなど、減らすことが価値になることもある
- 真似してよいのは考え方と順番まで。表現は自分の言葉で作り直す
まずは、あなたの分野で売れている商品を1つ選び、5つの視点のうち「自分なら変えられそうなところ」を1つ書き出してみてください。
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