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商品を1つの形だけで売るほど、ビジネスは揺れやすくなります|物品を売るか、サービスを売るか、6つの形の違いと「2つ目の形」を足す3つの手順

rev-3386 ビジネスモデル
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この記事は商品づくり 完全ガイドの第5章 商品の形を決める「5-1 商品の6つの形を知る」です(全27記事)

自分でビジネスを始めようと考えたとき、最初に迷うのが「何を売るか」です。形のある物を売るのか、それとも自分の知識や技術を活かしたサービスを売るのか。

物を売るなら、仕入れや在庫が心配です。サービスを売るなら、自分の時間を切り売りすることにならないか不安になります。どちらにも良い面と難しい面があって、決めきれない方は多いです。

結論から言うと、最初は1つの形から始めてかまいません。ただ、1つの形だけに頼り続けると、ビジネスは揺れやすくなります。物品とサービス、アナログとデジタルの違いを知ったうえで、いずれは2つ目、3つ目の形を足していくのがおすすめです。

この記事では、商品の形を6つに分けて違いを整理し、1つの形に頼るリスクと、今の商品から2つ目の形を足す3つの手順をお伝えします。

商品の形は「物品」と「サービス」に分かれる

商品の形は、大きく「物品」と「サービス」に分かれます。さらに物品は、2つに分けられます。

1つ目は、アナログ商品です。食品、服、文房具、電化製品など、実際に手に取ることができる物です。

2つ目は、デジタル商品です。デジタルコンテンツや情報商品とも呼ばれます。知識やノウハウを文章・音声・動画などにまとめ、ダウンロードや会員サイトでの視聴など、インターネット上でやり取りできる形で届けます。

「情報なんて売れるのか」と思うかもしれません。でも、本も情報です。紙の本は手に取れるので情報という意識は薄いかもしれませんが、中身は著者の知識や経験です。同じ中身が、電子書籍として画面で読まれてもいます。

情報商品は、困っている人の悩みに合わせて作ります。たとえば、お金の管理に悩む人には家計を整える方法を、人間関係に悩む人にはコミュニケーションを楽にする方法を、文章や音声、動画にまとめれば立派なデジタル商品になります。

また、情報はアナログとデジタルの両方の形にできます。PDFで作った教材を紙に印刷すれば冊子になり、紙の本の内容をPDFにすればデジタル商品になります。同じ中身でも、届け方を変えるだけで別の商品になるのが、情報の大きな特徴です。

サービスには4つのタイプがある

次に、サービスです。サービスにはさまざまな形がありますが、個人ビジネスでは次の4つに分けると整理しやすくなります。

タイプ 例 特徴
特技タイプ 写真撮影、ネイル、マッサージ 自分の技術をその場で提供する
相談タイプ コーチング、コンサルティング、カウンセリング 相手の話を聞き、解決を一緒に考える
イベントタイプ セミナー、講演会、勉強会 複数の人に同時に届けられる
紹介タイプ 人や物、サービスの紹介(アフィリエイトなど) 他人の商品を必要な人につなぐ

私がコンサルをしている方の中には、コーチングやカウンセリングで成果を出している人が多くいます。それ以外にも、写真撮影や、人と人をつなぐ仲介業のような形で収入を得ている方もいます。アイデア次第で、さまざまなビジネスが作れます。

紹介タイプは、自分の商品がまだ無くても始められるのが特徴です。他人の良い商品を必要な人につなぐことで収入を作る方法で、労働収入から抜け出す一つの入口になります。

6つの形の違いを比べる

物品の2つとサービスの4つ、合わせて6つの形は、それぞれ得意なことが違います。

形 始めやすさ 自分の時間 一度に届けられる人数
アナログ商品 仕入れや在庫が必要 発送などに使う 在庫の数まで
デジタル商品 作る手間はかかるが在庫はいらない 作ったあとは少ない 多い
特技タイプ 技術があればすぐ始められる 1件ごとに使う 1人ずつ
相談タイプ 経験があればすぐ始められる 1件ごとに使う 1人ずつ
イベントタイプ 準備が必要 開催日に使う 複数人
紹介タイプ 自分の商品がなくても始められる 紹介文を書く時間 多い

