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動画だけの講座ほど、受講者は復習しません|学習ガイド・ワークシート・音声解説で教材をそろえる方法

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講座の中身を動画にまとめた。全部見てもらえれば、ちゃんと伝わるはず。そう思って動画だけを渡したのに、受講者が復習せず、次の回で前回の手順を忘れている。こんな悩みはありませんか。

動画は、見返すのに時間がかかる教材です。「あの手順の2つ目は何だったか」を確かめたいだけなのに、動画を探して再生し、該当する場所まで進めなければいけません。だから、受講者は復習しなくなります。

結論から言うと、動画の横に「読む教材」と「聴く教材」を置くと、受講者は自分のペースで復習できるようになります。しかも、テキストを先に作って中身を固めれば、音声はその中身を形を変えて出すだけで済みます。

この記事では、Gemini Notebook(旧NotebookLM)を使って、学習ガイド・ワークシート・用語集・よくある質問のテキスト教材を作り、同じ中身を予習・復習の音声にする手順を解説します。材料にするのは、講座の骨組みを作らせる手順で作った各回の「骨組みメモ」です。

教材は、テキストから作る

音声や動画より地味に見えますが、私はいつもテキストの教材から作ります。理由は単純で、テキストの段階が一番、中身の間違いを直しやすいからです。

音声やスライドは、直した中身を形を変えて見せるものです。先に音声を作ってから中身の間違いに気づくと、音声を作り直すことになります。テキストで中身を固めてから音声に進むほうが、手戻りが少なくなります。

この記事で作るテキスト教材は、次の4つです。

教材 役割
学習ガイド 各回の前後に読む「その回の地図」
ワークシート 手を動かしながら作業を進める書き込み式の紙
用語集 講座で使う言葉の意味をそろえる
よくある質問 受講者が迷いやすい所に先回りして答える

文字の教材が講座の満足度にどう効くかは、受講者が手を動かす文字の教材を添える4つの種類でも書いています。ここでは、それをAIで早く作る進め方に絞ります。

学習ガイドは、1回分ずつチャットで作る

学習ガイドは、受講者が各回の前後に読む地図です。この回で何を作るか、要点は何か、どこでつまずきやすいか。これが1枚にまとまっていると、受講者は迷わず作業に入れます。

Gemini Notebookには、ノートブック全体の内容をまとめるレポートの機能があります。手早くまとめるには便利です。ただ、講座の学習ガイドは「第2回だけ」「この順番で」と、中身を細かく決めたいものです。そこで私は、1回分の学習ガイドはチャットで作り、答えをメモに残す方法をすすめています。

頼み方の骨組み

頼むときは、講座用のカスタム指示の短い版を先頭に貼り、その後ろに次のことを書きます。

  1. どの回を扱うか(例:第2回だけ)
  2. 材料はソースとその回の骨組みメモだけ、と限る
  3. 見出しの順番を決める(この回で作るもの/要点3つ/作業の流れ/つまずきやすい所と先回りのひと言/読み終えたら確かめること)
  4. 数字はソースと骨組みメモにあるものだけを使う
  5. ソースにないことは書かず、最後に「ソースに無いこと」として挙げる

5番目が大事です。たとえば、レッスンの日程の書き方は講座ごとに決めることなので、ソースにはありません。そこを「ソースに無いこと」として挙げさせ、講師が自分で書き足します。AIに埋めさせると、講座と関係のない一般論が混ざります。

ワークシートは、見本だけ人が作る

学習ガイドが「読む教材」なら、ワークシートは「手を動かす教材」です。受講者がワークシートだけを見て、作業を最後まで進められる。これを目指します。

ワークシートに入れる欄は、たとえば次のようなものです。

  • 表紙
  • 材料(何を用意するか)
  • 手順と記入欄
  • AIへの依頼文
  • 見本
  • できたかチェック
  • 気づいたことのメモ

AIに任せるのは、欄の並びと説明文、記入のヒントです。見本だけは任せません。 見本は、講師が実際に作った完成品だからです。AIに書かせると、講師が測っていない時間や、使っていない例が入ってしまいます。

頼むときは「見本の欄は作らず『見本は講師が差し込む』とだけ書いてください」と指示します。AIへの依頼文の欄には、会社名・人の名前・金額を貼らない注意を必ず入れさせます。

できたたたき台は、そのまま使える部分が多いはずです。それでも、記入欄の行数が足りない、チェックの項目が多すぎる、といった所は出てきます。受講者が実際に書く場面を想像しながら直してから、自分で作った見本を差し込みます。

用語集とよくある質問は、「答えのない所」を分けて出させる

学習ガイドとワークシートの横に置いておくと、受講者の迷いが減る教材が2つあります。用語集と、よくある質問です。どちらもソースからの抜き出しが中心なので、AIが得意な作業です。

用語集

講師が当たり前に使っている言葉ほど、受講者はつまずきます。用語集は、全回分を1枚にまとめます。「言葉/一言の説明/初めて出てくる回」の表で出させると、使いやすくなります。

ここでのコツは、ソースの中で説明されていない言葉には「ソースに説明なし」と書かせることです。その言葉は、講師が自分で説明を書きます。AIに書かせると、講座の使い方とずれた一般的な意味が混ざるからです。

