ビジネスのために動画を作ろうと決めた。でも、いざ作ろうとすると、「どんな形の動画にすればいいのか」で止まってしまう。自分が画面に出て話すべきなのか、きれいに編集しないといけないのか。そんな方は多いです。
特に初めての方は、テレビ番組のように作り込んだ動画を想像しがちです。そうすると、撮影にも編集にも時間がかかり、1本作るだけで疲れてしまいます。
結論から言うと、動画の作り込みと売上は比例しません。手間のかかる1本を作る時間があれば、その時間で作りやすい動画を何本も作るほうが、見てもらえる入り口が増えます。そのために使えるのが、動画の「型」です。
この記事では、自分で作りやすい動画のタイプ10種類と、それぞれが向いている業種や使い方、自分に合う型の選び方をお伝えします。
動画は「型」を決めると早く作れる
毎回ゼロから動画の形を考えていると、構成を悩むだけで時間がなくなります。あらかじめ「この型で作る」と決めておけば、撮影の準備も、編集のやり方も、毎回ほぼ同じで済みます。
型を使うことで、次のようなことが変わります。
- 構成を考える時間が短くなる
- 撮影と編集の手順が決まり、作業が速くなる
- 同じ型で何本も作れるので、動画の本数を増やしやすい
自分で作りやすい動画の型を10種類に分けると、次のようになります。
| タイプ | どんな動画か | 顔出し |
|---|---|---|
| 1. デモンストレーション型 | 商品が動いているところ、使っているところを見せる | なくてもよい |
| 2. スライドショー型 | 写真や画像を順番に見せ、音声や字幕で解説する | なくてもよい |
| 3. 読み上げ型 | 記事や資料、板書などを読み上げて解説する | なくてもよい |
| 4. 講座型 | 講師として、テーマを分かりやすく教える | あり |
| 5. Q&A型 | お客様からの質問に答える | どちらでも |
| 6. 現場説明型 | 仕事の現場や作業の様子を見せる | なくてもよい |
| 7. 取材型 | お客様を訪ね、感想を聞く | お客様が出る |
| 8. 対談型 | ゲストや社内の人と話す | あり |
| 9. 実況中継型 | 授業や相談、イベントの様子をそのまま見せる | どちらでも |
| 10. ニュース解説型 | 業界のニュースを紹介し、自分の意見を添える | どちらでも |
ここからは、それぞれの型の特徴と、向いている使い方を見ていきます。
撮影がほとんどいらない型(1〜3)
1. デモンストレーション型
商品が動いているところや、使っている様子を撮影し、ほとんど編集せずに見せる動画です。とてもシンプルで、すぐに作れます。
工具や機械、調理器具のように、動きや音で良さが伝わる商品に向いています。お店では、その場で商品を試せないことも多いですよね。売り場の近くで商品の実演の映像を流しているお店があるのは、そのためです。
同じような映像を動画で見られるようにしておけば、見込み客は自宅にいながら、お店に行く以上の情報を手に入れられます。文章や写真だけでは伝わらないことが伝わるので、欲しい気持ちを後押しできます。
2. スライドショー型
撮影した写真や、作った画像を順番に見せ、字幕や音声、BGMで解説する動画です。写真を少しずつ拡大したり、左右に動かしたりすると、静止画でも動きのある動画になります。
いちばんシンプルなのは、プレゼンテーションソフトで作ったスライドを切り替えながら、原稿を読み上げる形です。すでにウェブサイトにある文章を箇条書きにしてスライドにするだけでも、1本の動画になります。
健康、医療、建築、法律、美容など、専門的な知識が必要な分野に特に向いています。難しい内容ほど、図や箇条書きで見せながら話すと分かりやすくなるからです。
気をつけたいのは2点です。インターネット上の画像を使うときは、著作権を侵害しないように、使ってよいものかを必ず確かめてください。また、静止画を並べるだけだと単調になりやすいので、画像に動きをつけたり、BGMを入れたりする工夫をしましょう。
3. 読み上げ型
すでにある文章や資料を、読み上げながら解説する動画です。人が画面に映らなくても作れるので、顔を出したくない方にも向いています。何より、短い時間で作れるのが強みです。
読み上げ型には、いくつかの形があります。
| 形 | 内容 |
|---|---|
| 記事の読み上げ | ホームページやブログの記事を読み上げる |
| 資料の読み上げ | お客様に配っている紙の資料を読み上げる |
| ホワイトボード | ホワイトボードに要点を書きながら解説する |
| スクリーン | 投影した資料やスライドを背景に解説する |
| 手書き | タブレットに手書きしながら、画面を録画して解説する |
記事の読み上げは、すでにある情報を使えるので、準備がほとんどいりません。文章だけでは分かりにくい専門的なテーマも、音声で聞いたほうが理解しやすいという人がいます。資料の読み上げは、営業の場で資料を説明しているのと同じことを、動画でできるようになります。
自分が講師になる型(4〜5)
4. 講座型
