私の知り合いには仕事、職場の環境が原因で精神的、肉体的に異常をきたしてしまった経験を持つ人が何人もいます。
これは、私の周りが特殊なのかと思っていましたが、世の中全体の傾向のようですね。
性格がまじめな人ほど、そんな経験があるようです。
真面目に働くと病気になる会社
先日もこんな相談を受けました。
彼女はシングルマザーで高校生の子供を育てながら、とある企業で正社員として働いています。
その職場は長時間労働が常態化しているようで、朝は8時くらいから、夜は終電に乗って帰るまで毎日働いているそうです。
(それだけ働いても残業代はゼロらしい)
彼女は仕事ができる優秀な人材らしく、上司から信頼されて大量の仕事が割り振られてくるそうです。
元々体が強いほうではない彼女は、忙しさが原因で体を壊してしまったことがあり、一時期は休職したこともあるそうです。
そして、復帰後にはそれまで以上に多くの仕事を振られ始めてしまいました。
真面目な彼女は過去に休職したことで職場に迷惑をかけたことを負い目に感じており、体調が万全ではない状況でも、深夜残業や休日出勤で頑張り続けていたそうです。
仕事のストレスが大きくなりすぎて、一人でいると、何度も「死にたい」と思うこともあったそうです。
しかし、子どももいるので頑張り続けていたようですが、無理がたたり、また倒れて入院してしまいました。
お見舞いに来た同僚に
「真面目に働きすぎるから大変になるんだよ」
と言われてショックを受け、これから先の人生に迷いが出てきたそうです。
真面目に働くと病気になる会社って異常ですね。
壊れる前に逃げた方がいい
私が勤めていた会社も似たようなものでしたが、日本全国に似たような会社があるみたいです。
先日も似たような状況について書いたのですが、人生を破壊されてしまうような会社に入ってしまった場合、多少でも貯金があって、当面の生活ができるのであれば、さっさと逃げて別の生き方を探すべきです。
どんなに我慢して必死に頑張り続けたところで、そこに留まることは幸せにつながっていきません。
このような場合はできるだけ早く逃げたほうがいいです。
体力・気力があるうちに逃げ出さなければ、さらに選択肢が少なくなるとか、致命的なダメージを負ってしまうリスクも高まります。
相談を受けてすぐに私は「その会社はやめたほうがいいですよ」と伝えましたが、彼女は当初辞めるつもりがないようでした。
その理由は以下のようなものでした。
「今の会社を辞めてからの生活と老後に不安があるから」
「・・・」
今の会社で働き続けることには不安を感じないのでしょうか?
彼女は会社にとって都合の良い社員へと洗脳されてしまっているように感じました。
ブラックな環境に居続ける方がヤバい
ブラック企業が未だになくならない理由の一つとして、そこで働く人たちがその環境を当たり前だと思って我慢を続けてしまうことが挙げられます。
特に給料がそこそこ良かったり、大きな会社だったり、比較的安定している会社に勤めている人ほど「将来に対して不安」だと言って我慢をしています。
現状に不満があろうが、過酷な環境であろうが、我慢さえしていればクビになることはほぼないし、定年まで我慢を続ければ、大きな金額の退職金がもらえると考えているのでしょう。
そして、ゆとりのある年金暮らしを夢見ているのでしょう。
だから、わざわざ転職したり起業したりしなくても、「このまま我慢したほうがいい」と判断しているのです。
しかし私は「老後の安心のために今を犠牲にする」という考え方には否定的です。
数年程度の我慢であれば理解もできますが、死にたくなるほどつらい日々を我慢して、年老いた先の幸せを願うってどうなんでしょう?
若い頃を犠牲にして訪れた老年期って本当の意味で幸せなんでしょうか?
「人生失敗した!」って思わないですかね。
人生最後の10~20年だけを安泰に過ごせれば悔いはないという人も中にはいるのかもしれませんし、終わり良ければすべて良しとも言うので今の老人全部が失敗しているとは言いません。
でも、一番健康で動きまわれる時期に辛く我慢の日々を送り、足腰が弱ってよぼよぼになり、薬漬けと病院通いの日々になった老後になってようやく自由になったとしても理想的な人生だとは思えません。
それを手に入れるために今を必死に我慢するのは本当に正しい選択でしょうか?
そんな未来を手にするために我慢するよりも、もっと若いうちに素敵な思い出をたくさん作ったほうがいいのではないでしょうか?
それに、死にたくなるほど辛い日々を耐えるなんて、これから先何十年も続けられるのでしょうか?
最悪は命を落としかねません。
(私は過労死が怖くなりました)
命を落とさないとしても、心身に致命的なダメージを受けるとそれ以降まともに働けなくなるリスクもあるので、そうなると老後の安泰どころではなくなって、普通の人よりも悲惨な老後が来るかもしれません。
我慢の先には、生活保護で食いつなぐ寝たきりの生活やブルーシートとお友達になる生活かもしれません。
無事に老後を迎えられたとしても、そのときには大切な人が先にいなくなって、一人ぼっちになっているかもしれません。
それに長い間自分を殺し続けてしまうと、何が幸せなのかすら分からなくなってしまうリスクもあります。
そして、すでに年金制度は破たんに向かっているので、今から20年以上先に年金を受け取る予定の人がこのままの延長で安定した老後を手に入れるということはありません。
老後の安心に対して極端な重みを置いてしまう価値観は、とてもリスクが高い生き方だと思います。
(逆に現在の楽しさだけを重視するのも同じですが)
まとめ
定年後があなたの人生のスタートではありません。
あなたの人生はとっくの昔に始まっているし、ほとんどの人は一番いい時期に差し掛かっているはずです。
それであれば、すぐにでも幸せな状態になるように行動をするべきです。
老後も大事ですが、現在も同様に大事だと理解し、どちらか一方だけを優先して、一方を犠牲にしてしまう人生設計は見直すべきだと思います。
P.S、
相談をしてくれた女性は、その後すぐに退職届を出しました。
元々その仕事自体が好きではなく、収入がなくなることへの不安から会社にしがみついているだけだと気付いたそうです。
今となっては何の未練もなく辞めることができると言ってました。
これからは自分の好きなことを仕事にして起業をするとのことですが正しい行動さえしていれば、必ず成功できるので、成果が出るのを楽しみにしています。