よくある質問

よくある質問の材料は、受講者から集めた質問のメモです。実際に届いた質問なので、次の受講者もきっと同じ所で迷います。似た質問をまとめ、回ごとに「質問/答え/答えの根拠のソース」の表にさせます。

ソースに答えがない質問は、答えを作らせずに「講師が答える質問」として分けて出させます。たとえば「会社でAIの使用が禁止されている場合はどうするか」のような質問は、講師が自分の考えで答えるべきものです。答えを書いて質問メモに足しておけば、あとで受講者に渡す質問窓口でも同じ答えが返るようになります。

配れる形に仕上げる

最後に、チャットで作った中身をWordやGoogleドキュメントに貼り付け、配れる形に仕上げます。ここで1つ気をつけたいことがあります。コピーしたあとの文章では、引用の番号が使えません。数字や手順を引用で確かめる作業は、必ずGemini Notebookの画面にあるうちに済ませてください。

仕上げでは、手順の並びがワークシートと学習ガイドでそろっているか、「簡単です」などの使わない言葉が混ざっていないかを検索で探します。最後に、印刷用のPDFと書き込み用のファイルの2つを用意しておくと親切です。

音声は、使う場面を3つに決めてから作る

テキストで中身が固まったら、同じ中身を「聴く教材」に変えます。使うのは音声解説です。資料をもとに、AIのホストが会話や語りで内容を解説してくれる機能です。

机に向かえる時間が限られている受講者でも、通勤や家事の間なら耳は空いています。テキストを読む時間がない人にも、音声なら届きます。ただ、なんとなく作ると「聴いて終わり」の教材になります。私は、使う場面を先に決めてから作ります。

  1. 予習(各回の前):この回で何を作るのか、なぜそれをやるのかを先に耳に入れておく
  2. 復習(各回の後):要点とつまずきやすい所を聴き直す
  3. 講師の点検(配らない):自分の教材を音声にして、受講者にどう伝わるかを外から聴く

3つ目は、受講者に配らない使い方です。音声解説が一度も取り上げなかった話は、教材の中で目立っていない話です。たとえば、学習ガイドで大事だと思っていた注意書きが、音声でまったく出てこなかったとします。それは、学習ガイドの中で注意書きが小さすぎるという合図です。

作るだけでなく、いつ聴けばいいかも受講者に伝えます。学習ガイドの冒頭に「レッスンの前日までに予習の音声を、翌日に復習の音声を聴いてください」と書くだけで、音声が後回しにされにくくなります。

形式と範囲で音声を整え、配るときはAIの表示を

音声解説には、いくつかの形式があります。講座での使い分けは、次のとおりです。

形式 中身 講座での使いどころ
概要 短く要点だけを話す 予習用。この回で何を作るかだけ伝えたいとき
詳細 ホストどうしの会話で掘り下げる 復習用。つまずきまで話してほしいとき
批評 内容を建設的に評価する 講師の点検用。配らない
議論 決まった形式に沿って議論する 考え方が分かれる話題を扱う講座向け

生成するときは、指示欄に講座用のカスタム指示の短い版を貼り、その後ろに4つの一言を足します。「範囲(第2回だけを扱う)」「場面(通勤中に聴く予習用)」「焦点(必ず取り上げてほしい話)」「専門度(専門用語には一言の説明を付ける)」です。

復習用の焦点には、骨組みメモで出した「つまずきそうな所」をそのまま使います。骨組みを先に作っておいた分、ここで迷わずに済みます。

長さは、形式と範囲で整える

長さの指定は、日本語の指示では思いどおりに効くとは限りません。そこで私は、長さを形式と範囲で整えています。短くしたいときは「概要」を選び、話が散らばるときは扱う範囲を1回分に絞ります。

作れる量には上限があり、仕組みも変わることがあります。全回分を一度に作ろうとせず、1回分ずつ作って聴き、直してから次に進むほうが、作り直しも少なくて済みます。

配る前に決めておく3つのこと

  1. 「音声はAIで生成しています」と表示する:AIのホストの声はとても自然です。講師本人の声だと受け取られないよう、音声を置く場所と学習ガイドの案内の両方に書きます。隠して気づかれるより、先に伝えるほうが信頼を失いません
  2. 全部聴いて、数字と手順の順番を確かめる:音声は聴きながら引用を開けません。聴きながら数字と手順だけをメモし、学習ガイドと見比べます。食い違った所は、チャットで根拠を聞き直します
  3. 受け取る人の環境に合わせる:ファイルで会員サイトに置くのか、ノートブックを共有して聴いてもらうのかを決めます

ノートブックを共有して受講者に使ってもらう方法と、その注意は、確認テストと質問窓口になるノートブックの配り方で解説しています。

まとめ

  • 動画だけの講座は復習されにくい。横に「読む教材」と「聴く教材」を置く
  • 教材はテキストから作る。学習ガイドは1回分ずつチャットで作り、ソースに無いことは分けて出させて人が書く
  • ワークシートは欄とヒントをAIに任せ、見本だけは講師が作ったものを差し込む。用語集とよくある質問も「答えのない所」を分ける
  • 音声は予習・復習・講師の点検の3つの場面を決めてから作り、形式と範囲で整える。配るときは「音声はAIで生成しています」と表示する

次の一歩として、まずは1回分だけ、学習ガイドを作ってみてください。1回分の型ができれば、残りの回は同じ頼み方で進められます。