講師として、テーマを分かりやすく教える動画です。学習塾、コンサルタント、セミナー講師などに向いています。保険の仕組みのように、説明が必要な商品の解説にも使えます。
新しく撮影するのが大変なら、過去に撮影した講座やセミナーの映像を、テーマごとに短く分けて公開する方法もあります。すでにある映像を生かせるので、手間をかけずに本数を増やせます。
5. Q&A型
動画の最初にお客様からの質問を読み上げ、それに答える動画です。
多くのホームページには、「よくある質問」のページがあります。そこに書かれている質問に一つずつ答えるだけで、何本もの動画ができます。メールや相談でいただいた質問を集めれば、さらに本数を増やせます。
Q&A型は、実際にお客様が知りたいことに答える動画なので、見る人の悩みから外れにくいのが大きな強みです。 何を作ればいいか迷ったら、まずこの型から始めるのもおすすめです。
現場やお客様を見せる型(6〜9)
6. 現場説明型
工事の現場や、ものづくりの作業の様子などを撮影して見せる動画です。BGMを入れず、現場の音をそのまま残したほうが、臨場感が伝わります。現場の人に質問して、答えてもらう形にしてもいいでしょう。
7. 取材型
お客様を訪ねて、商品やサービスの感想を聞く動画です。質問と答えを字幕で表示すると、見る人に分かりやすくなります。実際に使った人の言葉は、売り手が話す何倍も説得力があります。出ていただくお客様には、公開の範囲をきちんと説明して、了承をいただいてください。
8. 対談型
ゲストを呼んで話をする動画です。対談型には、次のような良さがあります。
- 自分は質問をするだけでいいので、負担が少ない
- ゲストの話がテーマになるので、内容がマンネリになりにくい
- ゲストが自分の発信で紹介してくれることがあり、見てもらえる人が広がる
社内のスタッフに話を聞くのもおすすめです。ふだんは表に出てこない現場の人の考えが聞けて、これまでにない魅力的な内容になることがあります。
9. 実況中継型
相談の様子、教室の授業、イベントの様子などを、そのまま見せる動画です。作り込んだ映像より、生の様子を見せたほうが説得力が増すことがあります。
スマートフォンでも録画でき、ほとんど編集せずに公開できるので、効率よく本数を増やせます。人が映る場合は、映る人に必ず了承をいただいてください。
情報で信頼を作る型(10)
10. ニュース解説型
業界のニュースを紹介し、それに対するあなたの意見や感想を話す動画です。保険や投資のように、新しいニュースが次々に出てくる分野に向いています。
ニュースを読み上げるだけでなく、「このニュースで、あなたの生活や仕事の何が変わるのか」を添えることで、あなたの動画を見る意味が生まれます。
自分に合う型の選び方
10種類の中から、どの型で作ればいいのでしょうか。次の手順で選ぶと、迷わずに済みます。
- 今の状況ですぐに作れそうな型を、1つか2つ選ぶ(顔出しができるか、使える素材があるかで考える)
- 選んだ型の人気のある動画を探す。自分の業種と関係がなくても構わない
- 選んだ型で、自分と同じ業種の動画を探す。見つからなければ、無理に探さなくてよい
- 見つけた動画が、どんな順番で何を話しているか、構成をメモする
- その構成を参考に、自分の動画を作る
業種に関係なく、うまくいっている動画の構成を参考にすると、動画の質はぐっと上がります。私が「オリジナルで頑張るな、パクって超えろ」とお伝えしているのは、このことです。同じ業種の動画が見つからない場合は、その型で発信している人が少ないということなので、むしろ入り込みやすい状態だと考えてください。
作る前に確かめておきたいことは、成功する動画制作のチェックポイントでまとめています。
よくある失敗
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 最初から作り込んだ動画を目指す | すぐに作れる型から始め、本数を増やす |
| 毎回ちがう型で作る | 型を1つか2つに決め、手順を固める |
| 自己流で構成を考える | 人気のある動画の構成を参考にする |
| 素材の権利や、映る人の了承を確かめない | 使う画像や映像、出演の了承を先に確かめる |
型が決まったら、次は作業の進め方と道具です。作業をまとめて制作時間を短くする方法は動画制作時間の短縮方法、撮影に使う道具は動画撮影に使う機材で解説しています。
まとめ
- 動画の作り込みと売上は比例しない。難しい1本より、作りやすい動画を何本も作る
- 型を決めておくと、構成・撮影・編集が毎回ほぼ同じになり、早く作れる
- 自分で作りやすい型は、デモンストレーション、スライドショー、読み上げ、講座、Q&A、現場説明、取材、対談、実況中継、ニュース解説の10種類
- 顔出しをしたくない方は、スライドショー型や読み上げ型から始められる
- 型を選んだら、人気のある動画の構成をメモして、それを参考に作る
まずは10種類の中から、今すぐ作れそうな型を1つ選び、その型の人気動画を1本見て、構成を書き出してみてください。その構成が、あなたの最初の動画の設計図になります。
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