ゼロから書くな！反応率の高いキャッチコピーを最も簡単に書く方法

あなたは、キャッチコピーの重要性や、効果的なテクニックの数々は理解したものの、「知識はあっても、いざ自分で組み合わせるとなると、良い言葉が全然出てこない…」「本当にこの言葉で人の心は動くんだろうか…」と、実践の壁の前で完全に手が止まってしまっていませんか？

ここでは、そんなあなたのための、ゼロから生み出す苦しみを解消する、最も簡単で確実なキャッチコピー作成術、すなわち「優れたお手本を“模倣”する」という方法をご紹介します。これを読めば、なぜ一流のクリエイターほど「模倣」を大切にするのか、その理由がわかります。

安心してほしいのですが、これは決して「盗作」や「手抜き」を推奨するものではありません。古今東西、あらゆる世界の巨匠たちが、偉大な先人の作品を模倣することからそのキャリアをスタートさせました。これは、あなたが最短でプロのレベルに到達するための、最も賢い学習法なのです。

100年語り継がれる伝説の「ピアノコピー」

コピーライティングの世界に、100年近く経った今でも語り継がれる、伝説的なキャッチコピーがあります。

「私がピアノの前に座るとみんなが笑い始めました。でも弾き始めると……！」

(When I sat down at the piano, they started to laugh. But when I started to play…!)

これは、1920年代にジョン・ケープルズという天才コピーライターが書いた、ピアノ通信講座の広告です。この広告は歴史的な大成功を収め、現代に至るまで、世界中の広告マンがこの「型」を真似て、数え切れないほどのヒット広告を生み出してきました。

このキャッチコピーは、なぜこれほどまでに人の心を惹きつけるのでしょうか？

それは、「嘲笑からの賞賛」という、見事な逆転劇（ストーリー）が、たった2行の文章に凝縮されているからです。読者は「……！」の先に何が起こったのか、気になって仕方がなくなります。

あなたがキャッチコピーを書く上で苦労しているなら、ぜひこの「ピアノコピー」のように、すでに効果があると証明されている名作の「型（構成）」を真似てみてください。

初心者がうんうん唸って考えた独創的な（つもりの）コピーよりも、プロが作り上げた実績のある「型」を拝借した方が、遥かに高い反応率を叩き出せるケースがほとんどです。

「でも、それってパクリじゃないの？」と不安に思うかもしれません。でも、大丈夫です。重要なのは、一言一句同じ文章を盗むのではなく、その文章の「構造」を真似ることです。

▼「ピアノコピー」の構造を真似てみると…

「私が〇〇すると、みんなは△△した。でも、□□すると……！」

「私が『起業する』と宣言すると、親友は呆れた顔をした。でも、3ヶ月後の通帳の残高を見せると……！」

「私が『夏までに10kg痩せる』と言うと、彼は鼻で笑った。でも、ビーチで私の姿を見た彼は……！」

どうでしょうか？全く違うテーマなのに、同じように「続きが気になる！」というワクワク感が生まれますよね。これが、「型を真似る」ことの威力です。

この強力な「型」を自在に使いこなすために、今日からあなたに実践してほしいことがあります。それは、あなただけの「キャッチコピー・ストックブック」を作ることです。

あなたの周りは、キャッチコピーの宝庫です。本の帯、テレビCM、ネット広告など、意識をすれば、一日中お手本に触れることができます。その中で「お、今の言葉は刺さったな」と感じたものを、すべて記録しましょう。

方法は簡単です。気になった広告はスマホで写真を撮る。Webサイトならスクリーンショットを撮る。それらを専用のフォルダに放り込んでいくだけです。

ただ集めるだけでは、宝の持ち腐れです。時間があるときにフォルダを見返し、「なぜ、この言葉に自分は惹かれたんだろう？」「これは“意外性”のテクニックだな」「これは“警告”の型だ」と、自分なりに分析する癖をつけましょう。この分析こそが、あなたの血肉となります。

このストックが増えれば増えるほど、あなたはキャッチコピーで悩むことがなくなります。「今回は、あの広告の型を使ってみよう」と、引き出しからアイデアを自由に取り出せるようになるのです。

ここまで、反応率の高いキャッチコピーを最も簡単に書く方法について解説してきました。最後に要点を3つにまとめました。

もう、あなたは真っ白な画面の前で固まる必要はありません。巨人の肩の上に立ち、偉大な先人たちの知恵を借りながら、あなた自身の傑作を生み出してください。