ひとつ質問です。あなたにとって、1日8時間以上働くのは当たり前ですか。
多くの方が「当たり前」と答えると思います。法律や会社の決まりで、それが普通の働き方になっているからです。朝から夕方まで、場合によっては夜まで働き、週末にやっと休む。その繰り返しに、疑問を持つ機会はあまりありません。
でも、その「当たり前」は、いつ、どんな理由でできたものなのでしょうか。
結論から言うと、1日8時間働くのが当たり前という感覚は、国中が必死に働く必要があった時代の常識です。今は、機械や仕組みのおかげで、少ない人数・少ない時間でも同じだけのものを生み出せる時代になりました。それなのに、働き方の価値観だけが昔のまま残っています。
この記事では、私が会社員時代に1日16時間働いていた頃のことも交えながら、働く時間と収入を切り離すために考えてほしい3つのことをお伝えします。
「1日8時間労働」は、当時の必要から生まれた常識
短い時間で働く働き方を選んでいる人を除けば、雇われて働く人の多くは、1日7〜8時間の勤務を当たり前のものとして受け入れています。
日本で今の労働時間の基準ができたのは、戦争が終わってまもない頃のことです。まだ国の多くが焼け野原だった時代でした。
当時は、生きていくための食べ物を作り、住む場所や建物を建て、着るものを作り、足りないものを一つずつ生み出していく必要がありました。国民の多くが一丸となって、必死に働く必要があった時代です。
そうしてがんばってくれた先人たちがいたからこそ、日本は大きく成長できたのだと思います。その努力には、心から敬意を持っています。
ただ、ここで考えたいのは、その働き方は「その時代に必要だったもの」だったということです。
少ない人数でも、同じだけ生み出せる時代になった
あれから長い時間がたち、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。特にここ数十年の技術の進歩で、当時と今では、ものを生み出す方法がまったく違います。
たとえば、お米や野菜を作る農家です。昔は、収穫の時期になると村中の人が総出で田んぼに入り、稲を刈っていたそうです。今は、機械の力で、ずっと少ない人数でも同じだけ収穫できるようになりました。
工場も同じです。昔はたくさんの人が必死に手を動かして作っていた商品を、今は機械化と自動化によって、ずっと少ない人数で作れるようになっています。
今は、ものやサービスがあふれている時代です。全員が朝から晩まで働いて、さらに多くのものを生み出し続けなければいけない時代ではありません。
それでも「長く働くのが当たり前」という価値観は残っている
それなのに、世の中の考え方は大きくは変わっていません。週に5日、1日8時間以上働くのが普通、という昔ながらの価値観のほうが、今も当たり前とされています。
私は、もっと休みを増やして、やりたいことを楽しむ時間を持つ、という選択肢があってもいいと思っています。
たとえば、仕事を分け合って一人あたりの働く時間を減らし、週に3〜4日、1日4時間くらい働くのが当たり前になったらどうでしょう。夢を追いかけたり、友人と過ごしたり、家族とゆっくり時間を過ごしたりできる人が増えて、幸せな人も増えるのではないかと思います。
もちろん、たくさん働きたい人は、好きなだけ働けばいいと思います。働くことが生きがいの人もいます。大事なのは、長く働くことが「当たり前」ではなく、「選べるもの」になることです。
ただ、現実には、世の中の多くの人の常識はすぐには変わりません。だから、今とは違う働き方をしたい人は、世の中が変わるのを待つより、自分で働き方を選べる状態を作っていくほうが近道です。
1日16時間働いていた頃と、毎日8時間眠れる今
私自身の話をさせてください。
会社員だった頃の私は、1日16時間働くのが当たり前でした。睡眠は、1週間の合計で6時間ほどしか取れない、本当につらい日々でした。当時の私にとっては、それが「普通の働き方」でした。
その後、私は自分のビジネスを立ち上げ、1日8時間労働が当たり前の世界から離れました。今は、毎日8時間以上眠るのが当たり前になり、寝不足とは無縁の生活になっています。
長時間働く世界から離れてみると、あの頃の働き方がどれだけ無理をしていたのか、よく分かります。同時に、長く働くことを当たり前とする考え方に、以前よりずっと強い違和感を持つようになりました。
もし今、あなたがかつての私のように、睡眠を削って働き続けているなら、それはあなたの努力が足りないからでも、要領が悪いからでもありません。働く時間と収入が、強く結びついた働き方をしているからです。
働く時間を減らすために、まず考えたい3つのこと
では、働く時間を減らしたいと思ったら、何から考えればいいのでしょうか。私が大切だと思うのは、次の3つです。
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 1. 時間と収入を切り離す | 働いた時間の分だけ収入が増える働き方から、時間に比例しない収入の作り方に目を向ける |
| 2. 仕組みに任せる | 自分がいなくても回る仕組みを作り、同じことを毎回自分の手でやらない |
| 3. 少人数に深く届ける | たくさんの人を集め続けるのではなく、少ない人数でも価値をしっかり届けて売上を作る |
1つ目は、働き方の土台そのものの話です。時給を上げる努力を続けても、働く時間の限界は変わりません。この考え方は、時給を上げる努力だけでは自由な時間は増えない理由で詳しく書いています。
2つ目は、農家や工場が機械に任せてきたことを、自分のビジネスでも行うということです。案内や説明のように、毎回同じことを繰り返している作業は、仕組みに任せられます。考え方はビジネスの仕組み化が重要な理由でまとめています。
3つ目は、大人数を集めなければ売上は作れない、という思い込みを外すことです。少ない人数でも、しっかり向き合えば売上は作れます。その具体的な形は、集客3名でも売上は作れる理由で紹介しています。
よくある誤解
働く時間を減らす話をすると、次のような反応をいただくことがあります。
- 「休みたいなんて、怠けているだけではないか」
- 「会社を今すぐ辞めろということか」
- 「働く時間を減らしたら、収入も減るに決まっている」
どれも、そうではありません。休むことは怠けることではなく、よく眠り、よく考えるための準備です。睡眠を削って長く働くより、しっかり眠ってから短い時間で集中したほうが、判断を誤りにくくなります。自分のビジネスでは、何を作り、誰に届けるかという判断の質が、そのまま結果に表れます。また、今の仕事をすぐに辞める必要もありません。会社に勤めながら、少しずつ自分のビジネスを育てていく道もあります。
そして、働く時間と収入が比例するのは、時間を売る働き方をしている間だけです。仕組みで売る形に変えていけば、働く時間を減らしても、収入を保つことは十分に考えられます。
まとめ
- 1日8時間以上働くのが当たり前という常識は、国中が必死に働く必要があった時代に生まれたもの
- 今は機械や仕組みのおかげで、少ない人数・少ない時間でも同じだけ生み出せる時代になった
- 長く働くことは「当たり前」ではなく「選べるもの」であっていい
- 働く時間を減らすには、時間と収入を切り離す・仕組みに任せる・少人数に深く届ける、の3つを考える
- 休むことは怠けることではない。会社を辞めなくても、少しずつ働き方は変えていける
まずは、この1週間で毎回同じように繰り返している作業を3つ書き出してみてください。その中に、仕組みに任せられるものが見つかることは少なくありません。それが、1日8時間の睡眠に近づく最初の一歩です。



