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「成功したい」と強く願うだけでは、舵は切れません|潜在意識に働きかける「面舵の法則」と、意識の向け先を変える3つの質問

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この記事は約6分で読めます。

自己啓発の本を読み、成功法則も一通り知っている。それなのに、現実はあまり変わらない。「分かっているのに、動けていない」と感じている方は多いのではないでしょうか。

これは、あなたの意志が弱いからではありません。多くの場合、意識の向け先、つまり「毎日、何について考えているか」が、目標とは違う方向を向いたままになっているのです。

結論から言うと、現実を変えたいなら、願いを強くするより、意識の「舵」の向きを変えるほうが先です。そして舵を動かす一番手軽な道具が、自分に投げかける「質問」です。

この記事では、人が意識を向けたものに気づきやすくなる性質、思考を船の舵にたとえる「面舵の法則」、不安との付き合い方、そして舵を切るための3つの質問を、ビジネスの行動につなげる形でお伝えします。

成功法則を知っても、現実が変わらない理由

「お金の不安をなくしたい」「好きなことを仕事にしたい」「家族との時間を増やしたい」。誰もが一度は、そんな未来を思い描きます。

書店には成功法則の本が並び、インターネットでも毎日のように成功した人の話が流れてきます。情報は十分にある。それでも、いざ自分の毎日を振り返ると、頭の中を占めているのは「時間がない」「失敗したらどうしよう」「どうせ自分には無理かも」という考えだったりします。

願いは未来を向いているのに、日々の考えは不安のほうを向いている。これでは、船の行き先を決めたのに、舵は別の方向に切ったまま進んでいるようなものです。どれだけ一生懸命に船をこいでも、目的地には近づきません。

人は「意識を向けたもの」に気づきやすくなる

ここで、一つ試してほしいことがあります。「明日、黄色いものを探してみよう」と決めて一日を過ごしてみてください。

すると、普段は気にも留めなかった黄色い看板や、黄色い花、黄色い服が、次々に目に入ってくるはずです。黄色いものが急に増えたわけではありません。あなたが意識を向けたので、もともとそこにあったものに気づけるようになっただけです。

人の脳には、目や耳から入ってくるたくさんの情報の中から、そのとき大事だと思っているものを優先して拾い上げる働きがあると言われています。脳の「網様体賦活系」という仕組みで説明されることもあります。

これは、黄色いものだけに限りません。

  • 「お客様の悩みを知りたい」と意識していると、日常の会話の中で悩みの言葉に気づきやすくなる
  • 「良いお手本を探したい」と意識していると、同じ分野で成果を出している人の発信が目に留まりやすくなる
  • 「失敗したくない」ばかり考えていると、うまくいかない理由の情報ばかりが目に入りやすくなる

意識の向け先が変わると、同じ毎日の中でも、拾える情報が変わります。拾える情報が変われば、取る行動も変わっていきます。現実が変わるのは、この「気づき→行動」の積み重ねによってです。

イメージは「行動のリハーサル」として使う

意識の向け先を決めるうえで役に立つのが、具体的なイメージです。スポーツの世界では、試合の流れを細かく思い描く練習が広く取り入れられてきました。メンタルコーチとして知られるルー・タイス氏も、具体的なイメージを重視したことで知られています。

ただ漠然と「うまくいく」と思い浮かべるのではなく、スタートからゴールまでの流れ、そのときの体の感覚、終わった瞬間の気持ちまで、場面として思い描きます。

ビジネスに置きかえると、たとえば次のようなイメージです。

  • 初めてのお客様と個別相談をしている場面で、自分が何を質問し、相手がどんな表情をしているか
  • 商品の案内をしたあと、「ぜひお願いします」と返事をもらったときの自分の言葉
  • 一日の仕事を終えて、家族と過ごしている時間の様子

イメージは、願いをかなえる魔法ではなく、行動のリハーサルです。 場面を細かく思い描くと、「そのために今日、何を準備すればいいか」が見えてきます。未来を具体的にする方法は、「未来の記憶」の作り方でも解説しています。

