ビジネスでは人脈が大切だとよく言われます。一人でできることには限りがありますし、信頼できる人とのつながりがあれば、助けてもらえる場面も増えます。
そこで、交流会やセミナーに足を運び、たくさんの人と名刺交換をしている方もいます。でも、名刺の枚数は増えたのに、仕事につながった実感がない。そんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ビジネスで大切な人脈とは、作為的に集めた「コネ」ではなく、自然に生まれた「縁」を大切にすることでできる関係です。そして縁を大切にするとは、目の前の人を大切にすることです。
この記事では、私が「人脈づくり」に違和感を持つようになった体験と、本当の人脈が育つ理由、そして今日からできる習慣をお伝えします。
「人脈づくり」で集めたつながりは、なぜ仕事につながりにくいのか
私の経験では、いわゆる「人脈構築」を目的にしてできたつながりが、良い方向に進んだことはほとんどありません。つながりができたと思ったら、何かを売りつけられそうになったり、利用されそうになったりすることが多かったのです。
私は複数のビジネスをしているので、仕事の内容を知ったとたんに名刺を渡してくる人や、近づいてくる人も以前からたくさんいます。ただ、そうした人たちと一緒に何かをしたいとは、正直なところ思えませんでした。
相手の立場になって考えると、理由はすぐに分かります。
- 「この人とつながっておけば、何か得をしそうだ」と思って近づいてくる人
- 自分の話ばかりして、こちらの話にはあまり関心がない人
- 会ったその日に、自分の商品の案内を送ってくる人
こういう相手とは、深く付き合いたいとは思いませんよね。人は、自分を「得をするための手段」として見ている相手を、驚くほど敏感に感じ取ります。 作為的に集めたつながりが続かないのは、才能や話術の問題ではなく、最初の目的が「相手」ではなく「自分の得」に向いているからです。
本当の人脈は「コネ」ではなく「縁」から生まれる
人脈のことを「コネ」と言うことがあります。でも、本来の人脈は「縁」だと私は考えています。
縁は、狙って作るものではありません。たまたま同じ場にいた、たまたま相談を受けた、たまたま同じ悩みを持っていた。そんな小さなきっかけから始まります。
私の周りには、私の仕事を手伝ってくれる人が何人もいます。紹介で契約につなげてくれる人、資料づくりを手伝ってくれる人、セミナー会場の準備を手伝ってくれる人。どの人とも、人脈づくりのためにつながったわけではありません。何かの縁で知り合い、お互いを尊重し、助け合ってきた関係です。
こうした関係は、損か得かだけで結ばれた関係とは違います。だからこそ長く続きますし、困ったときにも支え合えます。
| コネとしての人脈 | 縁としての人脈 | |
|---|---|---|
| 始まり | 得をしたくて近づく | 自然なきっかけで出会う |
| 相手の見方 | 役に立つかどうか | 一人の人間として |
| 続き方 | 得がなくなると切れる | 信頼が積み重なる |
| 広がり方 | 名刺の枚数が増える | 紹介や口コミが生まれる |
最初のきっかけは、ただの名刺交換でもかまいません。大事なのは、その先で相手をどう扱うかです。
1対1の会話は、1対1では終わらない
目の前の人を大切にしたほうがいい理由は、もう一つあります。それは、1人の相手の先には、たくさんの人間関係があるということです。
私たちに大切な家族や友人がいるように、目の前の人にも大切な人間関係があります。1対1で話しているつもりでも、その1人の先には、何十人、何百人とつながりが広がっています。
たとえば、あなたが交流会で、利用する気が見え見えの人に会ったとします。家に帰って、家族に「今日名刺交換した人がね……」と話すかもしれません。聞いた家族は、その人に悪い印象しか持ちませんよね。
逆に、親身に話を聞いてくれた人、役に立つことを教えてくれた人のことも、同じように周りに話します。良い人は良い人として、嫌な人は嫌な人として、口コミは静かに広がっていきます。