表を見ると分かるように、特技タイプと相談タイプは始めやすい一方で、1人ずつ時間を使います。デジタル商品は作るまでが大変ですが、作ったあとは自分の時間をあまり使わずに多くの人に届けられます。

どれが正解ということはありません。大切なのは、今の自分に合う形から始めて、足りない部分を別の形で補うことです。

最初の形を決める3つの問い

どの形から始めるか迷ったら、次の3つの問いに答えてみてください。

1つ目は、「今、すでに人から頼まれていることは何か」です。友人や同僚から相談されることや、「やってほしい」と言われる作業があれば、それは相談タイプや特技タイプの商品の候補です。頼まれるということは、そこに需要がある証拠です。

2つ目は、「最初にお金と時間をどれだけかけられるか」です。仕入れや在庫にお金をかけられないなら、アナログ商品より、サービスや紹介から始めるほうが負担は小さくなります。

3つ目は、「将来、自分の時間をどう使いたいか」です。ずっと1人ずつ向き合いたいのか、いずれは多くの人に一度に届けたいのか。目指す働き方によって、次に足す形が変わります。商品を探す視点をもっと広げたい方は、商品を4つの軸で組み合わせて見つける方法も参考にしてください。

1つの形に頼るリスク

注意してほしいのは、商品を1つの形でしか持っていない状態には、リスクがあるということです。

たとえば、お店に来てもらって食事を出す飲食店を考えてみてください。来店が前提の売り方しか持っていないと、何かの事情でお客様がお店に来られなくなったとき、売上がそのまま止まってしまいます。最初から来店と持ち帰りや配達を組み合わせていれば、どちらか一方が止まっても、もう一方で支えられます。

個人ビジネスでも同じです。相談タイプだけで売上を作っていると、体調を崩して相談を受けられなくなった途端に、収入が止まります。1つの形に頼ると、その形が止まったときにビジネス全体が止まってしまうのです。

できれば物品とサービス、アナログとデジタルをバランスよく組み合わせておくと、ビジネスは安定しやすくなります。仕組みの数を増やす考え方は、職人から事業家へ、仕組みの数を増やす理由でも書いています。

今の商品から「2つ目の形」を足す3つの手順

2つ目の形は、ゼロから新しく作る必要はありません。今の商品を、別の形に変えるところから始めると取り組みやすくなります。

  1. 今の商品で、お客様にくり返し伝えていることを書き出す:相談の中で何度も話している説明や、毎回渡している手順がないか探す
  2. それを別の形に変えられないか考える:くり返し話す説明は動画や冊子に、個別の相談はグループの勉強会に、自分が使って良かった道具は紹介に
  3. 小さく作って、今のお客様に届けてみる:最初から完成品を目指さず、今のお客様に試してもらい、感想をもとに直す

たとえば、カウンセリングをしている人なら、相談の中で毎回伝えている考え方を短い動画にまとめれば、デジタル商品になります。同じ内容を少人数の勉強会で話せば、イベントタイプの商品になります。中身は同じでも、形を変えるだけで、届けられる人の数や、自分の時間の使い方が変わります。

商品の数を増やしたあとの並べ方は、商品ラインナップを充実させるポイントで解説しています。

まとめ

  • 商品の形は、物品(アナログ商品・デジタル商品)とサービス(特技・相談・イベント・紹介)の6つに分けて考えられる
  • 情報は、同じ中身でも届け方を変えるだけで別の商品になる
  • 形ごとに、始めやすさ・自分の時間・届けられる人数が違う。正解は1つではない
  • 1つの形だけに頼ると、その形が止まったときにビジネス全体が止まる
  • 2つ目の形は、今の商品でくり返し伝えていることを別の形に変えるところから始める

まずは、今の商品でお客様に何度も話している説明を3つ書き出してみてください。その中の1つが、あなたの2つ目の商品の種になります。