「ビジネスで成功したいなら、徹底的な他者貢献が必要です」
私はこの話をすることが多いのですが、ときどき誤解されることがあります。他者貢献を「自分を犠牲にして、人に尽くすこと」だと受け取ってしまうのです。その結果、無料で何でも引き受けたり、値段を下げすぎたりして、疲れ切ってしまう方もいます。
結論から言うと、他者貢献は自己犠牲ではありません。他者貢献は、自分のビジネスを長く、安定して、しっかり利益の出る形で続けるための王道です。偽善でも、きれいごとでもなく、自分の成功を真剣に考えた結果としてたどり着く答えです。
この記事では、なぜビジネスに他者貢献が必要なのか、自分の欲を否定しなくていい理由、そして自己犠牲にならずにお客さんとWin-Winを作る手順をお伝えします。
なぜビジネスに他者貢献が必要なのか
私がビジネスで意識しているのは、「長期的に」「安定して」「高い利益を」出し続けることです。瞬間的に大きく稼いで、その後のことは考えない。そういう進め方は、とても危ういと感じています。
人生は長く続きます。だからこそ、年齢を重ねても、楽しく続けていけるビジネスの力を持っておきたい。そう考えると、目の前の売上よりも、何年も続く信頼のほうがずっと大切になります。
もし「稼げれば何でもいい」という考え方でビジネスをしていたら、どうなるでしょうか。数年後には「亀井にお金を払うのはやめたほうがいい」と言われるようになるかもしれません。悪い評判は、驚くほど早く広がります。そうなれば、誰も買ってくれなくなります。
反対に、「亀井の商品やサービスなら大丈夫」と思ってもらえれば、良い評判が広がり、こちらから頼まなくても誰かが紹介してくれるようになります。集まってくれた人を大切にしていれば、そこから長く安定した利益が自然と生まれていきます。
周りから非難されるより、感謝されるほうが、気持ちの面でもずっと楽ですし、楽しいです。
瞬間的な1億円より、10年続く1,000万円
ここで、一つたとえ話をさせてください。
たとえば、瞬間的に1億円を稼いだものの、その後はお客さんに嫌われて誰もいなくなってしまう未来。もう一つは、堅実に年1,000万円を10年間続けて、合計1億円を稼ぐ未来。どちらも合計は同じですが、11年目以降の景色はまったく違います。
堅実に続けてきた人は、年を追うごとに信頼してくれる人が増えています。チャンスも増えていくので、1,000万円からさらに伸びていく可能性が高いです。一方で、瞬間的に稼いで評判を落とした人は、11年目を迎える前に、お客さんがいなくなっているかもしれません。
実際に、一時的に話題になって大きく稼いだものの、その後に評判を落として苦しんでいる人は少なくありません。他者貢献は、未来の自分への投資でもあるのです。
こうした考え方は、ビジネスで得られる収入は与えた価値で決まるでも詳しくお伝えしています。
自分の欲(我欲)は否定しなくていい
他者貢献の話をすると、「では、自分の欲は捨てなければいけないのか」と聞かれることがあります。答えは、いいえです。私は、自分の欲を否定しません。
個人でビジネスを始めた頃、私も「お金持ちになって、高級車に乗りたい」と思いながら働いていました。どうすればもっと稼げるかばかりを真剣に考えていた時期もあります。その中でたどり着いたのが、「人の役に立つことをしていれば、結果としてしっかり稼げる」という答えでした。
欲は、人間の本能です。考えようとして考えているのではなく、勝手に湧いてくるものです。それを否定しようとするのは、時間の無駄だと私は考えています。
脳の働きを説明するときに、脳を3つの層に分けて考えるたとえがよく使われます。いちばん外側に、考えたり話したりする理性の層があり、その内側に、食欲や感情などの本能をつかさどる層があり、いちばん奥に、呼吸などの生命活動を支える層がある、というものです。
このたとえで言えば、表面の理性だけで「欲を持ってはいけない」と押さえつけても、内側の本能が納得していなければ、人はうまく動けません。どれだけ優れた自己啓発のやり方を使っても、本能が拒否していれば長続きしないのです。