これは集客でも同じです。目の前の人や、ブログやメルマガを読んでくれる人を大切にしていると、「この人の発信は役に立つから読んでみて」「この人に相談すると分かりやすいよ」と紹介してくれる人が現れます。
実際に私も、コーチやコンサルタントの方々のつながりから、私のことを紹介してくれる人が増えてきました。自分一人で集客に必死になるより、ずっと自然で、無理のない広がり方です。紹介を身近な人から広げていく手順は、最強の集客手段「紹介」でまとめています。
最初の100人を大切にするという考え方
私は以前から、メルマガについて「最初は読者が100人でも十分」と伝えてきました。
最初の100人を大切にしていれば、その100人がそれぞれの人間関係の中で、あなたのことを伝えてくれるようになります。そして、信頼できる友人から紹介されて来た人は、最初から前向きな気持ちで話を聞いてくれます。広告で知った人とは、スタートの位置が違うのです。
私自身、メルマガの読者が約100人の時に月収100万円になりました。読者の数が少なくても、売上は作れるという一つの実例です。
反対に、SNSで成功しているように見せたり、華やかな集まりの写真を並べたりして、「すごい人」を演出する方法もあります。一時的に注目は集まるかもしれません。でも、見せ方で集めた関心は、実際に会ったときや、商品を買ったときの印象とずれると、すぐに離れていきます。目立たなくても、目の前の人を本当に大切にしている人のほうが、長く信頼されます。
読者の「数」より「読んでくれる人」を増やす考え方は、メルマガは発行部数ではなく読者数を増やすでも解説しています。
縁を大切にするための4つの習慣
では、どうすれば縁に恵まれるのでしょうか。特別なことは必要ありません。目の前の人を大切にすることの積み重ねです。今日から取り入れやすい形で、4つの習慣にまとめます。
- 会う前に、相手のことを少し調べる:どんな仕事をしている人か、何に困っていそうかを知っておくと、自分の話ではなく相手の話ができます
- 話す時間より、聞く時間を長くする:自分を売り込みたくなったら、相手に質問をひとつ返します
- 出会ったあとに、小さなお礼を伝える:商品の案内ではなく、「今日の話のここが参考になりました」という一言を送ります
- 自分にできることを先に差し出す:役に立ちそうな情報や、紹介できる人がいれば、見返りを考えずに伝えます
この4つは、画面の向こうの読者に対しても同じです。ブログのコメントやメールの返信に丁寧に応える、質問に誠実に答える。直接会っても、パソコンやスマホの先にいても、相手が一人の人間であることは変わりません。
よくある勘違い
人脈について、つまずきやすい考え方も整理しておきます。
| よくある勘違い | 考え直したいこと |
|---|---|
| 名刺の枚数が多いほど人脈が広い | 信頼し合える人が何人いるかで考える |
| 有名な人とつながれば仕事が来る | 相手にとって自分が何の役に立てるかを先に考える |
| 人脈は交流会で作るもの | お客様や読者との関係も、大切な人脈になる |
| 紹介はお願いして増やすもの | 目の前の人を大切にした結果として生まれる |
少人数でも、信頼し合える関係から売上は作れます。その考え方をチャレンジ企画で形にしたのが、集客3名でも売上は作れますという記事です。人数より関係を大切にしたい方は、あわせて読んでみてください。
まとめ
- ビジネスで大切な人脈は、作為的に集めた「コネ」ではなく、自然に生まれた「縁」を大切にしてできる関係
- 得をするために近づく関係は、相手に伝わり、長く続かない
- 1人との会話の先には、たくさんの人間関係があり、口コミや紹介として広がっていく
- 最初の少人数を大切にすることが、無理のない広がりにつながる
- 聞く、お礼を伝える、先に差し出すといった小さな習慣の積み重ねが、本当の人脈を育てる
まずは、最近あなたと話してくれた人や、メールに返信してくれた読者を1人思い浮かべてください。その人に、商品の案内ではなく、お礼の一言を送るところから始めてみましょう。



