同じテーマで発信している人が、自分よりたくさんいる。実績のある人も多い。何か違うことをしないと選ばれないと思って、目立つ見せ方や新しい言葉を考えてみるけれど、しばらくすると似たような発信がまた増えている。そんな悩みを持っている方は多いです。
こういうとき、多くの方は「もっと差別化しなければ」と考えます。でも、人と違うことをして目立つだけの差別化は、真似しようと思えば、少し頑張るだけで真似できてしまいます。
結論から言うと、起業して結果を出すために目指したいのは「独壇場」を作ることです。独壇場とは、あなた以外の誰も入ってこられない、あなただけの場所のことです。そして独壇場は、特別な才能ではなく、あなたが持っている知識や経験の「組み合わせ」で作ることができます。
この記事では、差別化と独壇場の違い、組み合わせで独壇場を作る考え方と私自身の例、そして独壇場を作る4つの手順をお伝えします。
差別化と独壇場の違い
ビジネスでは「差別化が大事」とよく言われます。ただ、差別化という言葉は、「人と違うことをして目立つ」という意味で使われることが多いです。
見せ方や言い回しを変えるだけの差別化は、ほかの人から見てもすぐに分かります。分かるということは、真似できるということです。結果として、似たものがまた増え、また別の違いを探す、という追いかけっこが続きます。
一方で、独壇場は「あなたにしか提供できない世界を作る」ことです。あなた以外にはできないことをしているので、ほかの人が真似しようとしても真似できません。一度独壇場ができると、そもそも同じ場所で比べられることがなくなるので、ライバルという存在自体がいなくなります。
| 上辺の差別化 | 独壇場 | |
|---|---|---|
| 何を変えるか | 見せ方・言い回し | 提供できる中身そのもの |
| 真似されやすさ | 少し頑張れば真似できる | 同じ組み合わせを持つ人しか入れない |
| ライバルとの関係 | 比べられ続ける | 比べられる相手がいなくなる |
独壇場は「組み合わせ」で作る
では、独壇場はどうやって作ればいいのでしょうか。答えは「組み合わせ」です。
たとえば、ビジネスのやり方を教える仕事をしている人の多くは、ビジネスの勉強ばかりしています。同じ仕事をしている人はほかにもたくさんいて、その人たちもみんな同じようにビジネスを勉強しています。これでは、どれだけ勉強しても、同じ場所で比べられ続けることになります。
そこで、自分が持っている別の何かを組み合わせます。すると、ビジネスだけを勉強している人には提供できない内容に変わり、あなただけの武器になります。
一つひとつの知識は、ほかの人も持っているかもしれません。でも、その組み合わせを持っている人は、ぐっと少なくなります。そして、その組み合わせを、特定の相手の役に立つ形で使っている人となると、ほとんどいなくなります。
私の場合:ライティング×心理学×哲学
具体的な例として、私の場合をお話しします。
私は起業の方法を教える仕事をしているので、当然、起業に関することを学んできました。それ以外にも、売れる商品の作り方、コピーライティング、マーケティングなど、インターネットで商品を販売することについて、幅広く学んできました。
そして、それとは別に、心理学や哲学の知識も持っています。私は文章を書くとき、この心理学と哲学の知識を織り交ぜて書いています。つまり、「ライティング × 心理学 × 哲学」の組み合わせで文章を書いているのです。
商品を販売するための文章の力として、多くの人はコピーライティングを学びます。ただ、コピーライティングだけを学んでも、なかなか結果につながらないことがあります。そこに心理学と哲学を組み合わせると、ライティングだけを学んだ人とは違う形で文章を組み立てられるようになります。
ライティング、心理学、哲学をそれぞれ学んでいる人は、ほかにもいると思います。でも、それを文章を書く技術に活かして、起業を教える仕事に使っている人は、ほとんどいないのではないかと思います。これが、私にとっての独壇場です。
私の場合は3つを組み合わせていますが、2つの組み合わせでも、独壇場は十分に作れます。
組み合わせる材料は、特別な知識でなくていい
「自分には、組み合わせられるような特別な知識がない」と思う方もいるかもしれません。でも、組み合わせる材料は、特別なものである必要はありません。
- 得意なスポーツ
- 学校で得意だった科目
- 料理が得意、子育ての経験がある
- 旅行によく行く、映画が好き
- 車が好き、アイドルが好き
ビジネスとまったく関係のない、あなたの特技や好きなことでかまいません。そして、それが誰かより特別に優れている必要もありません。一つだけでは役に立たないと思っている知識でも、組み合わせることで、独壇場を作るきっかけになります。
たとえば、ビジネスの知識と外国語の知識を組み合わせた人がいたとします。その時点で、外国語を話せない私は、その世界に入っていくことができません。つまり、その人は私をライバルだと思う必要がなくなります。組み合わせるというのは、そういうことです。
自分の経験や知識を、商品の材料として書き出す方法は、経験と知識を商品の材料に変える棚卸し7項目で解説しています。
独壇場を作る4つの手順
組み合わせの考え方を、実際に形にする手順は次のとおりです。
- 自分の仕事の軸を一言で書く(例:起業を教える、集客を手伝う、心の悩みを聞く)
- 軸以外の知識・経験・好きなことを、できるだけたくさん書き出す
- 軸と組み合わせたときに、「誰の、どんな悩みに役立つか」を考える
- その組み合わせで、小さく発信したり提供したりして、反応を見る
手順3が一番大事です。組み合わせが珍しいだけでは、独壇場にはなりません。その組み合わせで、特定の誰かの悩みが解決しやすくなって初めて、選ばれる理由になります。
たとえば、子育ての経験がある人が、起業の方法を「子育て中で時間が限られている人」に向けて教えるとします。子育ての経験があるからこそ分かる時間の使い方や気持ちの揺れを、起業の手順に織り込めます。同じ起業の話でも、子育ての経験がない人には話せない内容になります。
誰に向けるかを決める考え方は、WHO設計の11項目と選び方の5基準でまとめています。
独壇場を作るときによくある失敗
| よくある失敗 | どう直すか |
|---|---|
| 珍しさだけを狙って組み合わせる | 誰の悩みに役立つかを先に考える |
| 「自分より詳しい人がいる」と材料から外す | 優れているかではなく、持っているかで選ぶ |
| 組み合わせを自分の中だけで使っている | 発信やプロフィールで言葉にして伝える |
| 組み合わせを増やしすぎて、何の人か分からなくなる | 軸を1つ決め、組み合わせは2〜3つまでにする |
3つ目も見落とされがちです。組み合わせを持っていても、相手に伝わっていなければ、外から見るとほかの人と同じに見えます。「私は〇〇と△△を組み合わせて、□□な人の役に立ちます」と、一言で言える形にしておきましょう。
ライバルのいない場所でファンを増やしていく考え方は、ライバル不在の独壇場を築きファンを獲得するでもお話ししています。
まとめ
- 見せ方を変えるだけの差別化は真似されやすく、比べられ続ける
- 独壇場とは、あなたにしか提供できない世界を作ること。できるとライバルがいなくなる
- 独壇場は、仕事の軸に、自分が持つ別の知識や経験を組み合わせて作る
- 組み合わせる材料は特別でなくてよく、誰かより優れている必要もない
- 大事なのは、その組み合わせが「誰の、どんな悩みに役立つか」まで考えること
まずは、あなたの仕事の軸以外に持っている知識・経験・好きなことを、10個書き出してみてください。その中から、軸と組み合わせたときに誰かの役に立ちそうなものを1つ選ぶことが、独壇場づくりの最初の一歩です。