「面舵の法則」で、意識の舵を目標に向け続ける

広い海を進む一隻の船を思い浮かべてください。船は「あなた自身」、羅針盤は「あなたの目標」、そして船の向きを決める舵が「あなたの思考」です。

「面舵の法則」とは、この思考という舵を、目標の方向へ向け続けるための考え方です。舵は一度切ったら終わりではありません。風や波で船の向きは少しずつずれていくので、気づいたら何度でも戻す必要があります。

不安は消そうとせず、気づいたら舵を戻す

「うまくいかないんじゃないか」「失敗したらどうしよう」。こうした考えが浮かぶのは、自然なことです。新しいことを始めるときに不安を感じない人はいません。

大切なのは、不安を無理に消そうとしないことです。消そうとするほど、かえってそのことばかり考えてしまいます。そうではなく、「今、舵が不安のほうに向いているな」と気づいたら、次の章の質問で、舵を目標の方向へ戻します。思考の焦点の変え方は、「理想の世界」を実現する思考法でも詳しく書いています。

つらい記憶が続くときは、一人で抱えない

過去の失敗やつらい経験が何度もよみがえって、眠れない、仕事が手につかないなど、日常に影響が出ていることもあるかもしれません。そうしたときは、考え方の工夫だけで何とかしようとせず、医療機関やカウンセラーなどの専門家に相談してください。この記事でお伝えしているのは、日々の意識の向け方を整える方法で、心の治療に代わるものではありません。

舵を切るための3つの質問

ここからは、「面舵の法則」を毎日の行動に移すための3つの質問です。紙やスマホのメモに、答えを書き出しながら進めてください。

質問1:今、私の舵はどちらを向いている?

まずは現状を確かめます。この1週間で、頭の中や口に出した言葉を思い出してみてください。

  • 「どうせ私なんて」
  • 「失敗したらどうしよう」
  • 「でも、時間がないし」

できない理由を探す言葉が多いと気づいたら、それは舵が目標とは違う方向を向いているサインです。責める必要はありません。気づけたこと自体が、舵を戻す第一歩です。

質問2:私は、本当はどこに着きたい?

次に、目的地をはっきりさせます。行き先が決まっていないまま進んでも、どこにも着きません。

  • 「好きなことを仕事にして、時間の切り売りから抜け出している」
  • 「家族との時間を大切にしながら、無理なく売上を作れている」
  • 「自分の経験を生かして、目の前のお客様の役に立っている」

できるだけ具体的に、場面が浮かぶ言葉で書いてみてください。

質問3:そこに近づくために、今日できることは何?

最後に、目的地に向かって舵を切る質問を、自分に投げかけます。

  • その目標に近づくために、今日できる一番小さな行動は何か
  • そのために、どんな情報が必要か
  • 誰に話を聞けば、近道が分かりそうか

たとえば、「集客できない」と悩んでいるなら、「どうして集客できないんだろう」と問うのではなく、「今週、見込みのお客様1人に何を届けられるだろう」と問い直します。問いが変わると、探す答えも変わり、次の行動が見えてきます。

3つの質問は、一度やって終わりではありません。舵は風や波でずれていくものなので、朝の仕事を始める前や、夜の寝る前など、毎日同じタイミングで短く問い直すと、ずれに早く気づけます。答えを書き残しておくと、あとで読み返したときに、自分の舵がどちらへ動いてきたかも確かめられます。自分で変えられることに意識を集中する考え方は、「影響の輪」の法則も参考になります。

まとめ

  • 現実が変わらないのは意志の弱さではなく、日々の意識の向け先が目標と違う方向を向いているから
  • 人は意識を向けたものに気づきやすくなる。気づきが変わると、行動が変わる
  • イメージは魔法ではなく、行動のリハーサルとして使う
  • 不安は消そうとせず、気づいたら舵を戻す。つらい記憶が日常に影響するときは専門家に相談する
  • 3つの質問(今どちらを向いている?どこに着きたい?今日できることは?)で舵を切る

まずは今夜、3つ目の質問「目標に近づくために、明日できる一番小さな行動は何?」に、一行だけ答えを書いてみてください。その一行が、舵を切る最初の一回になります。