だからこそ、欲は否定せず、良い意味で動く力に変えればいい。そして、結果を出したときには、自分へのご褒美もきちんと用意してください。何も得られないと感じると、人は動く理由をなくしてしまいます。本能を満たしたら、また仕事に向かう。この循環を作ることが大切です。
他者貢献と自己犠牲の違い
では、他者貢献と自己犠牲は、何が違うのでしょうか。整理すると次のようになります。
| 他者貢献 | 自己犠牲 | |
|---|---|---|
| 考え方 | お客さんが得をした結果、自分も得をする | 自分が損をしてでも、相手に尽くす |
| お金 | 価値に見合った対価をいただく | 無料や安すぎる値段で引き受ける |
| 続け方 | 自分も満たされているので長く続く | 疲れ切って、いずれ続かなくなる |
| お客さんとの関係 | 対等なパートナー | 頼まれたら断れない関係 |
他者貢献の本質は、Win-Winを作ることです。お客さんに得をしてもらい、その結果として自分もお金を得て、欲しいものを手に入れる。自分を削って相手に尽くす自己犠牲とは、まったく別のものです。
自分の利益だけを考えるのでも、相手のためだけに自分を削るのでもない。この真ん中にあるのが、他者貢献です。自分の利益ばかりを優先した場合に何が起きるかは、自分の利益ばかりを優先すると行き詰るで書いています。
我欲から他者貢献にたどり着く4つの手順
自己犠牲にならずに他者貢献をするには、次の順番で考えると分かりやすくなります。
- 自分が手に入れたいものを、正直に書き出す
- それを手に入れるために、どれくらいの収入と信頼が必要かを考える
- その収入と信頼を得るために、お客さんにどんな得をしてもらえばいいかを考える
- お客さんの得と自分の得が、両方そろっているかを確かめる
ポイントは、1から始めることです。自分の欲を出発点にして、そこからお客さんの得へとつなげていきます。こうすると、他者貢献が「我慢してやること」ではなく、「自分の目標に近づくための一番確かな道」に変わります。
4つ目の確認では、どちらか一方だけが得をしていないかを見てください。お客さんだけが得をしているなら、値段や提供の仕方を見直します。自分だけが得をしているなら、お客さんに届けている価値を見直します。
他者貢献でよくある失敗
他者貢献を意識し始めたときに、つまずきやすいところがあります。
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 貢献のつもりで、無料で何でも引き受ける | 無料で届けるものと、有料で届けるものを分ける |
| 喜んでほしくて、値段を下げすぎる | 届けている価値に見合った値段にする |
| 売ることに罪悪感を持つ | 必要な人に届けることも貢献だと考える |
| 自分へのご褒美を後回しにする | 結果を出したら、自分をきちんと満たす |
特に多いのが、3つ目の「売ることへの罪悪感」です。本当に役立つ商品を持っているなら、それを必要としている人に届けないことのほうが、むしろ相手の得を減らしています。高額な商品を案内することに抵抗がある方は、バックエンド商品の本当の役割を読むと考え方が整理しやすくなります。
まとめ
- 他者貢献は自己犠牲ではなく、長く安定して利益を出し続けるための王道
- 瞬間的に大きく稼ぐより、信頼を積み重ねて続けるほうが、先の景色は明るい
- 自分の欲は否定しなくていい。動く力に変え、結果を出したら自分を満たす
- 他者貢献の本質は、お客さんが得をした結果、自分も得をするWin-Winを作ること
- 自分の欲を出発点に、お客さんの得へとつなげて考える
まずは、あなたがビジネスで手に入れたいものを、遠慮せずに3つ書き出してみてください。そのうえで、それぞれを手に入れるために、お客さんにどんな得をしてもらえばいいかを考えてみましょう。



